- Amazon.co.jp ・本 (84ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062169561
作品紹介・あらすじ
いつの時代か、どこの国のことかはわからない。町外れのオリオン劇場には、あふれかえるほどの観客がつめかけていた。魔人チカブーの芸、「マボロシの鳥」を見るために…。
感想・レビュー・書評
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藤城清治さんの影絵に出会ったのは、昇仙峡に家族で出かけた時。何気なく入った影絵美術館。
あれから、藤城清治さんの影絵の虜になった。
この絵本を購入したのも影絵が目的だった。
でも、どうしてどうして爆笑問題の太田光さんの世界もいいじゃないか。
何が大切で何がおかしいか自問自答して、世間に投げかける彼らしさが滲み出ている。
構成や言葉遣いに見られる素人っぽさはあるけど、荒削りでいい。
この世にあるものは決して光と闇ではなく、光と影であること。そして世界はきっとどこかでつながっていると訴えている。
一読した後、もう一度藤城清治さんの影絵に浸る。至福の時がやってくる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
町はずれのオリオン劇場に魔人チカブーの芸「マボロシの鳥」を見るために大勢の客が押し寄せた為、天井が壊れ鳥が逃げ出した。目に見えないものこそいちばん見たいもの この世でいちばん幸福なことは誰かに必要とされること この世界はきっとどこかとつながっている
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もともとは太田光の小説があるものの絵本版。
藤城さんの影絵「あんまり好きじゃない」と
思い込んでいた私がアホちんでした(笑)
大きな黒い目をしたマボロシの鳥
その名前の通り不思議と心を掴んでくる鳥の絵。
「手放すこと」の意味と意義。
形のないもの。物として残らない「芸」をつくって人へ
あげることを、「出た!!!」と思ったら瞬時に消えてしまう
「笑い」を追いかける仕事をしている太田光さんだから
このお話つくることができたんではないかと思いました。
【教える などと いいだすヤツが教えるほどの芸を
持っているわけがない。あったら自分でやっている。
他人になんて教えてるヒマなんかあるもんか!】本文より -
以前から藤城清治さんの影絵が好きだったので、読んでみた。不思議な話と、藤城さんの幻想的な影絵が良く合っていて、素敵な絵本だった。やはり「この世界は、きっとどこかとつながっている」という所が印象的。yom yom19の太田さんの「『マボロシの鳥』を出して」とあわせて読むと、より分かりやすくなると思う。
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「世界は、どこかでつながっている」そんなメッセージを、太田光さんの社会に対する抑えきれない程にたっぷりの熱量を持った文章と、藤城清治さんのあったかくて、とにかく“綺麗”な画にした一冊。将来、ちょっと大人になった子どもにチャレンジしてほしい一冊。
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〈マボロシの鳥〉が藤城さんの絵本になると聞いたとき、絶対に合うと思ったけど、想像以上に良かった。絵本になって、より幻想的な世界になった。「言葉というものは、なんて不便なんだろう。」とあるように言い表しにくい世界観になっている。
『マボロシの鳥』を全部絵本にして欲しい。〈荊の姫〉とかも合いそう。藤城さんが「僕ほど、適した人はいない」と言っている通り、この光と影のコントラストが合っている。
「世界はきっとどこかでつながっている」というところが、なるほどって思った。 -
藤城清治 自宅アトリエ展にて購入。
かなり大人向きの絵本(値段も大人向きw)
とにかく藤城氏の影絵が素晴らしくて
実際生で見て
この本は買うしかない!と思い。
絵本の物語は爆笑問題の太田氏が書いてるんだけど
文章にハッと気付かされることが多かった。
「この世で一番幸福なことは、だれかに必要とされることだ」 -
絵がある分、少し近づけたかな?
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文字が多いし、内容も難しい(考えさせられる)から子ども向けではないと思うけど、小学校高学年〜中学生、高校生にも読みやすくなってる気がする。
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長年読みたいと思っていただけに、ハードルを上げすぎていたかも。
藤城清治の影絵は素晴らしい。
ページをめくる度に、惹き込まれていく。
チカブーの造形、オリオン座の細やかさ、壮麗な山脈・・・。
お気に入りはオリオン座でのマボロシの鳥のシーンと、落ちぶれたチカブー。
これだけの枚数を見ることが出来るという点では、かなりのお得感。
でも、どうも物語がなあ。タンガタの章との繋がりがイマイチ。原作はもうちょっと違うのだろうか・・・。 -
太田光の「マボロシの鳥」が原作なので、内容は絵本ではない。
マボロシの鳥を逃してしまった芸人と、別世界で鳥を手に入れ王になった2つの話が交互に展開する。
5年ほど前に読んだことがあったが内容は忘れていた。藤城氏が挿絵をしているので手にとってみたが、忘れてたおかげで新鮮さがあり、挿絵の美しさもあり小説版よりとても良かった。
藤城清治氏の絵がとにかく綺麗。 -
話はイマイチでも、絵が素晴らしい!
絵の素人でもいいなーと感じるほど、素晴らしい影絵です。
綺麗な色と黒の対比が、何とも言えない雰囲気を醸し出してますね。
反面、お話の方はこんなもんかなと。
太田節もわかるけど、この絵にはもっと上品な文章が良かったですね。
とりあえず、絵を見る為の本です。
立ち読みでもいいから、ひと目見るべし。
かなりオススメです。 -
藤城清治さんの絵で描かれている絵本。
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「世界はきっとどこかでつながっている」
物語と影絵のコラボレーションが、とても素敵な作品です。
読み終えたとき、
「ああ、こうつながるのか」
というため息がこぼれます。
いいですね。
つかむこと。
手放すこと。
そして、その先で起こること。
美しいだけでなく、気持ちが動いた感覚が、心に残る物語です。 -
見るものの心を奪うほど美しいマボロシの鳥を見世物にして評判を集めている魔人チカブー。
ところが、劇場側のミスでマボロシの鳥が窓から逃げていってしまう。
チカブーは意気消沈し、以後数十年、舞台から姿を消していた。
一方、別の世界では、タンガタという若者がマボロシの鳥を捕まえ、そのカリスマ性から王になっていた。
タンガタは自分は持ちすぎているので、このマボロシの鳥を手放しても、この地位は続くだろうかと考えた末、マボロシの鳥を手放す。
そのころ、チカブーの世界ではかつてのチカブーのショーを見ていた路上で絵描きをやっている人がマボロシの鳥を絵に描いていた。
たまたまチカブーはその路地を通りマボロシの鳥と再会するのだった。
マボロシの鳥と言いつつ、不死鳥のような存在。
テーマは世界は繋がっている、らしい。
原作の小説を絵本用に短くしたものだとか。
影絵がきれい。
作者はもう80歳を超えている…。
すごいパワーだ。
魔人は悪い人かと思いきやそうではなく、ただの人だった。
「もう一度舞台に立つべきだ」と言われたかった言葉を言ってもらえたチカブー。
絵で再会することも素晴らしいことなのかもしれないけれど、このあとチカブーはどうなるのだろう。
マボロシの鳥なしで芸を出来るようになるのか…。
語りの口調を面白いと取るか、鼻につくととるかで楽しめるかどうかが決まりそう。 -
子どもの頃に魅了された、藤城清治さんの影絵。
美しいだけじゃなく、どこか迫力があり、惹きつけられる。
太田光の話題作を絵本化したものだけど、藤城清治でなければ読まなかったと思う。
言いたいことは分かるが、物語にしては、文章が冗長。
それが言いたいなら、エッセイにしてって思う。
絵本としても、絵が充分に語ってくれていることを、わざわざ文章で浅くしてる感じは残念でした。
言いたいことは分かるし、テーマにも共感出来るので、勿体無いと感じてしまった。太田光も好きなんだけどな。
小説や物語は、書き手と読み手の信頼関係みたいなものもあると思う。
いひおほせてなんとする、じゃないけど、もっと読み手の読力に委ねてくれると、もっと読みやすいんじゃないかと、生意気に思ってみたりしました。 -
漫才師太田光さんの小説を、影絵作家藤城さんが絵本化したコラボ作品。
親からのプレゼント。
藤城さんならではの影絵が、ストーリーの不思議な世界観を何倍にも引き上げていました。
いつの時代のどこの場所かもわからない人々が、1匹の美しい幻の鳥に翻弄される姿に物悲しくなりました。
実際に、幻の鳥に似た何らかの存在が時代も世界も繋げているのかな。 -
原作よりこちらの絵本のほうが、すとん、とはいってきた。自分の必要性、大切なもの・ことを手に入れ、手放す時、意味。そして時空を超えた世界のつながり。藤城氏の描くマボロシの鳥が美しい。
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太田光さんの一ファンとして、この本を読むのを楽しみにしていました。とても太田さんらしいストーリー。ただ個人的にはもう少しシンプルな文章にして分かりやすい構成にしても良かったんじゃないかと思う。
藤城清治氏の切り絵は素晴らしい!!もうご高齢の藤城氏ですがその切り絵は全く衰えていないと思う。切り絵に感動したので星4つです。 -
影絵が素敵。大人の絵本ですね
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読売こども新聞で紹介されていた絵本。
作者が太田光さんってのが気になって。
絵本なら簡単に読めるかなと思ったら字がものすごく多い。
絵も見たいし、ゆっくり読みます。 -
切り絵が光るように美しい。
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藤城清治氏のスタジオが小さいころから近所にあって、何度か遊びに行った。影絵を観るため、というよりは話をするオウムや神秘的な猫がみたくて。
また、本もよく読んでいた。
そうしたら、今年6月、十数年ぶりにスタジオを公開するというので、懐かしく、娘を連れて足を運んだ。そこで買ったのがこの本。
大田光氏の本がベストセラーだったということは知っていたけれど、
中身を呼んだのは今回が初めて。
童話や絵本というには勢いのありすぎる語り口だけれど、
訴えたいことが鮮明でわかりやすい。とても好感がもてる。
そして影絵は本当に素晴らしい。
色の鮮やかさや、繊細さや人物の独特な表情、ページをめくるたびにため息がでる。
言葉で「ほれぼれするほど美しい鳥」と説明をつけなくても、
本当に惚れ惚れするような美しいマボロシの鳥だった。 -
とても美しい絵本だと思います。俺は好きです。
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魔人チカブーがオリオン劇場にやって来る!
チカブーの芸を見るために劇場は超満員で、外も黒山の人だかりだ。
場内は人が多すぎて、芸人が酸欠を起こす始末。
支配人は空気を入れるために、チカブーとの契約に反して、
天井の窓を開けて換気をした。
さて、チカブーの登場で観客は大興奮。
チカブーの手から出た光の中から現れたのは、これまで誰も見たことのない、
美しい”マボロシの鳥”だった。
その鳥はチカブーの手から舞い上がり、くるくると回りながら上昇し、
チカブーが気付いた時にはもう手遅れで、”マボロシの鳥”は
天井の窓から逃げて行ってしまった。
それ以後、チカブーは二度と舞台には立たなかった。
そして月日は流れ、チカブーは老い落ちぶれて場末の酒場で酒を飲んでいた。
昔チカブーの舞台を見たことがあるという男がチカブーに言った。
「もう一度舞台に立つべきだ」
この言葉こそ、チカブーが一番言われたかった言葉だった。
藤城清治氏の影絵が、それはそれは美しいです。 -
絵本とは言っても大人向け。内容というより語彙も。
原作は少し読みにくい部分もあったのだけど、絵があることによって、惹き込まれ、文章も簡略化されて読みやすくなってた。
小さい頃はこの影絵が怖くて仕方がなかったけど(笑)今大人になってから見るとすごく不思議なパワーがあって驚いた。力強さとエネルギーと、それでいて表情豊かで。
マボロシの鳥が生き生きしてました。 -
子供の頃から親しんできた藤城さんの影絵。黒の使い方が印象的で、だからこそ他の色が際立ち、作品に出合ったときはいつだって宝石箱を開けたときのようなときめきがあった。藤城さんの影絵が語る世界からは独特の神秘の音色が聴こえてくる。だから本書の存在を知ったとき、もちろん何も迷わず即購入。
さて今回は、太田光さんの手になる幻想的で心温まるお話が舞台。
太田さんの文章は、所々ハッとするような光を放つ。ときに熱いものが静かに込み上げてさえきた。彼はこういう次元で物を考えたりする人なのかと、ひそかに感心もした。
満員のオリオン劇場の舞台で、魔人チカブーの胸のあたりからマボロシの鳥が現れるくだりはその美しさに溜息が出たし、まだ青年のタンガタが幻の鳥と瞳を合わせるくだりはあまりにも優しくて胸がきゅーんとした。
場末のバーの中年男の精一杯の勇気は思わず応援したくなるほどだったし、国王になったタンガタの決断はその崇高さにこちらの精神まで清められるかのようだった。
世界の秘密、それは「……自分はだれかとつながっている……。そして……この世界は、別のどこかとつながっている」ということ。そんなふうに思えば、日常はただの日常ではなくなってくる。今この瞬間さえ不思議に満ち、豊かで愛おしい一瞬に思えてくる。
そして何といっても見開きごとに配された40枚の藤城さんの見事な影絵。太田さんの伝えたかったものが、藤城さんの大いなるマジックで、より真っ直ぐに、鮮明に、そして痛いほどの切なさを持って伝わってくる。とにかく美しい。そして、作品すべてが生きている。
「“目に見えないもの”こそ、“いちばん見たいもの”だったりする。」 文字だけで想像していた世界を実際に目にする感動を存分に味わわせてくれる。
現代人への風刺も含め、いろいろなことを考えさせる力を持った作品でもある。 -
切り絵が美しい。
原作は読んでいない。