逃亡くそたわけ (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062758062

感想・レビュー・書評

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  • 躁鬱病の男女が福岡の病院を脱走し、ただひたすら車で鹿児島を目指して逃走するだけの話。
    逃走といっても具体的に追われているか定かではなく、道中でも特に事件は発生せず、本当に車で走っているだけ。それなのに何故か二人のことが徐々に愛おしく感じてくるのが不思議。
    この作品の裏に何か深いテーマがあるとしても自分には理解できませんでしたが、結局は絲山氏の作品が好きなんだと思う。

  • 九州を舞台にした、メンタル患者男女の逃亡劇。単純に面白くて読み進められた。

  • 又吉から
    2012/2/23-23

  • 未読。気になるプロット、そしてピーズの引用有りというコトでいずれは読みたい。

  • 「色々難しく考えんと、これでも読みなさい」と、活字中毒のツレから渡された本。

    自分の仕事と切り離して読むにはあまりにテーマがあれやったけど、「あぁ、まぁこういうのもありかもなぁ」なんて思って(←おいっ)、とりあえずグダグダになりそうだった負の思考スパイラルから一時抜けられた。

    まぁ、実際こういうことされると困るけど(苦笑。

  • 86点。ロードムービーやロードノベルになぜか涙してしまうという人は自分だけではないはず。たわいもない内容にそこはかとなく漂うユーモアとペーソスっていうか。
    なんか気持ちのいい読後感。

  • がちゃがちゃの絲山節全開。
    最後まで一気に走り抜けてしまう感じ。だから、あっという間に読める。

    なごやん、という登場人物だけでもう、ノックアウト。

  • *引用*

    なごやんが、くやしがるときに唇を噛むのは、そうすると可愛い顔になるのを自分で知っているからで、そんな余裕もないほど口惜しい時には頭をグッと後ろに引いて目が細くなるのですぐわかる。普通にしていればかっこいいのに、顔に上半身と下半身があって、作り笑いをする時は口だけで笑う。得意になった時にはまゆ毛が上がる。気に入らないときには目鼻がばらばらになって福笑いみたいな顔になる。本当の気持ちは顔の上半身を見ていればわかる。自分がどう見られたいのかは顔の下半身に出る。


    ―― 『逃亡くそたわけ』 p38ー39

  • テトロピンってきっとセレネースのことよね。

    読んでよかった。とても爽快。

    なごやんの優しさが明かされたときに少し感動した。

  • 絲山秋子の逃亡くそたわけを読みました。躁鬱病の若い女性が、収容されている病院を抜け出して車で九州を縦断するという物語でした。テーマは重いのですが、描かれているタッチは軽く、主人公とたまたま同行することになってしまった若い男性の掛け合いが楽しめます。幻聴に悩ませられながらも、前向きに生きていこうとする主人公がけなげに感じられます。とは言え、テーマがはっきりしない物語なので、ちょっとイマイチと感じました。

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著者プロフィール

1966年東京都生まれ。「イッツ・オンリー・トーク」で文學界新人賞を受賞しデビュー。「袋小路の男」で川端賞、『海の仙人』で芸術選奨文部科学大臣新人賞、「沖で待つ」で芥川賞、『薄情』で谷崎賞を受賞。

「2023年 『ばかもの』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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