二重生活 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.10
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本棚登録 : 793
感想 : 76
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041036204

感想・レビュー・書評

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  • 自分でも一度は実験してみたくなる話。
    通勤途中にふと振り返ると、目をそらす怪しい人が居るかも知れません。

  • 大学院生の珠は、尾行する対象者への目的を持たない、「文学的・哲学的尾行」を始める。最初の尾行はスリリングでドキドキしたが、対象者に必要以上に近づいたり、尾行以外の方法で情報を得ようとしたりと話がもたつき、中盤はたいくつに感じた。だが、珠は尾行の素人であるし、ノウハウを教えられたわけでもないので、当然の成り行きなのだろう。終盤になってようやく面白くなり、終章の魂の抜けきったような気怠い感じが気に入ったので、☆をひとつプラス。

  • 大学院生の珠は、敬愛する教授の授業で扱ったフランスのアーティスト、ソフィ・カルの作品に興味を覚え、そこにあった「文学的・哲学的尾行」を自らも実践しようと試みる。
    ターゲットは近所に住む中年男性の石坂。初日で早くも石坂の秘密を知った珠は尾行にのめり込む…。
    文学的・哲学的尾行であるがゆえか、物語全体が少々冗長な感じを受けた。
    興味があればソフィ・カルのその作品自体にあたるべきかもしれないが、そこまでの意欲もなく、理解しにくいまま終わってしまった。

  • どれだけ綺麗な言葉を並べたところで 主人公珠の行動はストーカーと紙一重ではないか、と感じた

    物語の終盤まではつまらなく 斜め読みでも十分内容が把握できるもの
    感じたことはひとつ。
    人は疑いだすとキリがないし、誰もが本心を話しているとは限らない
    信じる、と 疑う、は相反するようでいて紙一重なのではないかということ。

  • 文学的哲学的尾行
    これは言い訳であって犯罪だよなぁと思いながら読んでいました。
    裏表紙にあるほどのスリリングな展開も?って感じで読むのに時間がかかってしまいました。
    石坂さんに尾行がバレてからの展開は面白かったです。
    映画はどんな感じかしら?
    この退屈な物語をどう描くのか、ある意味楽しみです。

  • はじめて買った電子書籍。映画が気になるところだけど公開までまだあるから先に読んでしまった。きっとみんな秘密を他の人に見せないように、どこか黒い感情を持ちながら生きてるんだなあ。

  • 珠が石坂の事で卓也に真実を話していないように、卓也も嘘を言っているかもしれない。
    "二重生活"と言うほど大げさではないが、誰もが多少なりに真実と虚偽の間を行き来している。
    信じられるのは自分が見たものだけ。

  • 読むのに時間が必要な話だった。
    ラストも、珠の気持ちの昂り…次の
    文学的・哲学的尾行の予感。
    ちょっとした
    狂気
    を感じてしまった。

    この話で私が気になったことばは
    石坂の
    厭世的
    という、言葉。

    そんな彼から発せられる雰囲気が、珠を惹きつけたのかなぁ。

  • 「文学的・哲学的な尾行」って何だろう。石坂を尾行するくだりはスリリングで、ホラーを書いていた時期の小池真理子のテイストを懐かしく感じ面白く読んでいたが、彼氏に対する嫉妬とか、どうつながるのかが良く分からず、ちょっと物足りなさも感じた。☆3.5って感じ。

    二重生活って、石坂の浮気の話だけかと思っていたが、珠の話も含まれてるのかな。卓と腹を割って話したものの結局珠は石坂を尾行していたことは話してないもんね。二重生活って隠し事をもって生活することって意味かな。でも秘密がない人のほうが少ないと思うな。

  • ヒロインの珠は「文学的・哲学的な尾行」だと頑なに信じていが、秘密が持つ魅力に囚われているように見受けられる。
    秘密のない人間なんて、たぶん天然記念物並みに珍しいのではないだろうか。
    そして、その秘密がスキャンダラスであればあるほど惹きつけられるのは分かるような気がする(だからパパラッチみたいなものが存在するのだろうし)。
    よく知っていると思っている人にも、実は大きな秘密があったりして……そう思うと、ぞくりとするほど怖い話でもあると感じた。

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著者プロフィール

作家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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