無限論の教室 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061494206

感想・レビュー・書評

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  • 20160715

    リブロ池袋で店員オススメの本として紹介されていたため、購入した一冊。

    後半の方は正直難解で理解が追い付いていない部分があるが、理系の考え方、空中戦と呼べるような理論のぶつけ合いはいい頭の体操になった。

  • かつてアリストテレスの時代から現代まで議論されている「無限」についての問題。その問題を大学の講義物語形式でわかりやすく学べる一冊。
    無限はもとから存在する立場をとる実無限の立場と無限という可能性が存在する可能無限の立場。そういったものから無限を証明するための対角線論法や排律中など驚きや好奇心に満ちた新書!

  • 「無限」についての数学の哲学の入門書だとおもう

    「無限」ということについて、今までに何が知られているのか、これまで何が考えられてきているのかがざっと(たぶんものすごく省略されつつ)書いてある。初めから終わりまで一貫して、「実無限派」と「可能無限派」という無限に対する数学(の哲学)上の二つの立場の相容れなさが軸になって話が進む。「実無限派」は本文中で「対角線論法」と呼ばれる武器を使って次々に新しいことを展開して、それに「可能無限派」が反論する。で、「実無限派」が最後にゲーデルの不完全性定理を導いて終わる、というあらすじだった。

    対話篇でもあって、対話篇というより形式は小説という感じだけど、大学の全12回の講義という形式が取られている。視点人物は二人の受講生のうちの一人の学生で、ほかにもう一人の受講生と、先生の、全部で3人だけの人が登場する。本文は大体先生が話している。たった3人の授業で

  • えっ新書ってこんな面白おかしく書けるものなんだ!とまずそこからびっくり。新書慣れてないのです。
    小難しい数学のところも柔らかく言い換えられたり、イメージで置きかえられたりして、ギリッギリついていけた、かなあという感じ。タカムラさんの「眉間に縦皺」現象は私にもしょっちゅう起こるので共感できたw
    排中律の部分が一番面白かった!証明はAである・Aでないのオンオフスイッチだけじゃないと教えてもらえた感じ。架空のものには通用せず、実在のものには通用する、“僕”の例えもわかりやすくて良かった。

  • 対角線論法、濃度の概念、、からゲーデルまで。これだけの内容の超アウトラインを、軽妙な、それでいてちょっと物悲しい感じの対話編で書いてしまうというセンス。

  • 哲学に数学の話も絡んでくる無限論って難しかったなー!哲学系の本でありながら、小説のスタイルで書かれていて、文章の雰囲気は読みやすい一冊だったとは思うけど、全体的にユーモアが少し入り過ぎな印象があるかなぁ・・・。

  • 野矢さんの文章力でどんどん読み進められる。良い入門書。

  • 無限は人間の思考と同じなのだ

    永遠の未完成

  • 無限論にハマったきっかけの本。
    読書史に残る一冊として登録します。

  • 哲学書と小説が融合している。雰囲気が好きだ。

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著者プロフィール

1954年(昭和29年)東京都に生まれる。85年東京大学大学院博士課程修了。東京大学大学院教授を経て、現在、立正大学文学部教授。専攻は哲学。著書に、『論理学』(東京大学出版会)、『心と他者』(勁草書房/中公文庫)、『哲学の謎』『無限論の教室』(講談社現代新書)、『新版論理トレーニング』『論理トレーニング101題』『他者の声 実在の声』(産業図書)、『哲学・航海日誌』(春秋社/中公文庫、全二巻)、『はじめて考えるときのように』(PHP文庫)、『ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』を読む』(哲学書房/ちくま学芸文庫)、『同一性・変化・時間』(哲学書房)、『ここにないもの――新哲学対話』(大和書房/中公文庫)、『入門!論理学』(中公新書)、『子どもの難問――哲学者の先生、教えてください!』(中央公論新社、編著)、『大森荘蔵――哲学の見本』(講談社学術文庫)、『語りえぬものを語る』『哲学な日々』『心という難問――空間・身体・意味』(講談社)などがある。訳書にウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』(岩波文庫)、A・アンブローズ『ウィトゲンシュタインの講義』(講談社学術文庫)など。

「2018年 『増補版 大人のための国語ゼミ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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