人形式モナリザ Shape of Things Human (講談社文庫)

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  • 講談社
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レビュー : 303
  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062735858

感想・レビュー・書評

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  • 悪魔を見たことがある人と、神様を見たことがある人、どちらの方が多いのだろう。

  • Vシリーズの2作目です。
    今回も登場人物が多くて、さらにその家族関係が複雑で最初誰が誰なのかなかなか覚えられませんでした。
    しかも人形とか乙女文楽とかのイメージができなくて前半は読むのに時間がかかりました。
    事件が起こった後、中盤以降はわりとさくさく読めました。
    途中から犯人は何となく予想できたけど、紅子さんに言わせれば、犯人は最初から分かって当然的な感じなんですね。

    今回の話のテーマは人形そして神あるいは悪魔。
    人間は人形か。
    誰が操っているのか。
    誰を騙しているのか。
    他人、自分自身、それとも神。
    今まで読んできた森作品の中でもかなり哲学的だと私は感じました。
    最後の一行は、最初どういうことか分からなかったけど、その意味に気付いたらぞっとしました。

    Vシリーズのいつものメンバーですが、私は探偵役である紅子さんはやっぱりあまり好きになれませんでした。
    保呂草さんはかっこよくて好きです。練無ちゃんもかわいくて好きです。紫子さんはどうも苦手です。
    林さんは渋くてかっこいい。祖父江さんはそんなに好きにはなれないけど、紅子さんよりは応援したくなっちゃいます。
    3作目以降この登場人物の印象がどう変わっていくのか(変わらないのか)も楽しみです。

  • Vシリーズ2作目、人形博物館で起こった殺人事件。

    登場人物が多く、それぞれの関係が複雑で、相当に注意深く読む必要があり非常に疲れました。

    最後の1行でのどんでん返し、複雑な人間関係を丁寧に読んできたからこそ受け止め切れず、もやもやと気持ちの悪い感覚が残りました。
    読み返しても黒幕の意図を掴めませんでした。

    四季シリーズを先に読んだことを後悔しています、本シリーズ後の人間関係を知ってしまっており、どうしても斜に構えた読み方をしてしまう。

  • 保呂草がなぜ普通にでてるんだ。謎。

  • 犯人よりも先に彫刻家のモナリザの正体に気が付いた私は邪道かも・・・。ある意味、人形づくしの作品です。

  • 山奥のペンション
    人形師の一族と因果な関係。
    お決まりの面子。

    おもろい!

  • ミステリィとして読ませたいんだろうけど伝えたいことは別にあるような、これは森作品全体にいえたことだけど、実験してるのかなこの人は。ただ、売れる本を作っているだけのような気もする。

  • 保呂草さんの真の職業が判明し、林さんを巡って一悶着。もうどんだけカッコイイの、渋いおじさんですか。二人とも見事におじさんに泣かされてますね。事件は何となく犯人はわかったけれど、このひとが全部出来るのか疑問を浮かべつつ読みました。自分の意思は本当に自分が決めたことなのか、実は糸がたれてたりしてと背中が少し冷えます。最後の写真のところは一緒に見てみたい。何となく人形にマークがあるとか云々でモナリザの様相は予想出来ましたが。誰か実践してほしいくらい。

  • 『失われることは、悪いことではないのだ。
    削り取られて、そこに形が現れることだってある。
    万が一にでも、美しい形が生まれることがあれば、尚更だろう。
    その希望こそが、生きる動機ではないか。』

    「はい、少しでも価値のあるものは全部持っていかれてしまいましたの ー だけど、本当に価値のあるものは、誰も気づきませんでしたわ」

    『落ち着け。
    私は、瀬在丸紅子だ。
    何をそんなに怒っている?
    戦う相手は誰だ?』

    『そうか、大人になってもやっぱり、誰かが誰かを泣かしているんだ、と彼は思った。』

    『人間ってどうして倒れないのだろう、と思う。
    倒れやすい形なのに。
    一番不安定な形なのに。
    人間だけが立っている。』

    「玉蜀黍って、美味しい、美味しくない以前に、あまりにも食べにくいと思わない?」
    「もっとずっと食べにくいもの、いっぱいあるやないですか」
    「ええ、みたらし団子とかね」

    「誰が私を騙そうとしているの? ー あ…、ごめんなさい」
    「哲学的な独り言だったね ー 紅子さんを騙そうとしているのは、紅子さんですよ」

    「これは、一般論だけどね。最も困難な問題。最も複雑そうに見える問題を最初に解決すること。もしも、本気で問題を解決したいのなら、それが最も近道。どうしても、簡単な問題に逃避してしまうの。小さな問題を解決しても、それは前進には寄与しないことが多い。」

    「でも、どんな理由があっても…人を殺す行為自体は許されへんのとちがいます?」
    「そうかしら? ー 誰がそれを決めた? どうしていけないのかしら? 良いこと? 悪いこと?」
    「悪いことに決まっている」
    「人を殺したら、罰せられる。そのルールがすべてです。それ以外には、何一つ有効なものはありません ー それ以外に、私たちには共通の認識はない。だからこそ、それだけを定めた。つまり、値段を決めるみたいに、交換レートを定めただけなの。良いことか、悪いことか、それさえもまだ人間はわかっていない。ただ、ひとまず、殺人は懲役何年かと交換される、というルール、交換レートが決まっているだけです」

    「そう ー それを忘れないで。言葉だけのことなの。全部そうなんです。言葉で理由をつけて、どんなふうにでも変えてしまえるの。言葉こそが、 悪魔であり、 神であり、 私達の罪でもある。でも、そこにしか、真理はないのよ」

    「どうします? ー 警部に僕のことを話しますか?」
    「話すと言ったら?」
    「ここでキスして、さようならです」
    「それは嫌だ」
    「キスが? それとも、さようならが?」

    『二人は短い接吻をした。
    宇宙の歴史に比較すれば、すべてが短い。』

    「すいません ー 紅子さん、貴女、ずいぶん私のイメージと違う方のようだわ」
    「そうそう人から簡単にイメージされるほど、私、シンプルにできてないのよ」

  • メイントリックが前作より徹底されていた点と、キャラ設定が定まってきたことから、印象としては前作より優れているかなと思いました。
    ただ、読者を煙に巻くような仕掛けが多くて、なかなかスムーズに読み進めることが出来ずストレスが溜まりました。細かい伏線が回収出来ていない点があったのも不満の一つでした。
    最後の一行は蛇足だと思いました。

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著者プロフィール

森 博嗣(もり ひろし)
1957年、愛知県生まれ。作家、元研究者。名古屋大学工学部建築学科、同大学大学院修士課程修了を経て、三重大学工学部助手、名古屋大学助教授。名古屋大学で工学博士を取得し、2005年退職。学会で数々の受賞歴がある。
作家として、1996年に『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞し、同作で作家デビュー。S&Mシリーズとして代表作の一つに。『スカイ・クロラ』シリーズは本人も認める代表作で、2008年アニメ映画化された。その他にも非常に多くの著作がある。

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