スモールワールズ

著者 :
  • 講談社
3.87
  • (788)
  • (1403)
  • (884)
  • (132)
  • (25)
本棚登録 : 12278
感想 : 1127
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065222690

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 一穂ミチさん,初めて読みました。
    次が気になり一気読みでした。

    何だろう!この盛り沢山な短編集。
    同じ作家さんとは思えないような話のバリエーション…でありながら、どの話も心の入り込み方に一穂ミチさんワールドを感じました。

    1話の最後にちょろっと出てくるトラックの運転手さん、2話の最後の10ヶ月の赤ちゃんのニュース、
    先生の勤務高校の定時制…など、繋がりを感じつつ、最後の話からのネオンテトラ…後輩って…

    なるほど…と思いつつも,読みの浅い自分なので、他の話の繋がりなど、まだまだ見落としがあるのではないかと…
    是非教えてください。

    伏線も面白いですが、一つ一つの話の構成や構想にワクワクして次はどんな話?と、どんどん読み進んでしまいました。
    場面場面の人物の思いなどに共感したり、ハッとさせられたり…いろんな思いも楽しませてもらいました。

  • 魔王の帰還のようなスカッとしたお話しは大好き。
    ピクニックはジワジワと怖さが…
    ネオンテトラのような話しは嫌いではないけれど、共感は全くできないなぁなどなど思ってはいましたが、全体的には好きな一冊です。読めて良かった!

  • タイトル通り、小さな世界のマイノリティの話。 6話の短編集からなっている。
    はじめの3話が少し暗くて怖い話だったので、気分が乗らなかったけど、後半の3話が自分の胸には響いて泣けた。不妊治療中の妻と帰れない青年(ネオンテトラ)、不器用な姉と弟(魔王の帰還)、赤ちゃんができた娘とその母(ピクニック)、犯罪者と被害者家族(花うた)、トランスジェンダーの娘と父(愛を適量)、お互い独りぼっちの先輩と後輩(式日)。
    特に[花うた]が自分には良かった。
    どうしようもない日常でも、魔が差しそうな時でもふとしたことや、誰かのちょっとした親切で人を救うことができるのだと感じる。
    そういう連鎖が広がっていけばいいのにと思っている。

  • 色々と衝撃を受けた短編集だった。
    スカッと爽快な話やゾッとする話、切ない話、感動して涙が止まらない話など、まるで同じ作者が書いてないんじゃないかと思うほどバラエティ豊かだった。
    特に好きなのは、ネオンテトラと魔王の帰還。
    ネオンテトラは、話の雰囲気が静かで好き。最後の展開も驚いた。
    魔王の帰還は、スカッとしてて爽快で明るくて好き。お姉さんの性格がすごくいいなと思う。
    なにより、短編一つ一つが繋がってて面白かった!

  • 6つの短編集ですが、少しずつ前作との繋がりがあり、ひとつ読み進めるごとに前のページに戻って確認する作業を繰り返しました。(これが自分には新鮮で楽しかったです。)
    最後の式日を途中まで読んで後輩の正体に気づき、読み終えてからまた1話のネオンテトラを読んでやるせなさに浸り、そのまま2週目に突入。
    何気ない日常が小さな世界の中のどこかで繋がっている…もどかしさを抱えながらも人間の弱さや汚さ、様々なものが混ざりあって今日を生きていく姿が良いなと感じました。

  • どなたかの本棚で見つけ、即図書館予約
    「本屋大賞」にノミネートされたのですね。
    納得です

    少しずつつながった短編6篇
    初めての作家さん
    いや、すごいわ
    読むのをやめられなかったもの

    軽いタッチの表現にもとても深みがあってググっと刺さる
    えっ!と思わせるラストもあって

    また読みたいです
    一穂ミチさん、応援します

    ≪ ままならぬ 現実だけど 愛適量 ≫

  • 6つの短編小説。
    一つ一つまったく違う話で飽きずに読めました。
    さらーっと読めてしまって、あまり印象が残らなかったですが、ネオンテトラを少しずつトイレに流したという一文だけ、恐ろしく頭に残っています。
    それはしたらダメ。

  • 短編集は普段ほとんど読まないので、新鮮。
    集中力が続いたまま一つの話を読み切れるのが短編集の魅力。

    ネオンテトラ
    登場人物がみんな好きじゃない。共感できない。淀んだ空気感を感じながら読んだ。みんなが本音をぶつけ合わずに絶妙に負のエネルギーを与え合いながら接していて。。みおちゃんがまっとうに育つとは到底思えない。

    魔王の帰還
    大好きなお話。数箇所声に出して笑った。お姉さんのキャラ、弟の的確なツッコミ、そんな姉弟と自然に打ち解けていく素直で聡明な菜々子。
    お姉さんは本当に最高。そんな姉を心の底では誇りに思っている弟も素敵。心に傷を負った菜々子がこの姉弟に出逢えて本当によかったねと思った。
    お姉さんの悲しい秘密も、愛に溢れてる。
    裏表がない信念のある人って本当に気持ちがいい。
    大多数からは個性的な外見で判断されるかもしれないけど、お姉さんの本当の魅力をちゃんと解ってくれる人がいることに嬉しくなってしまう。

    ピクニック
    ぞぞーっとした。誰目線の語り口なんだろう?目線があちこちに変わるなぁと、もやっとしながら読み進めていたら、終盤に真相が明らかに。どうか悲劇が繰り返されませんように。。

    花うた
    最後にもう一段階、種明かしのようなものがあるかと思って読み進めたけど、私の理解力では読み解けなかった。
    秋生が書いた物語の意味するもの。
    深雪の本心(兄の束縛に苦しんでいたから、兄の死によって、そこから解放された、ということ?)

    愛を適量
    比較的ハッピーエンドかな
    モヤモヤが残らず過去に埋め込んできた問題を解決できた感じで終わったのが良かった

    式日
    なるほど。繋がった。
    親の弱さが悲劇を生むんだな、と痛感。
    先輩と後輩の関係性がいいな、と思う。

    文章の中にハッとさせられる的確な表現があって、秀逸なワードセンスと表現力に感服しました。

  • 一穂ミチさんの作品は初めて。読後感はざわざわするものから、涙が出そうなほど温かいものもあり、満足感のある短編集でした。一章のネオンテトラから衝撃の展開。これを1番初めに置くところがいいな。一番を決められないくらい、全部面白かった!章ごとの登場人物がうっすらリンクしていたのも好きな点でした。

  • 【収録作品】ネオンテトラ/魔王の帰還/ピクニック/花うた/愛を適量/式日

    「ネオンテトラ」「ピクニック」は怖い。「魔王の帰還」は姉のキャラがいい。「花うた」は難しいが、外野が何かをいうのは違う気がする。「愛を適量」の父親は情けないが憎めない。

全1127件中 81 - 90件を表示

著者プロフィール

2007年作家デビュー。以後主にBL作品を執筆。「イエスかノーか半分か」シリーズは20年にアニメ映画化もされている。21年、一般文芸初の単行本『スモールワールズ』が直木賞候補、山田風太郎賞候補に。同書収録の短編「ピクニック」は日本推理作家協会賞短編部門候補になる。著書に『パラソルでパラシュート』『砂嵐に星屑』『光のとこにいてね』など。

一穂ミチの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×