建てて、いい?

著者 :
  • 講談社
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感想 : 62
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  • Amazon.co.jp ・本 (186ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062139380

感想・レビュー・書評

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  • 30代独身彼氏ナシの女(この登場人物パターン、この著者の得意分野なのかな。毎回そうだ)が、アパートの外階段で滑って転んだことから、「こんなことじゃいけない」と一念発起、自分のやりたいこと、自分の居場所探しをはじめる。
    出た結論は「家を建てる」こと。
    独身女性が家をほしがることの難しさや迷いなんかがけっこうリアルに、でも面白おかしく描かれていて興味深く読めた。
    今はマンションを持つ独身女性が当たり前に認知されてきているし、今後こういう女の人って増えるのかも。主人公の焦りや決意が丁寧に追われていて共感してしまった。

  • 結婚よりも早く、家を建ててしまうお話。
    僕もこうなってしまうのかな?!

  • 私も、私の、私だけの家が欲しくなった。

  • 2007/4/30
    K

  •  30半ばの独身女一人、居場所を求めて家を建てるの巻。デビュー作が「漢方」で、次が「PMS」、本作品は「家を建てる」がテーマ。テーマは異なるもののどの話も、みんな同じですね(苦笑)。主人公の家作り奮闘記を通じて「家とは何か」ユーモラスな語り口で問うところは読ませるし、同年代で同様な境遇な女性の共感を得られるだろうエピソードが散りばめられてはいるものの、ちょっと私は想定読者外だったみたいだ。 同時収録されていた「彼の宅急便」のが好みだった。30分ぐらいのよくできたドラマを見てるみたい。自分から切った元彼からの荷物を、待つともなしに待つ女の話。落とし方が巧いですねえ。くすくす。読了感爽やかですごくいい感じだ。

  • 独身女性が家を建てる話で、どんな話か興味があって読んでみた。自分も家を建てようと考えてみた事がある。唯、現実的な事をまの当たりにして計画は頓挫、挫折した。連れがマンション等の集合住宅にしか暮らした事の無い人間で一戸建ての有難みを知らなくて。夢の設計図を描くのは続けている。小説の中とは云え、彼女が羨ましい。

  • やっぱりわたしはこの著者が大好きかも。「漢方小説」「そろそろくる」に続いて、これもとってもよかった。感動作とかではないし、なにかが新しいわけでもないけれど、すごく好き。続きがあればいつまでもいつまでも読んでいられるような。日常ってものがよく書かれているというか。普通のすばらしさ。エキセントリックだったりしないところがすごく好き。あいかわらずユーモアがすごくあってさくさく読めて。出てくる人たちがみな普通で嫌味がなくていい人なところも好き。読後感がすごくさわやか。主人公は三十代半ばの女性、仕事にやりがいを感じるわけでもなく、恋人もいないし、住んでる家はぼろい。つまりは居場所がないんだなー、と感じていて。で、引越ししなきゃなと考えたとき、ふと、自分の家があったらいいな、と思い。それも、家建てたらなにか変わる!なんて確信があるわけでも、がんばろうとしているわけでもなく、変わったらいいなあ、変えられるかなあくらいの意識でいるところが、とても共感できる。途中で、どんな家を建てたいか考えるところで、ほんのちょっとだけファンタジーっぽいところがあるんだけど、あれはどうなんだろう。悪くはないけど、ほんのちょっとの違和感。あの分量くらいなら、って感じかなあ。とにかく、よかったので、もう一度読むかも。短いし。同時収録の「彼の宅急便」もよかった。以下ちょびっとネタバレかも、なので下のほうに。こういうオチになるのかなあというなんとなくの予想がみごとにくつがえされて、そこもすごーくよかった。安易なドラマみたいな予定調和なハッピーエンドはない。そこもすごくリアル。本当の人生ってそんなもんだ。安易なハッピーエンドではないけれど、でも、希望がある。あかるい。

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