- Amazon.co.jp ・本 (674ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062161169
作品紹介・あらすじ
「若木山の裏手には、魔術師の一家が暮らしている-」。田舎町の書店主・石川は、とあるキッカケから町の外れに住む魔術師一家と噂される人々と接触する。その名は菖蒲家。謎に包まれた一族の秘密を探るべく、石川は菖蒲四姉妹の次女・あおばにインタビューを敢行するのだが…。そこで語られ始めたのは、一族の間で千年以上も継承された秘術にまつわる、目眩めく壮大な歴史だった。史実の闇に葬り去られた神の町の盛衰とともに明かされていく一子相伝「アヤメメソッド」の正体と、一族の忌まわしき宿命。そして秘術の継承者である末娘・みずきが引き起こしてしまった取り返しのつかない過ちとは一体-?やがて物語は二〇〇五年の夏に起こった血の日曜日事件の隠された真相を暴きだしてゆく…。読むものをあらゆる未知へと誘う、分類不能の傑作巨篇。
感想・レビュー・書評
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キャプテンサンダーボルトを読んで阿部氏を知った。
届いてみてびっくりな667ページという今まで読んだ中でで1番分厚い本だった。
果たして私にこれが読めるのだろうか…と怖気づきながら読み始めたら、「蝶2匹の縄張り争いが人間から見ると美しい円舞に見えか弱い昆虫の振る舞いと軽視されるから、神様も人間のことをそんなふうに見ているんだ」という出だしが面白くてこれは読めそうだなと思った。
読み進めていくといつのまにか翻訳した外国の本のような丁寧な言葉遣いになっていて、そういう本が苦手な私は最後まで読めるのだろうか…と不安になった。
しかし、文から醸し出す美しさに魅了されるのかなぜか読めてしまう。文も表紙もなにかの秘術が施されてるのかもしれない。
それにつきましては機をあらためて、お話ししたいと存じます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
今までどんなにつまらない本でもなんと読了してきましたが、この本は途中で諦めました。
最低最悪の小説
何が言いたいのかサッパリ分からない
この作者は小説家は辞めた方がいいんじゃないでしょうか
時間と金の無駄でした… -
Pistils 曲名リスト
Traffic - Utterly Simple
https://www.youtube.com/watch?v=JcpZqNWb9jU
Claudine Longet - It's Hard to Say Goodbye
https://www.youtube.com/watch?v=wP5lMZihgq0
The Zombies - A Rose For Emily
https://www.youtube.com/watch?v=gs-bVMs1LKU
Sagittarius - Will You Ever See Me?
https://www.youtube.com/watch?v=IMj8Ao8D5Tw
Baker Knight & The Knightmares - Hallucinations
https://www.youtube.com/watch?v=N1CS-z_JmZY
The Lovin' Spoonful - Rain On The Roof
https://www.youtube.com/watch?v=EwDh-xea40s
Herman's Hermits - Don't Go Out Into The Rain(You're Going To Melt)
https://www.youtube.com/watch?v=WiCstfC9FfM
Dave Dee, Dozy, Beaky, Mick and Tich - The Tide Is Turning
https://www.youtube.com/watch?v=ZHqKQLZL_4Q
Jackie DeShannon - What The World Needs Now Is Love
https://www.youtube.com/watch?v=YUaxVQPohlU
Kaleidoscope - The Sky Children
https://www.youtube.com/watch?v=hAc2jXAx1Rw
The Small Faces - Afterglow Of Your Love
https://www.youtube.com/watch?v=aueUFhC3Ktg
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つくづく不思議なひとだと思う。
圧倒的な情報量とファンタジーめいた荒唐無稽な設定。
長いけど、最後まで一気に読めてしまうくらい面白いんだけど、読んだあとに何も残らない感じ。いや、けなしてるんじゃなくて、意図的に情報量と面白さの中になにかモヤモヤっとしたものを埋め込まれてる気はするんだけど、読み終わっても結局正体がわからずに漠然とした腑に落ちなさだけが残ってる。
でも自分の中で何かしら落としどころを見つけるためにシンプルにストーリーを楽しんだ、てことで納得させようとするから何も残ってなかったことにしてしまった気がする。でも絶対なんかあったはずなんだけどな、てのをずっとひきずってる。 -
山形県にある神町の旧家、菖蒲家。
一子相伝の「秘術」を操る一族とは如何なるものなのか…
菖蒲家について語る次女あおばの口上と、
それを聞く書店主の石川による手記によって
一族の今昔がひもとかれていきます。
手記はレポートを読むかんじで、語り口はお上品。
ただの通りすがりの読者には、
状況を把握するだけで精一杯でした。
キーワードは、
・薬物
・少女趣味
・抑圧 -
魔法使いとテロリストと家族は同義語。
個人を淘汰し凌辱する。
オーロラとサイクロンは人々を惑わせ、
精神に大きな傷と腐敗を残していく。
PTSDの気配は影となり、
真っ赤な神様はいかづちを落とし、
嘆きを紡いでただせせら笑うだけ。 -
阿部和重最新作は「シンセミア」の続編となる神町の・・・・と思ったらちょっと違うんですね。
これに限らずこの作者はこの「神町」を舞台にした大掛かりな小説をライフワークとしていて、今回もその一環というものなようです。いわゆる「神町サーガ」的な。
今回はこれまでの「神町」をめぐる事件の裏側・・・・神町のもう一つの「暗部」ともいうべき一族のお話。
「シンセミア」にも登場していた人物がスピンオフな形で語り手としてでてきまして・・・同じく暗部として出てきた名前もちらほら・・・というところで「厭な奴と悪い奴と駄目な奴しかいない」というシンセミアを思い起こしちょっと警戒しながら読みましたが・・・今回はちょっと違う。
暗部の中核たる一族の女性によって語られるそれぞれの事件の裏側。
具体的にいうとある種の秘術を継承した「当主」がいるんですが・・・あまりにもチートすぎるw
たまたま失敗することはあっても基本的に無敵なんじゃね?w
「これまで」が語られていながら、今回の要素を加味したうえでの「今後」を感じる今作。
次回作が楽しみです。 -
菖蒲家の秘密と歴史、神町で起こる不穏な事件が、絡まる植物のように織り込まれ語られている。
地上に茂る枝葉と、地中にのびる根。菖蒲家はそんなイメージ。
集団心理は危うい。疑心暗鬼が加わるとさらに。
「神町」をめぐる一連の物語とは知らず読み始め、別の話をほとんど読んでいなかったけれど特に支障はなかった。
芥川賞受賞作の「グランド・フィナーレ」は読んでいて、そこに登場した沢見とふたりの小学生が別の視点から描かれており、興味深く読んだ。
神町の他の物語も読みたくなった。