四畳半神話大系 (角川文庫 も 19-1)

著者 :
  • 角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043878017

感想・レビュー・書評

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  • 最高に面白かった。
    1話は正直あまりのめり込むことが出来なかったが2話からは急激に引き込まれ気がつくと読了していた。

    小津と私の会話はもちろん全てが愉快だった。

    これからさき僕自身も様々な失敗や後悔をするだろうけど実際それほど未来は変わらないのではないか?

    どれほど悩んでも結局行き着く先は大して変わらないのではないか?
    そう思える本だった。

    なんだか生きやすくなる気がした。

  • 文体が面白い。

  • 4つのパラレルワールド。
    出てくるタイミングや流れは違うもののさすがに4回読むと暗唱できそうな文章がたくさん。
    中二病的言い回しは面白い。でも、途中からちょっと飽きる。
    どんな世界線でも、小津は必ず骨折して、主人公は必ず明石さんと付き合う。
    出会う人には出会うし、苦難も必ずあるってことかな。
    どの世界線の私もそんなに変わらない生き方をしてるのかもってちょっと気が楽になった。

  • なかなかぶっ飛んでるとは思うけど面白かった。
    意外とどんな選択しても未来は同じなのかもとか思ったり思わなかったり。

  • 昔にアニメを見たことがあったが、今回改めて小説を読んだ

    最後にこれまでの伏線がギュッとまとまる感覚があり非常に秀逸


  • <大学時代という、一本道>

     読みにくい!
     が、最初の印象。でもその後すぐにホルモーの感じを思い出して、これもまた京大らしさなのか… と納得させてました。読み終わりにはこのクセの強さがまた一つ味になっていて。納豆的読み応えでしょうか。

     どこで使えるのな分からない、汎用性の低い語彙が増えました。でも良い。古本屋を蹌踉と漂いこの本と出会ったことで知れたのです。蹌踉、意味わかります?

     あと、特筆すべきは比喩でしょうか。琶湖疏水がケツから噴き出したら堪らんとツッコんだり、麺の流れを滝の勢いで表現出来んなあと膝を打ったりしてました。逆流してるからねそれ。でも、伝わるんだなあ。

     物語途中にある文章。『3日目「錬金術」を発見した』という一文。棘も尻尾も付いていない、なんてことない部分なんですけど、ここがめっちゃ好きで。この、是非誰かと共感したいんですけど、「うっわ、待って。え、まさか… いややっぱりそうや。嘘やん。え、嘘やろ? まじか…まじか…!」というこの、衝撃と遭遇した大学生感。雷に打たれてる感がバチっと伝わってきてそれが良くって… と、だらだら書きましたがこんな風に感じたのは僕だけかも知れません。笑

     一回だけじゃあ勿体無いんで、せめてそのままもう一回くらい読んで欲しいですね。部分だけでも、最初の章だけでも。まあ、おそらくこの本を読了された方はそのまま最初の章に戻っておられることかとは思いますが…

  • 21-9-16読了
    前回読んだのは夜は短しの映画化した頃なのでだいぶ久しぶりに読んだと思います。
    何度読んでも今までと違った見方が出来る大好きな作品。
    初めて読んだ中学生の頃は純粋に大学生活への憧れ 隣の芝は青い 身近な幸せに目を向けることへの教訓めいたものを感じていたけれど、「私」の年齢も追い抜いた今は「私」が無意義と語る暗黒の思い出達もきらきらと眩しく見えて終始微笑ましい気持ちになりました。
    何度読んでも小津みたいな友人が欲しいという気持ちは増すばかりです。

  • へんてこな話だと思って読んでいたら、やはり笑えるへんてこな話でした。けど、最後の方で意表をつかれました...。 第四話はなかなか考えさせられるものがあり、幾度か泣きそうになりました。さすが森見さんと言ったところで、内容や言い回しが面白く、また終わり方もとても綺麗でとても良い読後感を得られました。

  • 京都を舞台としたドタバタ青春小説。少しSF風味。三回生で青春を浪費していると感じている主人公に、占い師の助言があり、物語が転回する。4篇のパラレルワールド。例えあのときどの選択肢を取ろうとも、かけがえのない友人に出会い、同じ人を好きになるというのは、エモーショナルでよかった。

  • 森見登美彦先生にどっぷりハマるきっかけの作品!
    腐れ大学生と悪友との日常ファンタジー

    京都という土地のせいなのか日常からすっとなんの違和感もなくファンタジーの世界観へ

    京都の地名がたくさん出てきて本当にその場に行ったかのような情景が浮かび上がってくる

    もしあの時あの選択をしていたなら…
    誰しもが一度も考えたことはあるだろう
    森見ワールド全開!何度読んでも面白い!


  • 記憶力に自信のない方は、一気に読むことを強くお勧めします。

    私は1章を読み、1ヶ月ほど時間が空いてから2章以降を読んでしまいました。
    そのせいもあり、2章を読み進めながら「ん? ここもう読んだ気がするな」という違和感のまま読むことになってしまいました。

    仕掛けとしてはかなり独創的で、その仕掛けを活かしたメッセージが込められています。ただ読後はもう一声というか惜しい感じがしてしまいました。

  • 大変面白かった。
    もしもあの時、こうしていたら…ああしていたら…というパラレルワールドのお話だけど、着地点はみな同じ。
    私には、全部「薔薇色のキャンパスライフ」に見える。

    樋口師匠がいい。
    「我々という存在を規定するのは、我々がもつ可能性ではなく、我々がもつ不可能性である」
    一見すると意味不明な言葉が輝いている。
    アニメも良いです。

  • 結局どのルートを選んでも、ozには出会うし、薔薇色のキャンパスライフは手に入らない。笑
    けどなんだかんだ、充実しているなぁ
    コロナでキャンパスに行けてないため、とても眩しく感じた。
    四畳半を彷徨いたくはないが…

  • どれも同じようだが、四畳半自虐的代理代理戦争が個人的に好きなシナリオだった。
    我々という存在を規定するのは、我々がもつ可能性ではなく、我々がもつ不可能性である。

  • The森見登美彦って感じでした。
    いつも第一章は、読むのやめようかな...ってなるんです。
    言い回しが独特ですから。
    でも二章に入るあたりから、だんだんノってきて
    止まらなくなるんです。
    そして最後はとっても満足する。

    四畳半シリーズはキャラクターがいいですね。


  • 京都を舞台とした大学生の何の変哲もない?毎日を描いた4つの短編集、といえば、何か魅力を感じないが、いわゆる「パラレルワールド」ものである。
    あのとき、あのサークルに入っていれば、あの時、ああしておけば、という後悔や思いが物語を彩っていく。やがて最終章でそれらの物語がつながりをもつ。
    またこの作者の物語を読んでみたいと思わせる、そんな素敵な一冊でした。

  • 森見登美彦作品初。アニメは観ていて内容はわかっていたが、言葉の言い回しとか展開が独特で面白かった。京都行きたい。作者の本にもっと触れたい。

  • 私も大学時代を京都で過ごしたので、物語の至る箇所で登場する地名などに懐かしい気持ちになった。
    学生だった時は毎日が代わり映えのないようなものに思えたけれども、大人になった今、それはそれでとても楽しかったと思い返すことができる作品でした。

  • 記録

  • 目次
    ・四畳半恋ノ邪魔者
    ・四畳半自虐的代理代理戦争
    ・四畳半の甘い生活
    ・八十日間四畳半一周

    クセのある文体で、クセの強い登場人物を駆使しながら、着地地点は意外とまとも。
    そこが一番この作者らしいというか、うならされるところ。

    主人公は大学の3回生。
    自意識過剰故にバラ色のキャンパスライフを送ること能わず。
    それで思うのだ「あの時あっちを選んでいれば…」

    ネタバレになるから書けないと思っていたら、カバー裏にしっかり書いてあるからいいよね。
    これ、あっちを選んだ主人公の話なのである。
    …と、気づいたのは2話を読んだとき。
    なるほど、状況が変わっても本人が変わっていないから、やっぱり劇的に人生変わるなんてことないのね。

    3話目も、畳みかけてくる可笑しみは変わらず。
    なんかちょっとおちが見えてきたぞ…と思ったら4話で話が大きく動く。
    起・承・承・転結。
    あれもこれも、そういうことか。

    でもそれって、バタフライ効果的にはどうなのよ?って思ったところに蛾の大軍。
    もう、バタフライ効果なんてどうでもいいってことよね。
    筆の勢いで書いているように見せかけて、実に緻密に計算されているのが心憎い。

    …で、私はちょっと4話目を読みながら、Hey!Say!JUMPの『群青ランナウェイ』が脳裏をよぎってしまった。
    そこまでホラーじゃないけれど、グルグル感が。

  • 森見さんエッセンスが溢れるほど盛り込まれた作品でした。とにかく没入してしまうような森見さん独自のボキャブラリーのもとで展開される幾多の物語は同一のシーンがありながらも、その物語によって効果?役割?が異なっており、どの物語でもスラスラと読むことができました。(人によって読みにくさを覚えるかもしれませんが。)読破された方はアニメも併せて視聴すると、よりこの作品を楽しめるのではないでしょうか。

  • この本が原作のアニメが大好き。
    なのにこれまで原作が読めていなかったので、今回読んでみました。
    やはりいい。
    拗らせた大学生をうまく表現した周りくどい文章が何よりも良い。
    リアルタイムでアニメを見てた時とはまた違った印象を持った。
    良作。

  • 人生で起こる事は最初から定まっていて、たとえ悪いことが起きても仕方ないことだなと思える作品だった。小津は最初から主人公を親友だと思って接していたのかなと最後の件で思ったりもした。素敵な大学生活だ。

  • 違った選択をしても基本的な着地点は変わらないという話。

    それぞれがバタバタと話が進む感じがあり、最初は引き込まれるが、個人的には後半へ向けて徐々にマンネリしてしまった。

    とは言え全般的には面白く、大学時代に読んでいたらまた少し違う学生生活だったかと考える内容。

    友人に勧められて読み始めた森見先生。完全にハマりました。

  • 楽しい

  • 森見登美彦って当たりはずれがすごい大きいと思っていて、これも長いこと積読だったんだけど、
    夏の内に読みたいな~と思い満を持して読み始めたら、
    めっっっちゃ面白かった~~~!!
    馬鹿な大学生を書かせたら右に出る者はいないんじゃない?

    話の構成も見事だし、あーこことここが繋がるのか、と
    小さな違和感が回収されていく様は見事。
    よくできた小説だなあと夢中になって読んだ。
    独特の言い回しが鼻につくこともあるけど、この話は癖になってどんどん読み進める。電車の中で読んでにやにやしちゃった。マスクに感謝した。

    最後の話の小津に関する表記に、なんだかとても感動してしまったんだ。

  • 森見ワールドめっちゃすこ、、、なんでこんな楽しいんだろ〜〜〜。
    いくら選択したところで、今がベストなんだってことに気付かされたな。結局誰かのせいじゃなくて、自分。全部自分!

  • 四畳半神話大系 森見登美彦 2020/12/14

    大学生のうちに読んでおけ!という話はたくさん聞いていたが、ついぞ人よりも1年長かった大学生活の間に読むことがなかった。
    でも、持っていたことは持っていたと思う。
    大学生の僕はファッション感覚で本を買い、鞄に忍ばせ、あまり開くこともなくくしゃくしゃにしていた。
    タイトルの感じと伝え聞く評判、中村佑介の表紙はそんな僕にぴったりだと感じていたのは覚えている。
    だけど読んだ記憶はない。せいぜい冒頭の数ページを読んで、癖のある文章に嫌気がさして読むのをやめたのだろう。
    「大学生なら〜」みたいな風潮があるとつい逆らいたくなってしまうひねくれた性分もあっただろう。あれだけヒットした『君の名は』やらなんやら、ヒットしているというだけで観る気を削がれていた。

    最近、人生のたらればを考える事が多い。
    失恋やら転職やらで精神が落ち着いていないのだろう、それは自覚しているが、あの時ああだったらなとかこうしていればなとか、犬も食わないような空想に逃げてしまう自分がいる。
    この物語は平行世界とでもいうのか、”if”の世界を辿らせてくれる。でもどの世界線でも同じように退廃的だし、小津とは奇妙な友情関係を築くし、同じような悩みを抱えている。
    そう、結局僕は僕なんだから、同じような「今」に落ち着くんだろう。
    現実として”if”は(多分)存在しないんだから、今自分にできることをやるしかない。というか、「今」の自分を正しく認識して認めるのが大事なんじゃないか。
    そう感じる一冊。

    ▶︎pick up
    成就した恋ほど語るに値しないものはない。

    「我々という存在を規定するのは、我々が持つ可能性ではなく、我々が持つ不可能性である」

  • おもしろかった。
    違う選択をしたとしても、出会う人には出会うものだと考えると、安心する。
    京都の学生生活に憧れる。
    アニメも観たい。

  • あの時、こうしていれば…という考えに共感する。

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著者プロフィール

1979年、奈良県生まれ。京都大学大学院農学研究科修士課程修了。2003年『太陽の塔』で日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。07年『夜は短し歩けよ乙女』で山本周五郎賞を受賞。同作品は、本屋大賞2位にも選ばれる。著書に『きつねのはなし』『有頂天家族』など。

「2022年 『四畳半タイムマシンブルース』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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