天使のナイフ

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062130554

作品紹介・あらすじ

殺してやりたかった。でも殺したのは俺じゃない。妻を惨殺した少年たちが死んでいく。これは天罰か、誰かが仕組んだ罠なのか。「裁かれなかった真実」と必死に向き合う男を描いた感動作!第51回江戸川乱歩賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 少年法の観点から様々な問題を知る事もできました。

    ストーリーもとても緻密で深く入りこんでしまいました。

    ミステリーとしても大変楽しめました。

  • 好きな話ではないし、また読みたいとは思わないけど、一度は読んだ方がいいなと思った意味での⭐︎4です。

    本を読む前と後で、自分が変わったり、世界が違って見えるのが好きなのが、読書をする理由の一つです。
    この本もまさにそれでした。
    薬丸さんの本はほとんどがこれですね。
    今まで全然知らなかったことを、現実にずどーーんと落とし込んできます。
    「私だったらどうするか。どうなってしまうのか。」とか、色々考えたくなくても考えてしまいます。
    でも、こういうことを知るのはすごく大切だなと思います。

    何も知らないでなんとなく毎日を過ごすより、色んな可能性や、世の中の不公平とか、言葉にできないこと、割り切れないことを知ってるのでは、重みが違いますよね。

    未成年の犯罪に対しては、私は完全に主人公と同じ気持ちでした。
    贖罪とは何か。勉強に励んだり、立派な仕事に就くことが、更生なのか。いや、違うだろう。全然違う。
    自分のしたことと、ちゃんと向き合わないといけないですね。

    とにかく…色々と辛かったです。

  • 読んだ本の話をしていて、教えてもらった本。社会派ミステリーというジャンルは自分では手に取らないので、このジャンル自体読んだのは初めて。
    罪と贖罪。
    後半の怒涛の展開。夢中で読んだ。
    伏線が全部回収されて、ちゃんと全部明らかになってスカッとして、胸も痛むという読後感。
    自分としては、我が子が被害者になる可能性も加害者にかる可能性もあるという、子を持つ前も妊娠中も考えていた問題を改めて突きつけられた、という部分もありつつ。
    人間の可塑性。

  • 罪と贖罪。少年法。

    相変わらず重い。謎解き的なミステリー要素も強く、ラストは衝撃。
    個人的には傑作の1つ。

  • 本人が最初から存在感のある登場人物で、でも最後までまったく疑わしくなく。社会派としてのメッセージ性だけでなく、ミステリーとしても完成度が高い。大満足の一作。

    やりきれない想い、憎しみは何も生まない、贖罪、愛する気持ち、いろんな感情が押し寄せてくる。

    殺されたのがもし自分の家族だったら、相手にはその後も人生が保証されていることを、もう思うだろうか。年齢を理由に、まともに罰を下されないことについて、どう感じるだろうか。

    人を殺したという結果は同じでも、その過程はまったく別かもしれない。どれも全部罪だが、残念ながら、小説の通り、贖罪の思いを持てる人ほど、悪意からの行動ではないのだろう。

    私は当事者ではないし、何もわからない。その前提で、考える機会を与えてくれたこの作品に感謝している。

  • 殺してやりたかった、でも殺したのは俺じゃない。妻を惨殺した少年たちが死んでいく…

    少年は罪に問われない。初めて知ったけど加害者の情報を被害者の家族に知らせないとのこと。犯人の年齢を問わず家族を失う悲しみは皆一緒なのにと思ってしまう私は心が狭いのかな?

  • 狭い人間関係の中に事件がらみの登場人物が多すぎるのが、ちょいどうだとは思ったけど、ラストまでグイグイ引っ張られた。面白かった。

  • 読了日不明

  • Aではない君と、と対になっているような作品。
    少年法について、被害者の視点から考えさせられる。
    ただそれだけじゃなく、物語が思わぬ方向に二転三転して、難しい内容だけどどんどん読み進められる。
    おもしろかった。

  • 感情的に一方を援護、断罪するのではなく感情に寄り添いながら主人公と一緒に迷いつつ前に一歩ずつ進んでいく構成が丁寧。そこに少年犯罪という重いテーマに作者自身が悩みながらぶつかっているような誠実さを感じ、勝手に好感を覚えながら読みました。
    一方でミステリーとしてもきちんと「謎が徐々に明らかになる」王道の楽しさがあって読みやすい。少々、少年犯罪が絡まり過ぎな気がしないでもないですがそこまで気になるものでもないかな。
    初めて読む作家さんで本作がデビュー作ということですが、物語の面白さはもちろん滲み出る真摯さもとても好きになったので他の作品も読みたいと強く思いました。

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著者プロフィール

1969年兵庫県生まれ。2005年『天使のナイフ』で第51回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。2016年、『Aではない君と』で第37回吉川英治文学新人賞を受賞。他の著書に刑事・夏目信人シリーズ『刑事のまなざし』『その鏡は嘘をつく』『刑事の約束』、『悪党』『友罪』『神の子』『ラスト・ナイト』など。

「2023年 『最後の祈り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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