凜として弓を引く (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065257074

感想・レビュー・書評

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  • 高校入学を前に、名古屋から東京に引っ越してきた矢口楓は、散歩中に通りかかった神社の境内の弓道場で弓を射る人たちを見かけ、弓道の体験教室に通うことになる。

    ティーンズ向けの小説だけど、主人公の、高校生らしいふてくされたところや素直なところが愛らしかった。弓道についても、丁寧に説明されていたので、想像が膨らんで面白かった。

  • 神社の弓道場に迷い込んだ新女子高生。いつしか弓道に囚われた彼女が見つけたものとは。

  • 高校入学と同時に出会った「弓道」 
    部活とは違う地元の「弓道会」では、老若男女との出会いがある。 
    ろくに挨拶の所作も出来なかった初心者から初段に合格するまで、さまざまな人たちの助力を受けつつ成長を果たした主人公「矢口楓」が清々しい。 
    弓道。やってみたくなった。

  • 「書店ガール」が好きで作者さん買い。
    たくさん登場人物が出てきて最初はやや混乱したものの、全員を書き分けてるのはさすが。映像化しそうというか、読んでいて容易に画が浮かびます。

    主人公の女子高生、楓ちゃんは本当にごくごく普通の女の子。それだけに、ティーンの頃に読んだらすごく共感できたと思う。おばちゃんになってしまった今はもうちょっと成長してくれ〜とやや物足りないかな。弓道は未知の世界なので細かいあれこれがとても興味深かった。モローさんがハマったアニメ(ツルネ?)も観てみたい笑

    そして買った時点でシリーズと謳ってあったので続きが出るのかなと思っていたら、もう出てる!
    次も読みます。

  • 弓道会で弓道を始めた女子高生のお話

    名古屋から引っ越してきたばかりの高校入学前に、ふと神社に立ち寄った楓は、隣の弓道場から聞こえてくる弦音に惹かれる
    弓道を始める気はなかったが、暇を持て余していたこともあり体験入会、そして高校入学後も体験入会で知り合った同級生に連れられて正式に入会する事に
    最初は礼や歩き方などを注意されることに反感や疑問を思えていたが、弓道を通じて少しづつ精神的な成長をしていく楓


    的前に立つまでの道のり
    弓道を続けるモチベーション
    昇段試験の特異性
    弓道会のジュニアの乙矢と善美の兄妹は何を隠しているのか?
    弓道場の移転問題
    等など

    楓が初心者なので、弓道を全く知らない人でも入りやすい
    弓道の各種用語、単なる競技ではない「道」としての側面
    他者との比較ではなく、己の成長との向き合い方

    前田さんに対して楓は最初は苦手意識を持っているけど、個人的には前田さんに対して同意したかな
    まぁ、私はやったこともないのに弓道の情報をいくつか知ってますからね
    「凛の弦音」の感想でも書いたけど、アニメ「ツルネ」、川原泉「バーナム効果であるあるがある」収録の「これから私は武士になる」、米澤穂信「さよなら妖精」とかを見たり読んでたり
    その程度なわりに射法八節をそらで言えたり、正射必中とかの理念を知っていたり、的の高さを水を入れたホースで確認したりするといった妙な知識は知っていたりする謎
    モローさんの観たアニメというのも「ツルネ」なんだろうなぁと思う

    道は人生を通して求めるもの
    良い道具を持っていれば歳を取ってからも戻ってこられるという考えも「凛の弦音」と共通点がある
    まぁ、同じ弓道というものを扱っているから同じような主張になるのも仕方がないでしょうねぇ


    指導者の方々について
    前田さんは前述の通り、個人的には最初からネガティブな印象はない

    国枝は初段しか取ってなくて弓道会の中で一番上手いというのが特異な存在
    試合や段という比較を必要とせず、ただただ弓を引くという事に対して向き合うのは正に弓道を体現しているのではなかろうか?

    続編も買ってあるので、続けて読む

  • 春休みの偶然の出会いが高校への入学を控えた少女・矢口楓を『弓道』の世界へと誘う物語。人見知りの楓が同年代の少年少女だけでなく、年齢も立場も違う大人たちとの交流を経て成長していく姿が眩しく映りました。「好き」って行動力の源ですよね。また、弓道のことが丁寧に説明されていて未経験者にもわかりやすく、「弓道は楽しい」ということがひしひしと感じられるのも良かった。とても素敵な青春エンターテインメント小説でした。帯には”新シリーズ”とあるので、続編を楽しみにしています。

  • 何とも微笑ましい青春小説。身の丈、等身大、ひたむき。

  • 続くかな?
    ま、表紙が良かった。
    主人公の身長が168cmとか、背高だ。

  • 私が以前住んでいた近くにも弓道場があり、「かっこいいなぁ」と思っていました。一見すると難しかったり面倒に感じることもその意味を知るとまた違って見える。高校生の楓を通して弓道の魅力を教えられました。善美が楓を気に入ってるのはわかるけど、その気持ちに至った経緯も知りたかった。

  • タイトルとカバーの絵が良かったので読んでみたが、期待していた以上に良かった。
    市民レベルであっても弓道の凛とした世界が人見知りの女子高生を大きく成長させるストーリーが素直に良かった。
    「丹田に意識をおくと、上半身のほかの部分の力は自然に抜けるでしょう」と主人公が指導を受けるが、ゴルフにも通じるように思う。弓道の奥深さのようなものもこの小説は描いている。

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著者プロフィール

愛知県生まれ。東京学芸大学教育学部卒業。フリーライター、出版社勤務を経て、2006年『辞めない理由』で作家デビュー。大人気シリーズ作品「書店ガール」は2014年度の静岡書店大賞「映像化したい文庫部門」を受賞し、翌年「戦う!書店ガール」としてテレビドラマ化され、2016年度吉川英治文庫賞にもノミネートされた。他の著作に「銀盤のトレース」シリーズ、「菜の花食堂のささやかな事件簿」シリーズ、『スケートボーイズ』『1939年のアロハシャツ』『書店員と二つの罪』『駒子さんは出世なんてしたくなかった』『跳べ、栄光のクワド』などがある。

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