- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065224465
作品紹介・あらすじ
富豪の若きひとり娘が自動車事故で不審死して3ヵ月、彼女の遊び仲間だった男女4人が、遺族の手で地下シェルターに閉じ込められた! あの事故の真相は何だったのか? 4人が死にものぐるいで脱出を試みながら推理した意外極まる結末。極限状況の密室で謎を解明する異色傑作推理長編。
感想・レビュー・書評
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本格ミステリー
核シェルターに閉じ込められ、脱出しながら以前起きた殺人事件を考察するお話
真相には驚かされたが、如何せん登場人物の行動や心情を共感できず、結末は消化不良
2021年電子書籍発刊とあるが、新装版で初版は1987年
携帯がないため古臭く、読みながらツッコミを入れてたが
なるほど‥ 時代背景が重要なことを学ぶ
だが、
カロリーメイトは非常食
アルファロメオは富豪ステータス
これは今でも変わらないことにブランド力の凄さを感じた
琴線メモ
■歴史は、夜、作られるの詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
人間性描写が強烈! シェルターに閉じ込められた四人が猜疑心の渦に巻き込まれる #そして扉が閉ざされた
気が付くと核シェルターに閉じ込められてしまった四人の若い男女。密閉空間で脱出を試みるも困難を極めていく。そんな中、過去の殺人疑惑を追及するメッセージが見つかり、四人は疑心暗鬼の闇に陥っていく。
1987年にこの舞台設定ですからね、相変わらず作者の発想がスゴイよ。
核シェルターという窮屈な環境で、人格まるだしで議論する展開、描写はお見事。登場人物たちがいがみ合う様がリアルで強烈でした。
結末もシンプルかつ切れ味鋭く、ミステリーとしても一級品でした。
構成ですが過去の出来事を語り部だけで進めるようにしたのは、あえて密閉空間で議論に臨場感を加えるためですかね。自分としては過去の出来事は現場の描写で話を進めるほうが、読者に伝わりやすく第三者視点で情報も含められるので、さらに面白みを高められるのではないかなーと思いました。
しかし本作は大変良質なミステリーで、大きな画面転換もないので、ぜひ舞台で拝見したい。必ず見に行くので、どなたか演出と芝居をやっていただけないかしらっ -
シェルターに閉じ込められた男女4人が事件の真相に
迫って行く様を丁寧に描いていた。
登場人物も少なく、基本的にシェルターのみ、
それでも中弛みせず、通して面白い。 -
本格ミステリとしては論理的で緻密。複数の伏線をしっかりと見極める事で、真相に辿り着くことができるようになっている。
本格ミステリ好きとしては、たまらない作品となっているだろう。
ただし、登場人物たちが、全く魅力的ではない。もう全員嫌いといっていいくらい。
真相を見極めるために読み進めたいのに、登場人物たちの性格が邪魔をして読み進められない。個人的に、読者として事件の謎を解くための一番の障害が、登場人物たちだった。
読後は真相が分かったスッキリ感と、やっとこれで彼らの話を聞かなくていいという解放感で、複雑な感覚があった。 -
’21年8月1日、読了。岡嶋二人さんの小説、初です。
長く積読状態でしたが…ようやく読みました。いやぁ、面白かった!素晴らしい!
閉ざされた空間での、サスペンスフルな展開、謎解きの醍醐味、論理的思考…何処から見ても、一級品!と感じました。’87年刊行、とありましたので…30年以上前の小説、という事ですよね?凄い!まあ、古い?ミステリーが現代ミステリーに劣っている訳では、もちろんありませんが。映画にしたら、とても面白そう!ひょっとして、知らないだけで、既に映画化されてたりして( ・ั﹏・ั)
巻末の島田荘司さんの「本格推理小説論」、読んでないです。少し落ち着いたら、読んでみようかな。
岡島二人さん(お二人の共著、らしいですね)の他の小説も、是非読んでみたい! -
30年以上前の作品の新装版。
著者の作品中屈指の本格推理との謳い文句。
登場人物は、核シェルターに閉じ込められた4人。警察は自殺と見做したが、母親は娘は殺されたのだと疑う。
この4人の内の誰が犯人かを暴くために仕掛けた密室。
4人で密室からの脱出を試みながら、お互いを疑い牽制しあう。
本当に娘は殺されたのか、ならば犯人はいったい誰なのか。
通信手段を絶たれた密室がほぼすべての舞台であるゆえか、少しも古さを感じさせない。トリックというか、著者の仕掛けに思わず・・・。 -
富豪の一人娘・咲子が、別荘で不審な事故死を遂げた。そこで彼女と一緒に過ごしていた遊び仲間の四人。彼ら男女四人は娘の事故死を疑う母によって核シェルターに閉じ込められてしまう。脱出を試みる中、事故の真相に迫るべく推理を始めるが──。
この作品が30年以上前に書かれたというのが驚き!最近書かれたと言われても気づかない。「閉じ込められた核シェルターからの脱出」というサバイバルとしての緊張感。そこに「事故死を考え直す」という疑心暗鬼を誘う推理劇としての緊張感が加わる。真相とともに人間関係が曝け出されていくのが生々しい。
主人公視点は咲子の恋人だった雄一。ワガママ放題だった咲子と別れたい。そこに現れた鮎子に一目惚れ。しかし、鮎子には正志(ただし)という婚約者がいた!これで波風立たない方がおかしい。別荘で何が起きていたのか。それぞれが語る記憶の断片。どの場所よりも安全な核シェルターの中で、人間同士が感情の火花を散らすのは滑稽だった。
場を閉ざしたことで心が開かれるという皮肉。意外な真相と思いがけない解決となったラストも、その裏ではおぞましい人間臭さで満ちている。描写はあっさりしてたけど、あれには深い意味はないってことだよね?でも、この後に別の悲劇が起きそうではある…。相手を想う気持ち。その連鎖が生んだ歪な現実。この扉は閉ざされたままでよかったんじゃないかなあと少し思ってしまう。それにしても、咲子の母の執念がすごい。大人四人をシェルターに運ぶのしんどすぎる。金田一少年の事件簿の犯人くらい努力してる。 -
おもしろかった
シェルターという狭い空間で物語が進むだけなのに
オチも予想してないものだった