- 本 ・本 (160ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041105351
作品紹介・あらすじ
居酒屋の店内で迷子になり、電話でカジュアルに300万円の借金を申し込まれ、ゴミ分別の複雑さに途方に暮れる――。キミコさん(趣味・昼酒)の、苦手なものに溢れた日常を無駄に繊細な筆致で描くエッセイ集。
感想・レビュー・書評
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もう無敵!としか言えない公子さん。 北海道弁を駆使しながら我が身や父母を笑い、世間をおちょくり、酒をくらい、佐藤浩市を愛す日々。 軽く書いているようにみえて、かなり念入りに構成を練られていると見ましたね。
(#^.^#) (#^.^#)
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自分がいかに自堕落に(^_^;)世間の常識から外れたところで生きているか、いかに両親がとんでもないことを言ったりやったりしているか、を語るのって、意外と難しいと思うんですよ。
単なるヤンチャ自慢になったり、いえいえ、そこまで言わなくてもと痛いものになったり。
小さな宝箱のように素敵な素敵な小説を書く小川洋子さんでも、エッセイ中の自虐(というか謙遜)はたぶんご本人にとっては何から何まで本当のことなんだろうけど、なんかしっくりこないという・・。すみません、こんなところで“北大路公子”と比べられるとは小川さんもびっくりですよね。
で、ちょっと引用しちゃいます。
読者に向かって、私と入れ替わるには とあった後で
“私となったあなたには早速ビールの補充に向かってほしい。その件に関しては、これまでは「佐藤浩市がcmに出演している限りキリン一番搾りを買い続ける」という姿勢が大切であったが、今年に入って突如彼が「麒麟淡麗」方面に異動を果たしたうえ、私は発泡酒があまり好みでないので本当に困っています一体どうしたらいいでしょうか。と相談している場合ではなく、ここは銘柄にはこだわらず、お好みのものを選んでいただきたい。”
なんで途中から人生相談タッチ(#^.^#)になっちゃうのか。
人生相談する人&それに答える人をまとめて小っちゃく笑っちゃってる(でもそれ以上に自分のことをなんだけど)あたりが巧いなぁ~~~と、あはは・・・妙に感動してしまったし、
それ以上に可笑しかったのが、
テレビの調子が悪い、と延々、いかにテレビが公子さんの意に反した動きをするかを列記した後で
“では捨てるか。あちこちでよく目にする「故障を機にテレビを処分しました。最初は手持無沙汰でしたが、やがて読書の量が増え、季節を楽しむ余裕ができ、病気が治り、宝くじで一千万円当たりました」という毎日もありなのではないか。”
・・・もうこれは大笑いですね。
ホントに繰り返し新聞の投書欄に出てくる善良なお母さん(が多いと思う。なんかある種の匂いが付き物)をここまで笑い飛ばしていいのか!!
前半は実際にありそうな言い回しで、
「読書の量が増え」には、うん、そうでしょうね、と頷くけど、
「季節を楽しむ余裕ができ」あたりで、そこまで言うか!と引く思いになり、
後半の
「病気が治り」で、ん??? 宗教がらみになってきた??(#^.^#)
「宝くじ云々」では、もう爆笑ですよ。
うん、なんていうか、テレビを処分したという「大英断」を世間に誇りたい、皆さんもどうですか、と啓発したい、なんて無邪気に自慢する投稿にこんな角度から茶々を入れるとは、全く公子さん、食えねぇなぁ、と思うわけです。
テレビ処分の効用(#^.^#)の4つの順番というか、段階の踏み方が、絶妙に巧い!と、こんなところで感心してないで、もっとそれこそ人生に役に立つ本を読みなさいよ、なんて最後は自分突っ込みで終わります。(汗) -
北大路さんの本って、もっと面白かったような気がするんですが。読み手の私が変わったのか、もう一つ読んでいて、クスリとできる箇所が少なくてがっかり。一人の作家さん、間を空けずにコンスタントに読まないとあきません。
積んでる本も多いので、賞味期限があるようで早く読み進めないと・・少しあせりますな。 -
2008年から2012年にかけて雑誌掲載されたエッセイとのことで、だから、他の本で読んで知っている話も多かったです。チーズや牡蠣がお嫌いとか、日本酒を涙ながらに断たれたとかは初見でした。
「やぎさんゆうびん」のノベライズ(?)はもしかして世界初? -
泥酔日記はあまり面白いと思わなかったけど、これはいくつか面白い話があり、吹き出したり、笑いが止まらなかったりしながら、読みました。
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疲れている人こそ読むべき良書です。でも人前で読むには注意がいるかもしれませんね。
思いっきり噴き出したり、人目をはばからず思わず本に突っ込んだりしてしまいがちですから。
本当に毎度のことですが、北大路さんの文章力には心から感嘆させられます(笑)こんな文章は誰でもとても書けるものではありません。
日記として書けば2行くらいで終わるような情景やら心象やらが
高尚な(笑)文体と共に面々と綴られ、その内容のくだらなさ(褒め言葉)
や人としての駄目さ(褒め言葉)にこころから感じ入れさせられてしまいます。いやほんとに素晴らしい。
北大路さん行きつけの回転すし屋で、隣に座ってみたいといつも思います。これからも楽しみにしています。 -
相変わらず面白かった。北大路先生の本は、1話目のつかみが、毎回秀逸だと思う。
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面白いか否かの二択なら確実に前者なんだけど、今まで読んできた中じゃ下の方かなぁ。
「おでんの記憶」や「ホラー映画」のように日常の延長をまとめたエッセイは流石に楽しい。
妄想…というか、ストーリー仕立てのお話は微妙に感じた。 -
もしも、笑える女流エッセイストコンテストがあったのなら、迷うことなく一票を投じる北大路公子さんの最新刊。
昼酒ネタはやや影を潜めつつも、日常のあれやこれやな些細な小ネタの数々を独創的に、いや、独走的に?書き連ねる軽妙な筆致は相変わらず健在だ。
除雪機がよけた雪を家の前に残していきやがるくだりには大いに共感、やはり同じ風土に住むがゆえにより好感が持てるのだろうか。 -
苦手なのに深く考えている。逆に好きなんじゃないかと思う。
著者プロフィール
北大路公子の作品






けっこう知名度が低いと思っている、北大路公子さん。
私も大好きなんです(^ ^)/
新刊が出たのですね!
じゅんさんのレ...
けっこう知名度が低いと思っている、北大路公子さん。
私も大好きなんです(^ ^)/
新刊が出たのですね!
じゅんさんのレビューですでにもう笑ってしまいます。
早く読みた〜い!
私は正直、存じ上げない人だったのですが、読書サイトで話題になっていたので一冊読んで、それ以来、ずっぽりハマっており...
私は正直、存じ上げない人だったのですが、読書サイトで話題になっていたので一冊読んで、それ以来、ずっぽりハマっております。(#^.^#)
久々に本を読んで声出して笑っちゃいました。
公子さんのお母さんも、そしてついに(失礼!)お父さんも大好きです!(#^.^#)