僕が僕をやめる日 (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 1827
感想 : 82
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784049128604

作品紹介・あらすじ

「死ぬくらいなら、僕にならない?」――生きることに絶望した立井潤貴は、自殺寸前で彼に救われ、それ以来〈高木健介〉として生きるように。それは誰も知らない、二人だけの秘密だった。2年後、ある殺人事件が起きるまでは……。
 高木として殺人容疑をかけられ窮地に追い込まれた立井は、失踪した高木の行方と真相を追う。自分に名前をくれた人は、殺人鬼かもしれない――。葛藤のなか立井はやがて、封印された悲劇、少年時代の壮絶な過去、そして現在の高木の驚愕の計画に辿り着く。

 かつてない衝撃と感動が迫りくる――緊急大重版中『15歳のテロリスト』に続く、衝撃の慟哭ミステリー最新作!

感想・レビュー・書評

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  • 重い話だと思わずに読み進めていて
    あれ、これ重いぞ…と思いつつも読む手が止まらなかった。
     
    閉塞感ありまくり、ハッピーエンドに必ず
    なると思うことの出来ない展開…
     
    高木と立井、
    ストーリー上どうしても高木の人生に目が
    いってしまうけど、立井も立井でしんど過ぎて
    こういう環境で育つ子供は現在でも
    気付かれていないだけできっと必ずいるよね。
     
    松村作品は装丁がポップな分中身に圧倒される…
    同作者の他の作品も積読してあるんだけど
    サクサク次の作品にいけるものでは無い…。
    必ず読むけど、、、

  • 途中で、''あ、そういう系!?''となりました。
    あらすじ読んでないだけですね。はい。(笑)

    とにかく読みやすかったです!
    ページをめくる手が止まらなかったです。
    ハッピーエンドではないものの、松村さんらしい作品でした!

  • 彼らの境遇がつらすぎる。読む前はこんなに重い話だとは思っていなかった。
    途中から立井と一緒になって高木を追っていく感じで入りこめた。

    最後、救い救われて良かった。

  • 松村さんらしい、閉塞感のある物語でした。決してハッピーエンドではないのになぜか面白い、なぜか引き込まれる。松村さんは友だちのすすめで読み始めたのですが、出会えてよかったと思います。

  • 死ぬくらいなら僕にならない?
    自殺寸前で高木に救われた立井は、高木として生活しながら共同生活を始める。
    高木はほとんど自室から出てこないし、自分のことは話したがらない謎多き男だったけれど、
    2年間過ごすうちに仲良くなれて…と思っていたのに、高木は急に立井の前から姿を消し、代わりに現れたのは警察官だった。立井は高木と思われたまま、殺人容疑を掛けられる。
    高木は殺人鬼なのか?名前をくれた彼を信じたい気持ち、自分が犯人にされたくない気持ちもあり、立井は高木の過去を置い始める…
    というあらすじ。

    かなり重く、気分が悪くなるほど悲惨な話のはずなのに、立井と一緒に私も高木という人物の過去をどんどんしりたくなり、真相を求めてページをめくる手がとまらなくなってしまった。色んな場所で見つける過去の断片がパズルのピースのように組み合わさって、完成が近づくにつれて嘘でしょ…??こんなことって…と言葉を失うような衝撃。
    2人の友情の美しさと、物語の悲惨さが両側から押し寄せてきて言葉にできないなんとも言えない感情になったけどほんとに凄い小説だと思った!

  •  人生に絶望し、自殺を実行しようとしていた立井の前に現れた高木健介。彼は言った。「死ぬくらいなら僕の分身にならない?」
     本当はまだ死にたくは無かった立井は、その誘いに乗った。立井は高木として大学に通い始め、作家だという高木との同居生活を始めた。
     ある日高木は突然姿を消した。そして高木として生きている立井に殺人容疑がかけられた。警察には高木の身代りであることは隠し、立井は彼の書いた小説を手がかりに、高木を探すことにした。

  • 難しくなく読みやすい小説だった
    面白い

  • 父親のDV、無戸籍児、お金のために幼い娘に売春させる母親、当たられ屋にやられて一家離散、貧困ビジネス…。不幸の連鎖を止めるには殺すしかなかったのか。重いテーマがてんこ盛りだが、先が気になってやめられない。救いは(?)名前を交換した二人に芽生えた友情のようなものかな。

     主人公、立井(たてい)と高木(たかぎ)、音が似ているので、audibleで聴いていると混乱してしまって困った。

  • 残酷な背景を持った子供たちがいる。
    その子供たちのことを私はずっと忘れない。

    人には向き不向きがあるから、あの結末になったのかな。

    物語のスピード感があってとても読みやすかった。

  • 【購入本】前作『15歳のテロリスト』を読んだときも思ったが、この作家さんは出来事の一瞬一瞬を繋げるのが上手い。何気なく見つけた小さな事実が、最後には大きな結末となって繋がっていく。読んでいてすごく心に響いた。話の流れ上、高木の生い立ちの方に目が行ってしまうけど、立井のいる環境もやはり劣悪なのだと思わされる。一方の面だけに目を向けているだけでは足りない。

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著者プロフィール

第22回電撃小説大賞で《大賞》を受賞した『ただ、それだけでよかったんです』(電撃文庫)でデビュー。『15歳のテロリスト』(メディアワークス文庫)が発売から反響が続き20万部を超える代表作に。以降、『僕が僕をやめる日』『監獄に生きる君たちへ』『犯人は僕だけが知っている』も発売即重版のヒット作となっている。

「2022年 『暗闇の非行少年たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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