はじめての構造主義 (講談社現代新書)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061488984

感想・レビュー・書評

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  • はじめての、と言うだけあってとてもわかりやすい構造主観の本。でも結局よくわからないのは私の頭が(ry。。。
    とは言え、個々の考え方は示唆に富んでいて視野を広げるにはとてもいい本。たまに読み返して咀嚼したい系。

  • レヴィストロースを触る本。これで満足してはいけないが、導入には読みやすくて良い

  • 構造主義人類学者のレヴィ=ストロースの思想を中心に、構造主義の考え方をわかりやすく解説している本です。

    レヴィ=ストロースは親族構造を分析することで、社会の交換システムとしての「構造」を発見しました。その後の彼の関心は、しだいに神話の分析に移っていきます。そこでは、物財の交換システムではなく、言語をメディアとする、意味のコミュニケーションシステムとしての「構造」が追及されることになります。

    本書はこうした「構造」概念の変遷を概観し、さらに数学における「構造」との関連についても触れられています。射影幾何学や抽象代数学以降の数学では、変化を通じて保存される普遍的な性質に目が向けられることになりました。そうした数学的「構造」の理解が、レヴィ=ストロースを中心とする構造主義の発想のもとになっていることを、本書では直観的に理解できるよう、工夫を凝らして説明しています。

  • とてもとてもわかりやすい。

  • 読み直し必須

  • 「寝ながら学べる構造主義」よりおすすめ。レヴィストロースに重きをおいた構造主義解説書。「はじめての~」と銘打っているだけあって比較的分かりやすく、なんといっても面白い。じっくり時間かけて理解しながら読まないといけないが、読み終わるころには構造主義とはなんたるか大体分かる。自分の場合は、最後の最後にやっと様々なことが一気に繋がった感じでした。

  • Mon, 21 Sep 2009

    中心はレヴィ・ストロースの親族の基本構造についての話なんですが,そこから構造主義のイメージについて書いています.

    レヴィ・ストロースの格好いいところは, それまで曖昧模糊としてきた,人類学,広くは社会学,人間科学の世界に,その奥底に 骨格構造としての 変換群のような形式を見いだす事も,出来うることを示した事ではないでしょうか?

    この本自体は,すでに20年ほど前の本なのですが,
    「構造主義」はある意味でブームだった時代があり,それを踏まえて書いているものだと思うので,今読んでも問題ない本だと思います.

    レヴィ・ストロースにはモースの「贈与論」やデュルケムの「分業論」が影響を与えたと述べられてます.
    また,デュルケムは,最近,読んだ本でも何度か出てきて,気にかかっている.
    あと,構造主義の他の人,特にフーコーなどについては,まったく読んでいないので,また学ばないとなと思ったのでした.

  • 構造主義の”構造”とは何かが、読み進めていくうちにスッと頭に入ってくる。最初は人類学と哲学との関連がよく呑み込めなかったが、非常にうまく料理されていて消化できた。
    incestに関する禁忌の法則など、身震いするほど面白い。大学で自然科学を専攻し、理系人間として生きてきたのだが、本当はこういう勉強がしたかったのだと改めて気づかされた。

  • 内容もわかりやすく工夫され、何気ない記述すらダツコウチックだ。
    ₍⁽⁽(ી( ・◡・ )ʃ)₎₎⁾⁾

    【目次】
    はしがき [003-005]
    目次 [006-009]

    第1章 「構造主義」とはなにか 011
     構造主義がやってきた
     ブームの火付け役
     マルクス主義と実存主義
     サルトルとの論争
     構造主義は「反人間主義」なのか?
     構造主義の方法
     現代思想は構造主義に始まる
     「構造」って、わかりにくい
     構造主義の核心に迫る

    第2章 レヴィ=ストロース:構造主義の旗揚げ! 031
     『悲しき熱帯』の衝撃
     レヴィ=ストロースの修業時代
     アメリカ亡命時代
     天才ソシュール
     記号としての言語
     シニフィアン
     シニフィエ
     レヴィ=ストロースのひらめき
     音韻論の発展
     音素をみつけだす
     恣意性の原理
     母音三角形と子音三角形
     レヴィ=ストロースの悩み
     機能主義の人類学
     機能主義の弱点
     人類学の原点にかえる
     インセスト・タブーの謎
     イトコにもいろいろある
     親族呼称の不思議
     謎の婚姻クラス
     親族の基本構造
     クラ交換
     贈り物としての女性
     女性の価値
     限定交換
     一般交換
     難問もつぎつぎ解決
     コミュニケーションの一般理論
     交換することが生きること
     構造人類学の成功
     神話研究と〈構造〉
     「構造」か〈構造〉か
     神話研究の行き詰まり
     神話学の手順
     神話学は客観的な方法か
     神話学と、テキストの解体

    第3章 構造主義のルーツ 125
     構造主義のルーツは数学
     真理から制度へ
     証明という制度の発見
     平行線公理
     幾何学と論理学
     デカルトからニュートンへ
     理性の時代
     カントの批判哲学
     非ユークリッド幾何学の登場
     公理主義から形式主義へ
     物理学の革命
     真理の相対主義
     遠近法にさかのぼる
     遠近法のウソ
     ヨーロッパ社会と絵画
     遠近法と「視る主体」
     遠近法の合理性
     平行線が交わる?
     射影交換と図形の群
     変換群と〈構造〉
     同型写像と代数構造
     ブルバキ派と現代数学
     レヴィ=ストロースとのつながり
     オーストラリアの代数学者
     ふたたび、神話の〈構造〉とは何か
     置換軍としての神話
     神話学へのいちゃもん
     主体が消える

    第4章 構造主義に関わる人びと――ブックガイド風に 193
    ほんのスケッチ・人物篇 194
      ミシェル・フーコー
      ルイ・アルチュセール
      ロラン・バルト
      ジャック・ラカン
      ジュリア・クリステヴァ
      ジャック・デリダ
    ほんとにブックガイド 215
      言語学関係
      人類学関係
      レヴィ=ストロースの主な本・書いた順に
      構造主義に関連して
      数学と遠近法について
      日本人による仕事の一例としては
      ポスト構造主義に入門するのなら

    第5章 結び 221
      構造主義は時代遅れか
      ポスト構造主義は新しいか
      ポスト・モダンの大流行り
      モダニズムがんばれ
      これからどうする・傾向と対策

    謝辞 [232]

  • 初版本を何度も読み返している。

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著者プロフィール

橋爪大三郎(はしづめ・だいさぶろう):1948年生まれ。社会学者。大学院大学至善館教授。東京大学大学院社会学部究科博士課程単位取得退学。1989-2013年、東京工業大学で勤務。著書に『はじめての構造主義』(講談社現代新書)、『教養としての聖書』(光文社新書)、『死の講義』(ダイヤモンド社)、『中国 vs アメリカ』(河出新書)、『人間にとって教養とはなにか』(SB新書)、『世界がわかる宗教社会学入門』(ちくま文庫)など、共著に『ふしぎなキリスト教』『おどろきの中国』『おどろきのウクライナ』(以上、講談社現代新書)、『中国共産党帝国とウイグル』(集英社新書)などがある。

「2023年 『核戦争、どうする日本?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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