竜が最後に帰る場所

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062165105

感想・レビュー・書評

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  • 短編集。鸚鵡の集合体、発想がすごい。

    2018.6再読。

  • 夢か現か幻か…。五つの不思議なお話が収録された短編集です。
    母を殺めた男への復讐譚「迷走のオルネラ」と、集合体の解放と旅立ち「鸚鵡幻想曲」が印象的。 
    幻想的で美しい描写や、ファンタジーとも言える世界観が素敵だなぁと思います。
    アクの強さやクセもないので、不思議なお話をすんなりと素直に読むことができました。

  • 後半3つが比較的面白かった。
    でも、なんやかんやで読み終わるまで2ヶ月もかかった。なんか手につかなかったんだろうなぁ。
    Kindleで読んどけど、本は買わないかな。暇な人は夜行の冬から読むのがオススメ。

  • 短編集。
    恒川ワールド全開で、あっさり読める。
    鸚鵡の話と竜の話が印象に残った。
    日常にさりげなく混ざった不思議な出来事や、違う時間軸、
    ありえそうだなと思える世界観が癖になる。

    おたまじゃくしだと思っていたら、まさか竜だったとは。笑

  • 風を放つ ★

    会ったこともない知り合いの彼女と名乗るマミさんとの話

    迷走のオルネラ ★★★★
    虐待され、母親を殺された男の子の復讐の話

    夜行の冬 ★★★
    夜行と呼ばれるガイドについていくと、新しい人生になる。好きなところで下りれる仕組みだが、ガイドについていけない場合、死ぬ話

    鸚鵡幻想曲 ★★★★
    自分が擬装集合体で、解放されて20羽の鸚鵡になる話。

    ゴロンド ★
    龍のかえるところ

  • 不思議な世界観だった。

  • 良質な短編集 朱川湊人っぽい

  • 先日の『スタープレイヤー』が面白かったので、別作品を借りてくる。
    短編5つ。
    なかでも『夜行の冬』と『鸚鵡幻想曲』の2つが好み。
    夜行様の歩く夜は外に出てはならぬ
    と祖母に言われていたのに……。言われるから出る、怖いもの見たさってやつ。毎回、何かが違う世界に辿り着くので、「次の世界のほうが良いかも」と思うと歩くことをやめられない。欲ってなくならないってことね。
    人間の形をしていたのはオウム。アサノをうまく島へ呼び寄せられたものだ。それほどまでに「拡散」という行為はやめられないものなんだな。相手が人の形のときは、だまし討のようなことをせず、きっちり話し合ってから行動に移ればいいのに。

  • 幻想が現実世界に忍びより、境目が曖昧になる感覚。自然と不思議な世界に入り込んでいました。夜行の冬と、鸚鵡幻想曲か特に面白かった。
    オルネラはこのあとどこにいくのかなぁ

  • はっきりとして読みやすい文体で、
    不思議な世界を描きつづる恒川さんの短編集だ。

    ●風を放つ
    アルバイト先の先輩の友人というマミが、ある日「ぼく」に電話をしてきた。「ぼく」にとってはどうでもいいことだが、風をとじこめた小瓶をもっているのだという。その風を放せば人を襲うこともできるという・・・。

    ●迷走のオルネラ
    母子家庭でそだった「私」は、13歳のときから、母の愛人の宗岡に虐待されていた。彼が家に来るたびに恐れ隠れる日々。そしてある日、逆上した宗岡に包丁で母は刺殺された。懲役20年の刑を得た彼の存在は、成長していく「私」にある使命を感じるようになった。(オルネラは、作中の中の絵本に登場する猫の名前だ。)

    ●夜行の冬
    有る冬の夜、寝ようとしていた「ぼく」は、薄い金属音が擦れるような鈴音を聞いた。導かれるように外へ出ると、赤いコートを着た女が何人もの人を従えて、もくもくと歩いているのを見た。そのまま「ぼく」も行列に加わり、ほぼ一晩歩いたあと、元の自分の住んでいた街へ帰って来たのだが・・・。

    ●鸚鵡幻想曲
    偽装集合体。聞きなれない言葉だが、眼に見えている形からそのものの存在感が違っているものをいうそうだ。この作品の登場人物アサノは、その物体を見極める能力があり、その物体の集合部分をほどいて本来ある姿に戻すことができるという。偽装集合体を解体したくてたまらないアサノは偽装集合体を捜す旅にでた。そしてピアノを購入した「私」を見つけた。

    ●ゴロンド
    ゴロンドなづけられた竜の種族の生い立ち。水の中で生まれ、たくさんの「死」への危険を乗り越えて、「竜が最後に帰る場所」をゴロンドは目指す。

    本のタイトルは、
    最後の「ゴロンド」の作品中にでてくる言葉からつけられたのだろう。
    表紙は、それぞれの作品にでてくるキーワードが1つづつ描かれている。
    少し意味不明な結末の作品もあったが、
    怪奇な世界は十分に伝わる作品だった。

    表紙の猫は、我が家の猫ちゃん、そっくり!
    ・・・・思わず、この本を手に取っていた、というわけである。

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著者プロフィール

1973年東京都生まれ。2005年、「夜市」で日本ホラー小説大賞を受賞してデビュー。直木賞候補となる。さらに『雷の季節の終わりに』『草祭』『金色の獣、彼方に向かう』(後に『異神千夜』に改題)は山本周五郎賞候補、『秋の牢獄』『金色機械』は吉川英治文学新人賞候補、『滅びの園』は山田風太郎賞候補となる。14年『金色機械』で日本推理作家協会賞を受賞。その他の作品に、『南の子供が夜いくところ』『月夜の島渡り』『スタープレイヤー』『ヘブンメイカー』『無貌の神』『白昼夢の森の少女』『真夜中のたずねびと』『化物園』など。

「2022年 『箱庭の巡礼者たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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