今を生きるための現代詩 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062882095

感想・レビュー・書評

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  • 決して詩の初心者向けではありませんが、詩の奥深さは、なんとなくわかる本でした。結局、詩って、難しいなぁと思いました。

  • 面白かった。

  • 詩は人を謙虚にする


    川田絢音
    安東次男

  • 現代美術について考えていて
    ちょっと外から客観的にみたくなり
    詩についての本を読みました。

    結論から言うと想像していたよりずっと面白く、
    私の求めていることが多くあったように思います。

    ぼんやりを、筆者の視点で言語化していて
    とてもしっかり伝わってきます。

    紹介されている詩を読んだときに、
    頭の中に出てくる「?」やイメージは
    アートを見ている時ととても、限りなく、近い。

    自分の知らないけど知っているような
    忘れているだけなような、ぼんやりとした記憶のような、、
    に気づかせてくれる、呼び起こしてくれる。

    そうそう、そういうこと!が多かった。

    ので、
    以外自分のための備忘。

    未来を描いている
    幻の時としての未来と響き合う表現
    分からないことの大切さ

    ただ純粋な言葉
    伝えたいことなどない

    抽象画的に目で見る
    文字のイメージ、ひらがな感じ、重なり合いを楽しむ

    誰にでも通じる言葉の対局にある、孤独のことば

    確立された自分像を疑う
    いつも流動的で普遍などない
    神の声を聞く

    人間のコントロールからこぼれ落ちた
    世界の手ざわり
    感情や知覚の微妙なありようを、
    まだ知らない感じ方をつくるきっかけになる

    まだ知らないことの予感をあたえてくれる
    理解できない余白を認めること
    自分像を白紙に近づけること

  • 現代詩の読み方を教えてくれる本かと思って読み始めたら、それ以上の学びがあった。
    詩はわからないもの、わからないを認めること、自分という存在の流動性と小ささ。
    平易な文ですらすら読めました。
    安東次男と川田絢音と井岡洋子の詩を読んでみようと思う。

  •  谷川俊太郎の「六十二のソネット」の目次が「きわめて前衛的な詩」として著者の目にうつるのは、本文中に書かれているとおり詩人の「ことばのトーン」が「すみずみまで注意深く統一されて」いるからで、でたらめでよいということではたぶんない。
     私は「詩を書く」ということをあきらめきれていないのか、読み手としては「わからないけどかっこいい」で満足なのですが、どうしてもその言葉の取捨選択の基準をわかりたくなってしまいます。
     だから読み手としては勇気づけられたのと同時に、「詩を書く」ことについてはやはり私には難しい、という軽い失望も感じてしまいました。抽象画にたとえて詩を解説しているくだりもあったけれど、訓練によって上達可能なデッサン力を身につけても、それだけで抽象画が書けるようにはならないだろう、みたいな。

     紹介されている詩がどれもすごく良くて、すごい詩とたくさん出会えるアンソロジーとしても読む価値があると思います。
    「西洋の言語はどれも、文字で書かれた詩を朗読することに格別の困難はないかもしれないが、日本語では事情が違う」「日本の現代詩は(少なくとも自分の書く作品は)、声に出して読むことは不可能である」という言及は印象的でした。

  • 詩歌は作者も全的にその内容を理解しているわけではなく、それを受け取るがわも意味や作者の意図を理解しようと読んでもしょうがないと説く。それよりもただ対峙して読み続けると、未来に、ハとその詩歌に書かれているような事が理解できる瞬間があるという。そのため(?)に読むものだというようなことが書いてある。日々情報を消費することに身をやつしている我々には非効率で、贅沢な営みに感じるけど、アンビエントミュージックを聞いたりする行為と似たところがあるのかな。一つ思ったのは、掲載されている詩を読んで、今の自分が共感できる内容だと”わかる”けどなんかわかったことが安っぽく感じてしまったりして。逆に”わからない”と言葉と言葉のつながりが今の感覚と離れすぎて、何のイメージも結ばなかったり、あえてただつながりを想起させないような言葉であることのみをもってそれらを選択しているようにも感じられて、作為的でいやらしさを感じたりして。難しいものだな。でも、川田絢音ってひとの、グエル公園って詩は良かった

  • 今まで触れてこなかった。現代詩。
    正直、まっったく意味がわからんのだが、、、「わからないこと」を否定しない切り口で説いてくれるので助かる。

  • 詩の分からない人間への愚痴?

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著者プロフィール

渡邊十絲子(わたなべ としこ)
1964年東京生まれ。早稲田大学文学部文芸科在学中、鈴木志郎康ゼミで詩を書きはじめる。卒業制作の詩集で小野梓記念芸術賞受賞。詩集『Fの残響』『千年の祈り』(以上、河出書房新社)、『真夏、まぼろしの日没』(書肆山田)。書評集『新書七十五番勝負』(本の雑誌社)。エッセイ集『兼業詩人ワタナベの腹黒志願』(ポプラ社)。ことばによる自己表現の入門書『ことばを深呼吸』(川口晴美との共著、東京書籍)。本を読み書評を書くこと、スポーツ観戦、公営ギャンブルに人生の時間と情熱をささげる。月刊専門誌「競艇マクール」のコラムは連載14年め。

「2013年 『今を生きるための現代詩』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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