終わった人 (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062938761

感想・レビュー・書評

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  • 定年退職後の男の心の揺れ動き。『終わった人』なのかそうじゃない第2の人生の人なのか。ジムに通うジジババたちを馬鹿にしたり、あぁはなりたくないと思ってみたり、惨めになってみたり……人生って色々だなぁと思った。

  • 正月休み、じいちゃんちにいる間に読む本ではなかった。

    著者は、再生の物語と言っていますが。私は、何か、ジーンと寂しさを感じた。
    「若い頃に秀才であろうとなかろうと、美人であろうとなかろうと、一流企業に勤務しようとしまいと、人間の着地点って大差ないのね」

    どうなんだろうか、どうなんだろう。ずっと考えていた。

  • 自分は現役バリバリ世代だから、主人公の気持ちを推し量るのは難しい
    小説が故に波瀾万丈な退職後の人生になっている

  • Kindle Unlimitedでなんとなく読んでみたものの、凄く引き込まれて一気読み

    メガバンクでエリート行員としてサラリーマンとしての誇りを持って生きてきた主人公の退職後の人生から「生き方」とは?「生き甲斐」とは?というテーマが浮き彫りにされている

    読みやすい中で考えられる作品で、作中の心打たれるフレーズを幾つもメモしてしまった

    主人公は退職後、サラリーマン時代の思い出に勝てず苦しむが、ただの退職のみならず介護など自分自身が要因でない、のっぴきならない事情から終わった人になった友人の話なども他人事ではなく、胸が苦しくなった

    内館牧子さんが還暦を迎え、参加した同窓会でどんな秀才もエリートも「着地点は変わらない」ということに気付いて書かれたのが本作、実際に周りに終わった人が増えてきた著者の言葉は重みがあり、自分自身の会社員人生や生き甲斐について考え直すきっかけとなる一冊だった

  • 東大法科→メガバンクとエリート街道を進んできた主人公だったが、出世コースから外れた子会社の役員として定年を終えた日からのお話。
    読んでてめちゃくちゃ切なくなリました…。鬱々とした日々からの挽回からのどん底…からの小浮上。あんまり出番ないですが、主人公のお母さんが1番好きかも。65歳の息子の帰省でご飯を作ってあげるおばあちゃん。故郷に帰るところだけは心が温まりました。

  • どんな働き方をしていても、派遣でも契約でも正社員でも終わりが来る。一つの繋がりがなくなることに未練や寂しさ。満足のある場所でなくても無くなって次がないことの不安。 でもここまでしがみつきたく無いって思う。自分が定年後に働きたいと思わないためなのか。

  • 名作。
    定年を迎える年代が共感出来る作品。
    夫婦の多様化。離婚しなくても卒婚、別居する方法もある。60過ぎたら、無理せずやりたい事をすればいい。
    男女、年代が異なる人物の心情を作者は表わしており、すごい。

  • 今までにあまり読んだことがないタイプの本だった。
    なんというか、老後のことについて書かれている本だったから私には実感が湧かずに、なにか空想のような気がしてしまった。

    老後が恐ろしい

  • 引退後の余生は重圧から解放され、ゆっくりとした余生を歩みたいと思っている30代半ばです。
    実際、自分の定年を迎えると主人公のような空虚感を感じる可能性はあると感じた。仕事でしっかりやり遂げた(成仏)といえるほど、現役時代を頑張ろうと思った。

  • 20年以上先の事だけど、ソフトランディングの準備をされずに、準備する側になりたい。
    もちろん自分の準備も忘れずに。

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著者プロフィール

1948年秋田市生まれの東京育ち。武蔵野美術大学卒業。1988年脚本家としてデビュー。テレビドラマの脚本に「ひらり」(1993年第1回橋田壽賀子賞)、「毛利元就」(1997年NHK大河ドラマ)、「塀の中の中学校」(2011年第51回モンテカルロテレビ祭テレビフィルム部門最優秀作品賞およびモナコ赤十字賞)、「小さな神たちの祭り」(2021年アジアテレビジョンアワード最優秀作品賞)など多数。1995年には日本作詩大賞(唄:小林旭/腕に虹だけ)に入賞するなど幅広く活躍し、著書に映画化された小説『終わった人』や『すぐ死ぬんだから』『老害の人』、エッセイ『別れてよかった』など多数がある。元横綱審議委員で、2003年に大相撲研究のため東北大学大学院入学、2006年修了。その後も研究を続けている。2019年、旭日双光章受章。

「2023年 『今度生まれたら』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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