孤島の鬼 江戸川乱歩ベストセレクション(7) (角川ホラー文庫 え 1-7 江戸川乱歩ベストセレクション 7)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041053348

感想・レビュー・書評

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  • 江戸川乱歩の傑作集が気に入ったので他の作品も、と思い購入。傑作集の、人物心情描写巧みな推理ものとは一線を書くものを読んでみた。
    現在ではこのような話は出版できないだろう。主人公簑浦の婚約者が殺害され、謎を解いていくところまではよくある話。簑浦に対する同性愛的な恋情を抱く諸戸の登場。自らに対して非道な行いをした者への恨みとして健常者を撲滅する目的で奇形の者を人工的に産み出す諸戸の「父親」、それを金儲けではなく自らの悲願として地に手をついて息子に協力を頼むところが個人的に一番ゾッとした。
    読んでいくとゾッとする中で、諸戸の簑浦に対する恋情とそれを知ってて振り回している❨ようにしか見えない❩簑浦のやりとりの一種の耽美性と歪みとがとても際立つ。その意味もあり、読後はぼーっとしてしまい、普段自分は同じ本を続けて二度読むことはないが、2回目をじっくり読むほどであった。

  • おそらく高校生頃から読もう読もうと思ってずっと読んでいなかった本。
    その間に漫画も3種類かな?でて全て手に入れて2作読んでからとうとう読んでみた。さすがに何種類も読んでると漫画化にあたって削られた部分も違う作家さんによって補い合われていてそこまで発見はなかったがそれでもなるほどそういうことかと思う部分もなくはない。親方が諸戸の両親の実の息子だとか。
    あと漫画でもどう解釈していいのかわからなかった君の頭、真っ白だよ。の部分の道雄の笑顔。「道雄はそういって妙な笑い方をした。それが私には泣いているように見えた。」の文が印象的。面白がってる笑顔でもなく悲しんだ顔をするわけでもなくこの笑顔はなんだろうと思っていた部分。文で読んでもはっきりとはわからなかったのだけどあの絵は泣いているような笑顔を表したのね、と。これは漫画を読んでいなかったらさらっと読み流してしまったかも。
    初めて原作を読む江戸川乱歩。ちょっと見慣れずに読めない漢字がでてくるものの文章自体は想像以上に読みやすかった。面白かったー

  • 面白かった。エログロという言葉が相応しい本。

  • 星4だけど5にしたいくらい良い
    すごい小説に出会ってしまった
    江戸川乱歩好きだわ

  • 傑作…切ない…

  • 最高のエンターテインメント、最高の大団円。
    諸戸道雄というキャラクターの魅力的なことよ…
    報われなかったけど、救われてはいたと思いたい。とても切なかったけど、それも良かった。

  •  読みやすい。さすがは江戸川乱歩。かなりおもしろかったけど蓑浦この野郎……ってなった。蓑浦が諸戸を受け入れられないのは性的指向として仕方ないとはいえ、性別とか関係なしに、蓑浦の行為は自分に好意を寄せている相手を利用しているようなものだから、諸戸もわかっていることとはいえ諸戸がかわいそうになってしまった。まあそんなことを言ったらこの物語が成り立たないんだけどね!

  • 気味悪くて途中で挫折しそうになったが、慣れと結末が気になり読了。
    道雄が不憫でならない。

  • 箕浦との関係に嫉妬する。読んだきっかけが先生だったし、江戸川乱歩なんてよんだことなかったけどめちゃおもしろかった。表現が少し難しいところもあったけど普通に読めたし、事件のトリックが今読んでも新しい。とにかく箕浦との関係に嫉妬する(2回目)

  • それが面白いんだろうけど「後で言います」みたいなの多いな。

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著者プロフィール

1894(明治27)—1965(昭和40)。三重県名張町出身。本名は平井太郎。
大正から昭和にかけて活躍。主に推理小説を得意とし、日本の探偵小説界に多大な影響を与えた。
あの有名な怪人二十面相や明智小五郎も乱歩が生みだしたキャラクターである。
主な小説に『陰獣』『押絵と旅する男』、評論に『幻影城』などがある。

「2023年 『江戸川乱歩 大活字本シリーズ 全巻セット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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