- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062758062
感想・レビュー・書評
-
幻聴に囚われた躁病のあたしが、
論理に拘束される鬱病のなごやんと
精神病棟からの決死の逃亡を図る。
たびたび出てくるあたしの幻聴
「亜麻布二十エレは上着一着に値する」
はマルクスの資本論における一句らしい。
全く知らない自分にはなにやら魔法の呪文の響き。
得も知れぬ不安感に襲われてしまう。
知ってる人は別になんてことないのかな。
ま、どちらにせよそれでこの本の価値が変わる訳ではないし。
物事の本質は綺麗に分かれているようでみんな似ている。
なんだかすべてがどうでもよくなってくる。
そんな本だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
精神病院の患者2人が逃亡する話。
逃亡するようすを淡々と。
鹿児島弁が懐かしかった。 -
2011 12/15
-
なごやんが可愛い。いとおしいです。
幻覚や幻聴が自分を支配してしまったら、
ものすごく怖いだろうなぁ。 -
ぼろ車で国道をひた走るだらだらした逃亡であるはずなのだが、行く先々での印象的な出来事や抱えている病との闘い(慣れ合い?)を中心にテンポよく話が進んでいくのが痛快だった。躁鬱を抱えている主人公らは薬を服用し、時折幻聴まで聞こえるのだから、すべて夢現のファンタジーなのかもしれない、そういった非現実的なストーリーがよかった。
-
第133回直木賞候補
第27回野間文芸新人賞候補 -
著者の絲山先生自身が躁鬱病ということで、精神病院からの脱走という舞台設定がリアルです。入院したら出るのが難しいというのは本当です。私も同じ境遇になりかけたので、「小説」というより「手記」みたいな感じで読みました。
-
ヒラリンさんと、全く同感。
-
すらすら読める。
何か凄いことが起きるわけでもないロードムービー的小説。
文章のテンポ読みやすかった。 -
亜麻布二十エレは上衣一着に値する