老虎残夢

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 629
感想 : 69
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  • Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065245620

感想・レビュー・書評

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  • 武侠小説×本格ミステリという変わり種。
    武侠ならではの常人離れした能力がミステリに持ち込まれる事による化学反応は楽しく、読んでいて飽きさせなかったが、今ひとつ盛り上がりに欠けたのも事実だった。
    登場人物はキャラが立っていてとても良かった。

  • 女性同性愛としてよりも、師匠の娘とくっつくってのが近親相姦的にアウト…っていうの、新鮮だな

  • 劉慈欣『三体』でも思ったけれど、中国ものは読み進んでいくと登場人物の名前の読み方が分からなくなってしまって混乱するので苦手なのだけれど、その割にはスルスルと読み進められた点はプラスポイント。事件の解決に向けて丁寧に推理を進めていく姿勢も好印象。悪くはないのだけれど、ただ、貫井さんの選評にもあるように、真相がびっくりさせられるほどではなく、若干物足りない感じ。

  • 武侠小説好きなんですが、最近なかなかないので設定だけで楽しく読み始められました。
    師匠である泰隆が殺され、現場は湖の中心の塔。渡し舟は塔の側に。この辺は通常のミステリですが、湖を渡れたり雪に足跡をつけずに歩けたり毒を自力で解毒できたりという武術というか仙術みたいなものが加わることで世界観が楽しく。特殊設定ミステリの範疇になるんですね。
    という感じで世界観はとても楽しく読んだんですが、ラストがちょっとさっぱりしすぎかなあ、と。それまでの展開に比べると地味に終わってしまった印象。前半から中盤の盛り上がりはよかったんだけどなあ。

  • 第67回江戸川乱歩賞受賞作。

    南宋末期の孤島密室殺人ミステリー。
    時代背景も謎解きのカギとなっているし、いくつかの伏線もうまく張り巡らされていました。
    登場人物が少ないので、個性の書き分けもできていて、読みやすく、ラストまでは混乱なくスムーズに読めました。
    残念なのはラストの真相で、複雑な伏線回収やどんでん返しも盛り込むために一気果敢な真相説明を租借しきれませんでした。
    ただ、本格的なミステリーとして論理的な真相究明となっていて、大きな破綻もなく納得できました。

  • 世界観が美しい。
    凄く面白かったし、読みやすかった。
    ミステリーというより上品なラノベって感覚。
    (ラノベの中にミステリーもあるんだけどもね。イメージの話)
    もちろんミステリーとしても完成されていて、問題解決の道筋はなかなか美しい。
    ただちょっと展開読みやすいからミステリーにたまにある最後のえげつないまさかの展開の興奮はない。
    あと関係ないけど本のジャケットが材質なのか汚れやすい。



  • 設定や人間模様が面白かったです。

  • 江戸川乱歩賞受賞と綺麗な表紙に惹かれて購入。
    武道の達人が奥義の伝承の為、3人の弟子を呼び寄せるが翌朝遺体が発見される。毒殺?刺殺?他殺?自殺?最後まで結果がわからない展開と設定のオリジナリティが特徴のサスペンス。

  • ときは宋の時代、容疑者のほとんどは武術家、主人公は百合。という中々ぶっとんだ設定に、冒頭は疑問符ばかりで読み始めたが、次第に惹き込まれていった。
    本格ミステリだとはいえないかもしれないが、そう思わせるのは世界観の説得力だと思う。面白かった。

  • 巻末で審査員の先生方の選評を読んでしまうと、「あ~なるほどねぇ」と自分の書評をあっさり見失ってしまう。武侠小説とかいうジャンルのミステリー、でもって時代に即して性の多様性も盛り込んである。娯楽性はなかなかで、漢詩はワケわかんないけど、ラノベ調でファンタジー要素があるから読みやすい。軽快にページをめくっていく。ただ、かなりの武道の遣い手がそろってるのに、口論多くて戦闘が少ない。喧嘩のレベルで終わる。ミステリー的には、ん?、まあ誰も悪モノにできんよなと思うけど。というか、結局最後は皆さんはどうなっちゃったの?

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著者プロフィール

1980年、京都府生まれ。帝塚山大学大学院法政策研究科世界経済法制専攻修了。南宋を舞台にした武侠小説『老虎残夢』で第67回江戸川乱歩賞を受賞し、デビュー。筆名は、敬愛するアメリカの伝説的ギタリスト、フランク・ザッパからとった。

「2023年 『星くずの殺人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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