トパーズ (角川文庫 む 4-4)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041586037

感想・レビュー・書評

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  • 私の人生の中で一番の映画である「トパーズ」の原作。

  • やっぱなんか、村上龍は、覚悟が違うなと。
    社会をできるだけ真正面から、見つめようとしている。
    彼の見方の、いい・悪いや、好き・嫌いは別にしても。
    自分の生きている社会を理解し、描いて、そしてさらに
    理解をフィードバックしようとしているように思える。

    僕は最近の小説や映画は、「共感の物語」か、「特別な複数の
    人間性の関係性の描写」の二つが多い気がする、と思っている。
    別にそれでもいいんだけど、同時に自分の生きてる社会に対して
    ある程度深められた問題意識っていうのがないと、薄っぺらで
    皮相的な作品になってしまうような気もするのだ。

    たとえば『トパーズ』は風俗の問題だ。
    しかし売春という問題が、今生きてる社会とどういう関係で問題に
    なっているかということを、作品の根底に持たなければ、単なる
    エロ小説か、あるいは売春はひどいなあ、とか、身体売ってしまって
    しょうがない奴だ、とか、ごく単純な倫理的問題に終わってしまう。

    『トパーズ』の場合、売春をする女性を入り口に、日本社会に生きる
    女性が「思想」を求める姿、を全体として描き出そうとしている。
    逆に言えば、「思想」を求める女性というのが、たまたま風俗をやって
    いる女性に顕著に現れているから、それを題材にしている、といえる
    かもしれない。
    そこにはセンセーショナルな筆致や、単純に興味本位のエログロっだけ
    ではなく、確固とした問題意識が感じられるのだ。

    もちろん、読み手をひきつける意味での、大胆な表現や、話の設定
    などはある。それは、作家として売れるために必要な技術だ。
    村上自身もどこかで「読まれなければ意味がない」と書いていた。
    たしか。

    というわけで、とても面白い作品でした。
    表現のエグさには、辟易するけれど。

  • 風俗をドラゴン先生が書くとこうなる見本。

  • 高校生の時に読んでしまった。辛かった。友に貸していまだに返ってこない。

  • 高校生の頃に初めて読んで、具合が悪くなりました・・・。

  • う・う〜ん・・・。今度は長編を読んでみたいかも。この方の短編だと何かメッセージ性も内容もちょっと投げやりな印象を感じちゃうのかもしれないです。

  • 何か、村上龍の書くエロチシズムに飽きてしまった。☆1つは、彼のせいではなく僕のせいだ。

  • 変態専門の売春婦の話。この本が出た頃は衝撃的でした。

  • 都会の裏の世界を歩く女の短編集。純朴で美しい姿などはなくて、生物的変態的想像をかき立てられます。そうはいっても、読んでみたくなって、そして気分が高揚することはなくて、どんより滅入ります。そんな気分の方に。

  • うん。これも龍って感じ。

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著者プロフィール

一九五二年、長崎県佐世保市生まれ。 武蔵野美術大学中退。大学在学中の七六年に「限りなく透明に近いブルー」で群像新人文学賞、芥川賞を受賞。八一年に『コインロッカー・ベイビーズ』で野間文芸新人賞、九八年に『イン ザ・ミソスープ』で読売文学賞、二〇〇〇年に『共生虫』で谷崎潤一郎賞、〇五年に『半島を出よ』で野間文芸賞、毎日出版文化賞を受賞。経済トーク番組「カンブリア宮殿」(テレビ東京)のインタビュアーもつとめる。

「2020年 『すべての男は消耗品である。 最終巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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