- Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041069172
感想・レビュー・書評
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誰かしらは自分を見守ってくれているといいな。「みんな、どっかおかしいんだよ」、それを分かっている人は優しいんだろうな。何も出来なくても祈ることは誰にでも出来るから。自分も祈っとくか、大丈夫でありますように。
サイコ物語だったのに、いつの間にか感動させられているのはやはり道尾さんの確固たる実力。
ただ、個人的にイヤミスが好きなので、、、3。 -
児童施設で育ったということ自体は別段驚くべきことではない。施設の子の親に施設の出が多いというのも常識。不利が不利を呼び、あきらめがあきらめを呼ぶ袋小路が日本のいたるところにある。いろんなことをあきらめて感情が表れなくなった目。半透明のセロハンテープで覆われたような眼。彼らの目はどこにもピントが合っていない。いつも虚ろ。そんな中で起きてしまった大事件。起きてしまった出来事に祈りは通じないかもしれない。それでも、吐く言葉だけは前向きにしたい。大丈夫。みんな大丈夫。そんな言葉に救われた。
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迫間さんの考え方が楽しくて、処世にも長けていて、うらやましいと思いました。
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ナルホド。
…う〜ん。 -
孤児院で育ったサイコパスの少年が自分の生い立ちを知ろうとした時、取り返しのつかない事が次々と起こる。一体誰がそんな事件を起こしているのか。自分自身なのか、それとも合わせ鏡のような別の人物なのか。読み手側を惑わすような展開ですが、そこが道尾さんの面白さ。ラストは身寄りのない少年がたった一つだけ持たされた物で箱を開けた時、少年の母親が子供たちに未来を託し、母親の純粋な思いと願いに涙しました。
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2018.10.8
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サイコパスというのは,他人にとっては危険なものだが自分にとっても恐ろしい刃になるものなんだ.自分がそういう存在だと知って(ボウフラが湧いてくるような状態は想像しにくいが)生理的不快感をずっと抱えて生きていかなければならないのは哀しいことだと思う.最後の最後で希望と未来への不安を残して物語は幕を閉じるが,どちらかというと暗い未来を感じた.