月の影 影の海〈下〉 十二国記 (講談社X文庫―ホワイトハート)
- 講談社 (1992年7月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062550727
作品紹介・あらすじ
「私を、異界へ喚んだのは、誰?」海に映る美しい月影をぬけ、ここへ連れてこられた陽子に、妖魔は容赦なく襲いかかり、人もまた、陽子を裏切る。試練に身も心も傷つく陽子を救ったのは、信じることを教えてくれた「ただひとり」の友-楽俊。ひとりぼっちの旅は、ふたりになった。しかし、"なぜ、陽子が異界へ喚ばれたのか?なぜ、命を狙われるのか?"その真相が明かされたとき、陽子は、とてつもない決断を迫られる。
感想・レビュー・書評
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やっぱり何度読んでもいい…
色々と感想はあるけれど言葉にならないのでひとことだけ。結びが一番好きです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
楽俊との出会いがキーポイントで
ターニングポイント。
それからの陽子の踏ん張りと努力に涙。
どんどんスケールが大きくなる、
そんな世界観に脱帽。 -
上巻に続いて【勝手に再読祭り】
苦悩の上巻とは一変して救われる下巻です。
上巻にて人を信じられなくなった陽子だが、楽俊に出会って"陽子自身が人を信じることと、人が陽子を裏切ることは何の関係もない"ということに気づかされます。
とことん追いつめられると人はこうも醜くなるのかと思いましたが、陽子にとってはそれが必要なことだったのでしょうね。苦悩を知っているのと知らないのとでは全然違います。上巻あってこその陽子なのでしょう。
成長ってなんだろう、と考えさせられるとても良いお話でした。
最後はすこし飛ばしすぎな気もしますが、アニメではもうすこし掘り下げられているようなので本書と合わせて観るとより深くわかるのではないでしょうか。
結論から言いますと、楽俊素敵、ですね。異論は認めます。 -
上巻を旅先で再読したので、下巻読みたい病が大変でした(笑)
のけから楽俊登場。
その彼を形容する言葉のひとつひとつや、動作の表現などにもう癒されまくりました!
自分の頭の中で勝手に可愛くしているだけだろうなと思っていたのに、公式がそうでした…さすが主上は萌えを何だか分かってらっしゃる…とかいう不埒な感想を抱きました(笑)
もう楽俊を見ているだけで、溶けそうなほど癒されます…。
楽俊と陽子の関係がすごく好き。
この二人はずっとこうしてこのまま、生涯の友であって欲しいなぁ(赤毛のアンか!?)
にしても、下巻の陽子の自分との対峙で導き出した答えとか、決意とか、心の変遷とかが、すごく納得できる流れで、うまさにうーんと唸りました。
最後の景麒奪還は、ちょっと急ぎ足っぽい印象を受けたのがちと残念。 -
楽俊が登場
獣っぽい人もいる世界なのね
国の仕組みや生物のアレやこれや、現代日本との関係等の世界観の概要説明
雁国の延王は500年の治世って事は戦国時代あたりの人?
そもそも時間の流れはこっちとあっちで同じなのか?
巧国の塙王も一見暗愚に思えるけど、ただそれだけじゃない事情とかあったりするんだろうか?
胎果の王のアドバンテージはあるようなないような?
近代の海客ならまだしも、延王とかどんな生活してたかまだわからないけど本人の資質のおかげなんじゃないか?
一番よかったところは、楽俊との「信じる」とは何かの会話のところかな
信じるか信じないかは自分の問題であって、その結果相手がどうしたとかは関係ないんだよな
今後、楽俊はストーリー上でどんなポジションになるのかね?
あと、魔性の子との関連があとがきで書かれてある
作品名は明記されてはいないけど、あっちでも王ではないとか麒麟とか言ってるし、こっちでも高里って名前が出てるし、発売時期からして明らか
魔性の子は十二国記と知らずに読んでしまったけど、あの作品をホラーとして読めたのは僥倖
ま、内容は殆ど思い出せないんだがね
泰麒の話を読むのが楽しみだ -
異界へ突如放り出され、生き続けるために甘さを捨てざるを得なかった陽子。救いの手に対しても不信の念を拭えない。
追い詰められた時に人はどうなるのか、自分はどこまで正気を、そしてきれいごとを保てるだろうか、と考えさせられました。
ストーリー自体は、上巻が、さらわれて戦ってボロボロに。下巻は助かって旅して決断する。
上巻の、え、まだそう来る?はなくて、あ、そう、あら、そう、と成り行きを見守る感じの下巻でした。
他の国の話も読んでみたくもあり、それなら「精霊の守り人」読み直した方がいい気にもなり、という感じ。陽子の気持ち、バルサなら「わかるよ」と言ってあげられるだろうな、と妄想。