異人館画廊 透明な絵と堕天使の誘惑 (集英社オレンジ文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 38
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086802895

作品紹介・あらすじ

大ヒット『異人館画廊』シリーズ、待望の第6弾!!

千景の元に
「僕が誰だかわかるかい? 僕たちは運命の糸で結ばれている。――もうすぐ僕は、絵を完成させる。見た人を不幸にする絵だ……」
と脅迫めいた手紙が届いた。
早速、調査に乗り出すキューブのメンバーたち。
プラチナミューズの矢神が関わる可能性も浮上し、謎は更に深まって……。
消えた図像術の研究者、有名な心霊スポット「切山荘」、四つの絵……点と点が線となり、やがて千景の過去へと繋がっていく。
誘われるように、自らの失った記憶に向き合おうとする千景を透磨は案じ、守ろうと二人の距離は近付いて――!?

1 心霊スポット
2 消える絵
3 ストリートパフォーマンス
4 過去からの断片
5 四神と怪物
6 魔が集う夜に

感想・レビュー・書評

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  • 千景の元に届いた脅迫めいた手紙。プラチナミューズの矢神が関わると何やら怪しいにおいがプンプンする。

    今回は千景が怪しい集団に連れていかれる?物理的な誘拐というよりは勧誘。千景は図像術の研究者である前に、図像術を描くことができた希少な存在?透魔を救った幼い千景の思い。図像術を悪用するのは嫌だな。どこの世界にもいるけれど。でも、そんな術で現在の紛争とかが収まるのであれば、それもいいかも。

  • 千景が失った記憶…誘拐事件の真相についにたどりつく。
    千景が選択した未来は、図像術の研究者として正しいと思う。
    透磨への思いにも少しずつ気づきながら、事件の真相とともに見てみぬふりをする千景だけど、二人の関係が近づきつつ、穏やかな間柄になりつつある。
    そこに、図像術のことが、影響しないことを祈るのみ。

    シリーズも終盤かな?と思う。
    二人の関係に図像術が不穏な影を落としそうで怖いが、ハッピーエンドに向かってほしい。

  • シリーズ六作目。
    千景の失われた過去の記憶にも関わり、透磨との関係も進展がある第六弾。
    千景が少しずつ人間味が出てきていた。

  • 6巻目まで読了。ずっと通して千景が子供っぽくてあまり好きになれないまま。
    透磨も千景を刺激しないようにか抑えた感じで付き合ってて、なにか物足りない印象。話全体もちょっと堅苦しいので、もうちょっと柔らかさがあると嬉しい。

  • 改めて表紙見てみたら、この巻で初めて手をつないでるんですね。
    ついに過去の誘拐事件の真相が明らかになる巻です。次の展開が楽しみではありますが、このお話はどこに行きつくんだろう。

  • シリーズ6作目。ついに千景の誘拐事件の真相が明らかになる。
    千景のもとに届いた不審な手紙と、見たら呪われるという心霊スポットに描かれた絵。調査を始めた千景と透磨の前に、千景の過去を知る人物が現れる。

    誘拐事件の時に千景と出会ったという真柴。特殊な能力を持つために周囲に理解されず、同じように孤独を感じて生きてきた2人だけど、選んだ道は正反対のもの。その違いは千景には愛してくれる祖父母や信頼できるキューブの仲間がいたのに対し、真柴にはその力を利用しようとする人間しかいなかったからか。
    自分が図像術を描き、人を傷つけたかも知れないという思いに慄きながらも、透磨を守るために過去と向き合おうとする千景はシリーズ当初とは別人のようにしなやかな強さを身に付けている。

    誘拐事件の真相が明らかになり、千景の記憶も戻り、2人の関係にも変化が訪れたので、これでシリーズ完結でもいい気はするけれど、まだ続くのかな。

  • 幼い頃に誘拐され、記憶の一部を失った少女、千景。
    その彼女の記憶が、少しずつ戻ってくる。
    彼女を誘拐した人の姿、父親の姿がだんだん明らかになってくる。
    それは果たしていいことなのか。
    記憶が戻るにつれ、千景は恐怖と向き合わざるを得なくなる。
    自分自身が誰かを傷つけてしまったのではないか、図像術が誰かを不幸にしてしまったのではないか。
    その恐怖と、知らないでいる喪失感と、彼女はどちらを選ぶのか。

    本作では「堕天使」そしてアトリビュート(持ち物)がメインの題材として出てくる。
    ウルカヌス、キュベレー、ユノ、ネプトゥーヌスと言った馴染みのない言葉も出てくるが、実は結構日本でも有名な神々を指す。
    あえてそのよく知られた言葉を使わないことで、神秘性を高めているのかもしれない。

    毎回物語は西洋絵画を題材に取っており、美術ファンにも良いのだが、絵画そのものを知っていた方が楽しめるなと思う。
    もちろん想像することの大切さ、自由さはわかっているのだけれど、絵を言葉で説明するのはとても難しくて・・・。
    素敵な挿絵の中に、アウトラインだけでも絵画を入れられたら良いなと思う。
    管理団体の権利関係などにひっかかるのだろうか・・・

    本作が終わりではない、かもしれないが終わりのような気もする。
    「完結」となっていないから、まだ解かれていない謎が解けるのを待ちながら、二人の年齢の割には幼い恋の行末も見守りたい。

  • 今作で千景の誘拐事件、カゲロウと千景、透磨の関係も解き明かされて一気に話が進んだ感じ。
    千景の父親が何を恐れ、娘を遠ざけたのかもわかったし。
    祖父と父親で千景に関して考えが違ったのか。
    とはいえ、幼い千景にしてみれば父親に自分を否定されたのは傷だし、父親の恐れる気持ちを理解してってのも難しいよなぁ。次回で第一部終了か。
    楽しみだわ。

  • ついに過去が明らかに。

  • お、ここまできたか。
    ラストに向けて一歩二本進んだ感じ。

    過去の事件が明らかになり、関係者も揃ってきた

    2022.9.17
    132

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著者プロフィール

三重県出身。『パラダイスルネッサンス楽園再生』で一九九七年度ロマン大賞佳作に入選しデビュー。「伯爵と妖精」シリーズ、ベストセラーとなった「思い出のとき修理します」シリーズ、「異人館画廊」シリーズ、『がらくた屋と月の夜話』『まよなかの青空』『あかずの扉の鍵貸します』『ふれあいサンドイッチ』など著書多数。

「2023年 『神さまのいうとおり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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