- Amazon.co.jp ・本 (676ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062122146
作品紹介・あらすじ
私は誰、此処は何処。小僧は彷徨う。小僧は進む。これぞ妖怪。
感想・レビュー・書評
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京極夏彦さんの本の中で1番怖くなさそうだからという理由で読み始めたけれど、読み終えた今はすっかり豆腐小僧のファンになってしまった。
可愛くて、優しくて、とぼけた魅力もある豆腐小僧が愛おしい。
妖怪屋敷で日常回帰を願った時に出てきてくれる妖怪。
恐怖を笑いに変えてくれる妖怪。
なんて素敵♪
この本を読んでいる間、豆腐をかばいながら動き回る豆腐小僧を思い浮かべていたということは、もしかしたら私の隣に豆腐小僧がいたかもしれないのかな?
そうだといいな…。
「この人は何がそんなにおかしいので?」
なんて不思議そうに私を覗き込む豆腐小僧の姿をもやもやと思い浮かべる。
おいで〜おいで〜怖くないよ〜。(怖いわ!)
可愛い豆腐小僧に癒され、妖怪についての勉強にもなる1冊。
分厚くて持ち運びが困難なのだけがネックだけど、家で豆腐小僧が待っていると思えば足取りも軽くなります。
豆腐小僧の武者修行の旅をもっと読みたい!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「お化け妖怪をあのように否定し続けて行っても、その先に待っているのは云いようのない、表しようのない不安だけだと云うことが解っておらん。先程も申した通り、不安や恐怖と云う感情はどうやったって消せないのだからな。それを仮託する対象だけを消去して行けば、行き処がなくなるのは当然のことだ。怖がるモノが何もなくても、それでも怖いそれでも畏ろしいとなれば、正常な人格も健全な社会も、保つのが難しくなろう。隙間を埋めるようにして妙な宗教やら危険な思想やらが衍り出したら、手のつけられぬことになる」
映画を見てからこちらを読んだらほぼ別物だったのだけど、映画で良いなと思った根底は共通していて納得。
妖怪とは何なのか、哲学・民俗学・社会学などを背に置いて、一冊ずっと京極先生の独演会で、それが楽しいの何の。
舞台は江戸時代なのだけど、現代社会まで語られていて面白かった。
その流れでこう来るかというクライマックスがいいんだー!
続編も読みたい。 -
図書館で読んだんだけど、よく覚えていない。
意外とおもしろかった気はしてる。 -
豆腐ちゃんマジ天使!とても可愛い。
そしてこの京極夏彦、ノリノリである。 -
妖怪話し。
『そっか。妖怪ってそういうモノなんだ。』と
妖怪の何たるかが分かる本です。
居る・居ないじゃなくて
『あ。袖引き小僧』って思った時
確かにソコに袖引き小僧は存在しとるんですね。
そう思うと、怪奇現象や自然現象も
何だか楽しくなってきますよね。
そういうコトを気付かせてくれる本でもあります。 -
これぞ妖怪。私は誰、此処は何処。小僧は彷徨(さまよ)う。小僧は進む。
妖怪豆腐小僧がアイデンティティーを捜す!? 「なぜ、手前は豆腐を持っているんでしょうか?」自己の存在理由、存在意義にうすーく不安を抱く小さな妖怪が数々の異種妖怪に出会い、「世間」を知る立志篇!
(2003年) -
装画/石黒亜矢子
装幀/坂野公一(welle design) -
妖怪って概念なのね。
けど生物的なものであってほしい気持ちも半分。。
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装丁がいい!
ほぼ真四角で分厚く、カバーを外せばまさに豆腐。豆腐小僧ごっこもできるw
開くと昔の書物のよう、口絵も絵巻草紙のようですてき。
長いメタ視点の狂言回しがちょっとだるくなる時もあったけど、さすがに終盤は圧巻の展開。
妖怪とは、人間が不安や恐怖に名前を付け、切り離したもの。
妖怪の存在をなくしてしまった現代は、不安の行き場がなくなってゆがんでしまっているのかも。