- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062937160
作品紹介・あらすじ
慶長五年九月十五日(一六〇〇年十月二十一日)。天下分け目の関ヶ原の戦いが勃発。人気作家が散陣、話題の競作長編ついに文庫化。
感想・レビュー・書評
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『決戦!関ヶ原』
誰もが知る関ヶ原の戦い。
4時間で決着がつき、そして最後の西軍 島津が退陣するまでが8時間。
●読みどころ
1.関ヶ原
家康と三成。
戦い前に密談あり。
互いの狙いは何か?
2.戦終えての三成
「勝者はいない。
徳川も豊臣もそして毛利も、さらに私三成も全員
敗者なり。」
その意図とは?
3.織田信長弟 長益。兄に囚われた人生
武勲無しの武将。
最初で最後に近い戦いは家康方で。
千利休の弟子であった長益。
戦場で何を思えたか?
4.島津義弘
66歳。西軍の敗北が決まり、1500の兵で家康の
本陣3万人に向かう。
「己の魂と引きかえに敵をうつ。」
●歴史好きではない私
一人一人の武将を一人称で展開をする描写。
それが臨場感をさらに駆り立てる。
関ヶ原。
舞台はひとつなれど、武将の想いは千差万別なり。
想いのうらには、それまでの人生の曲折がある。
兵どもの夢の跡。
いまから約400年前に存在した史実には、まだまだ知らない物語がある。
#読書好きなひとと繋がりたい
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オムニバス『決戦シリーズ』から『関ケ原』。徳川家康、可児才蔵、織田有楽斎、宇喜多秀家、島津義弘、小早川秀秋、石田三成を伊東潤、上田秀人、葉室麟らが描く。なかでも、好んで信長の弟に生まれたわけではない有楽斎が境遇や環境に規定される悲哀、偉大な父を持った二世の辛さと闘い続けた宇喜多秀家に想いを馳せる。裏切り者という印象しかなかった小早川秀秋が抱え続けた「生き延びるために、凡愚に徹する」生き方と最後の選択のふり幅に、知り、感じることの興を覚える。生か死か、奥歯噛み締め、それぞれに闘い続けた武将の姿に心震える。
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歴史小説は好きでこれは面白いと思って読んだが期待通りであった。7人の上手い書き手による人物ごとの短編である。それぞれが書き込まれているので、短編集にありがちな薄さ物足らなさはなかった。
書き手の取り上げ方によって史実の見方を変えている所も興味深い。一番は「怪僧恵瓊」だった。
このシリーズは追っかけたい。 -
まあまあ面白い。幸村を討てと並行して読んでたからより面白いのと紛らわしくなったのと両方。
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関ヶ原の合戦をさまざまな人物の視点から描いたアンソロジー。それぞれの物語が最後に繋がるのかと思っていたけれど、結局は完全に独立したままだったのが少し残念ですが、短編程度の文章量で立場を変えて見ることができるのは興味深い。
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同時刻で起こったことが、様々な作家からの視点で、書かれている。もっと立体的になるかと期待して読んだ。新しい説での展開は良いが、ちょっとしっくりこない印象であった。
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関ヶ原の戦いを7人の武将の視点から、7人の小説家が描いたオムニバス短編。一つの事件でも、異なる立場から見たら別々の物語になる。ということを感じさせてくれる。
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先に「決戦!関ケ原2」を読んでしまったので、こちらも。
今回は徳川家康(伊東潤)、可児才蔵(吉川永青)、織田有楽斎(天野純希)、宇喜多秀家(上田秀人)、島津義弘(矢野隆)、小早川秀秋(沖方丁)、石田三成(葉室麟)。
2を読んだ時も感じたが、この戦いほど様々な思惑が交錯した戦いもないように思える。裏切りや傍観や致したかなく、という気持ちで参戦する者、戦いが終わった途端に保身や論功行賞に走る者、純粋に戦うことを突き詰める者、自分自身でなく自分の国をどう守るかに徹する者…。
この戦いでの勝者と敗者ははっきりとあるものの、その後の人生や評価、あるいは自分自身が顧みての勝者と敗者はそれぞれで、何が勝ちで何が負けかは分からない。
それらを七人の作家人が七様に描いてくれたのでどれも面白かった。
個人的には安国寺恵瓊も面白そうな人物で、その後に別の人物像で描いてもらえないだろうかとも思った。
この中では織田有楽斎や宇喜多秀家、小早川秀秋は面白かった。 -
おもしろすぎた
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ありえないとも言い切れない設定、前提が面白い連作だった。冲方丁目当てで読んだが、どれも読み応え十分だった。