- Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062192842
作品紹介・あらすじ
詩集『死んでしまう系のぼくらに』で世界を震わせた、
今、最も注目される詩人・最果タヒが紡ぐ、初めての長編小説――。
少女たちは、いつだって青春を戦っている。
==============================
きみがぼくに使うかわいいという言葉が、ぼくを軽蔑していない、その証拠はどこにあるんだろう。好きとも嫌いとも言えないなら、死ねって言っているようなものだと、いつだってきみは、怒っている。ぼくは、きみを好きでも嫌いでもないまま、優しくありたい。かすかな、死の気配でありたい。
愛情で語れる友情は、ただの代替品でしかない。
きみが孤独なふりをするあいだ、ぼくはきみと友達でいる。光る波がおしよせて、ひいていく。きみの足首がぼくと同じで、ただそこにあることを、だれにも証明ができない。
孤独になれば、特別になれると、思い込むぼくらは平凡だ。制服がかろうじてぼくらを意味のあるものにしてくれる。
きみは、どんな大人になるかな。
あたりさわりのない、この世にいてもいなくても変わりない、誰かになるのかな。
幻滅が存在しないのは、友情だけだよ。海が告げる。きみは立っている。
ぼくの友達。
(詩・最果タヒ)
==============================
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
文学
-
本当に尊い時間や関係性に、どうして僕らすぐに名前をつけたがるのだろうか。
本当に大切なものには、名前なんかなくなっていいのに 僕らは名前を欲しがる。壊れそうで不安だから壊れても分からないようにするためだろうか。
最果タヒのことをゆめかわいいって言葉に収めてはならないと思った。それだけで何か大切さが欠けてしまうような気がしたから。
本から感じたことは こんなところかな。これも きっとほとんど あとがきを読んで感じたことだろうな。
本自体は、ライトノベル感がほんとにすっごくて、詩人がラノベ書いたらこうなるのかって感じだった。普段、詩を書いてるからか 物語というよりかは、淡々と詩が伏線を持ちながら進んでいくような印象だった。
ところどころに 友人関係で感じる 感情が散らばっていて、私特有のものだと感じていた感情達が 実は そうではないと思った。
言葉にしないだけで、案外 周りも そんな感情になっているのだと、自分以外の人間がすごくて、世界を変えられるのはそんな人達だと 、この世界の脇役に自分を捉えていたけれど、実は違っていて、自分の世界を変えられるのは自分で、世界は自分が作っているのだとおもった。 -
前から気になっていた作品。装丁もかわいいし。内容はラノベ調?なんだか軽くてしっくりこなかった。ファンタジーだ。
-
少し変わっている切り口で最果タヒさん特有の雰囲気だと思った。
ネット社会の闇の中の人間関係や友情などをもので、現代社会の問題がしっかりと見えてくる。
ビジネス書や、論説よりもスッと入ってきて2時間も経たずに読めてしまった。
とても読みやすいと思う。 -
区切りの仕方がイマイチで読みにくかったけど、スラスラと話が入っていく感じでした。
魔法少女とアンドロイドの友情、彼女たちは特別じゃなくて至って普通の女子高生。
機会があれば他の作品も読んでみたいですね。 -
ネットの力で魔法少女に変身する女子高生 織田日月はネットの悪意から生まれる魔物を退治していた。
ある日、日月は図書室で転校生 安楽栞と出会う。
安楽は風紀委員長から風紀違反検挙を依頼された探偵でアンドロイドだった。
安楽から頼まれだ日月は協力して校内のネット問題を解決していく。
注目の詩人 最果タヒさんの長編小説。
雲の上の人とか、憧れの人も、自分と同じ普通の人間なんだって実感できるようになったのはいつの頃からだろうか。
ネットなどの科学技術と人間についての関係も的確にとらえていて納得させられました。 -
「私は私がしたいことを、私がしたいようにやる」ネット、人間、ロボット、私、友達…