- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062748445
感想・レビュー・書評
-
fukayanegiさんの「凍れる森」のレビューを読んで、こちらもシリーズ最初の巻から読んでみようと手に取った。
主人公のジョーはワイオミング州の猟区管理官なのだが、プロローグからかなり情けない姿が描かれ、その後もあまり颯爽としないし話のテンポがまったりだし翻訳が読み辛かったりで、前半はかなり辛抱強く読んだ。
ようやく面白くなったのは、それまでの出来事がおぼろにつながり出した140頁を過ぎた辺りから。自宅の裏で死んだ男の謎を追う内に、にっちもさっちもいかない状況に追い詰められ、そこからジョーの反撃が始まる。
犯人や背景は途中でおおむね想像がつくのだが、現代の話でありながら『人間がいまだにほぼ完全に孤立して他人から手が届かなくなる場所』での話はまるで西部劇か任侠映画のノリで、意外に打たれ強かった主人公の行動が楽しめた。
父娘のつながりが深まるエピローグに和む。お嬢ちゃん、頑張ったね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
-
2021/10/31
-
@ikezawaさん
コメントありがとうございます。
ネイトとピケット家の出会いと経緯が気になるところですが、行きつけの図書館の蔵書事情...@ikezawaさん
コメントありがとうございます。
ネイトとピケット家の出会いと経緯が気になるところですが、行きつけの図書館の蔵書事情でなかなか前に進めそうにありません。。2021/10/31 -
突然のコメント失礼しました。
電子書籍じゃない限り、なかなか図書館でも厳しい状態なんですね、ごゆっくりお楽しみ下さい。
二作目は電子版のみ...突然のコメント失礼しました。
電子書籍じゃない限り、なかなか図書館でも厳しい状態なんですね、ごゆっくりお楽しみ下さい。
二作目は電子版のみで数年前にでてましたのでご注意下さい。(何故か最近の「発火点」の手前頃に発売されました)2021/10/31
-
-
猟区管理官ジョー・ピケット・シリーズ1作目。
「フリーファイア」を読んだらとてもよかったので、一作目から読み始めました。
「フリーファイア」からでも読めますが、家族の状況などが作品ごとに変わっていくので~
ご紹介は一作目からにしてみます。
ジョー・ピケットは、ワイオミング州猟区管理官。
広大な国立公園を一人で巡回し、狩猟を楽しむ人達が規則違反をしていないかチェックするのが仕事。
真面目な普通の男で、猟銃を抱えたごつい大男がいっぱいいる中では、体格も普通。
人の良さが顔に出ているようで、はしこい悪党にはしてやられることも。
美しい妻と可愛い二人の娘がいて、特に7歳の長女シェリダンは活発で相棒みたいなもの。
家庭を大事にしていますが、度々転任し赴任先はいつも山の中という大変な仕事の割には収入は大したことない。
妻の母親は上昇志向が強く、娘婿には不満なのがありあり。
そんな義母がよく家に滞在するのがジョーには泣き所。
妻のメアリーベスは(義母とは性格が違い)よく出来た妻で理想の女性像?
ジョーも指導を受けた名物男が前の管理官だった今の地区。
その後任にしては頼りないと軽く扱われるジョーだが、実は人一倍正義感は強い。
雄壮な自然の中で起きる謎の出来事が次第に絡み合っていき、家族が危険にさらされたとき‥?
幼いながら果敢なシェリダンの活躍とともに、立ち上がったジョーの本領発揮が痛快です。
「フリーファイア」のあとがきで、初期の作品はディック・フランシスを思わせると書かれていました。
確かに、真面目だが強そうではない主人公、魅力的で賢い女性と愛し合っている、巻き込まれ型で最後には立ち上がるなど、通じるところがあります。
1作めだとややシンプルでそれほど長くないのも近い。
しかし、こんな危険な仕事で、妻と幼い娘二人の女性ばかりが家族、では巻き込まれてトラウマにならないか?
と心配してしまう。
実際1作めを発表したときは、こんなに長いシリーズになるとは考えていなかったそう。なるほど(笑)
ほどよいリアルさとスリル、大自然を相手のスケール感、そして家族愛が魅力です。
楽しみなシリーズを発見して嬉しい限り☆ -
猟区管理官ジョー・ピケットシリーズの記念すべき第一弾
ニューヨークやロサンゼルスのなどの大都会ではなく、“大いなる田舎”ワイオミングの大自然で暮らす男たちは、スーパーでパックされた肉ではなく自分の手で仕留めた森の動物を、自らさばき食べることを誇りとしている。
その陰には、その他に誇るものがないほどの貧しさが根付いている。
拳銃やショットガンなどが打ちまくられるなか、不器用で世渡りができないが誠実で愛する家族を守り信念を断固として貫く主人公、ほんと西部劇の世界。
作者は決して「銃規制」「自然保護」を声高に主張していない。
そればかりかハンバーガーを食べながら「動物愛護」を叫ぶ人々を皮肉っている。
「絶滅危機動物の一つのグループは、保護団体の犬の病原菌によって保護しだした途端に全滅した」(終盤での出来事 要約)
だからと言って「古き良きアメリカ」的懐古主義でもない。
この物語が喝采されシリーズ化された理由は「等身大の人間がヒーローとなるとき」という、最も分かりやすく共感しやすいテーマだったから。
それにマンマと乗って喜んでしまったのだから、やっぱり好い物語なんだろう……。 -
猟区管理官ジョー・ピケットシリーズ第1巻
ジョーの頼りなさが、捜査の進展のなさ
安い給料で、才能のある嫁の将来を奪ったとの姑からいびり
とともにストレスを感じるのだけど
(主人公なのか?と疑いたくなる)
娘が頑張るのでそこは気にせず
むしろラストに迎えるカタルシスにつながる
「現代のウエスタン」であり
サラリーマンや、時代劇、任侠モノにも
通じる「悪に立ち向かうただ一人の正義」
に心を打たれる。
読み終えてからジョー・ピケットシリーズは全巻手元に揃えました。
ここに
「真夏のジョー・ピケットフェア」開催
を宣言いたします! -
濃密な森の、水の、土の匂い。そして銃の火薬の匂いがする話。悪人がどこまでもゲスく、主人公の清廉さが際立つ。憤怒に共感。娘たち可愛い。
-
主人公がダメなところもある普通の人間である事が新鮮。彼の妻や娘もあり得ないくらい理想的。こういうのは安心感があっていいなー。
-
猟区管理官 ジョー・ピケットシリーズの第1巻。
天空の犬シリーズ樋口明雄氏が、インスパイアされた雰囲気がよく伝わる。
一言で言えば、かなり面白い。
自然、野生生物を守るジョー・ピケットは、スーパーマンではない。
猟区管理官の仕事を精一杯やり、そせて家族のことも精一杯護り、育てている。
しかし、彼がトラブルに巻き込まれ、家族が危機にさらされたとき、敵の能力をはるかに凌駕する彼の真価が発揮される。
その後の展開は、痛快。
面白かった。 -
面白いがグロテスクな小説だ。主人公は好感が持てるが周辺がクズばかりだ。