メディア・コントロール ―正義なき民主主義と国際社会 (集英社新書)

  • 集英社
3.56
  • (64)
  • (102)
  • (198)
  • (11)
  • (3)
本棚登録 : 1088
感想 : 108
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087201901

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • だからマスコミは嫌いだ。

  • チョムスキーお得意のアメリカ批判。言語学のチョムスキーだけに、9/11以後の言葉を通じたメディア権力を解読している。ものすごく納得するし、アメリカ内部からこのような知性があらわれることを評価したい。

  • 思想書なんで、推薦の☆はつけない方針で、とりあえず最初のままのみっつ。

    この人の理論は結構頷けるものが多い印象。著作を全部読んでいないので断定は出来ないけど、これは結構面白かった。

  • メディアにコントロールされ、伏せられた歴史の真実を洗い出す。メディア論というよりはアメリカ現代の批判が中心だ。

  • 前から気になってた本の一つ。ノーム・チョムスキーさんです。
    どこで僕はこの人を知ったのかよく覚えてないですけど、去年小論の授業かなんかでネタとしてあげられてた気がします。

    民主主義には2つの概念があり、ひとつは一般的にとらえられている、一般市民が自分たちの考えを社会に反映でき、情報も開かれている社会。もう一方は一般市民に彼らの問題には決して関わらせてはならず、情報も限られた一部の人(特別階級)にしか管理されないといった社会である。
    そして、現実は後者が優勢であり、この本ではそのことについて書かれています。

    後者の民主主義には、2つの「機能」があり、ひとつは特別階級による実行を行う機能である。もうひとつは、一般市民が「とまどえる群れ」として、「観客」に徹するという役割だ。たまに選挙という方法で支持表明はするがそれ以外はまったく関与しない「観客」になることが機能だと言っている。
    それを実行するために、組織的宣伝が有効に使われている。それによって「とまどえる群れ」たちに肝心なことから注意をそむけることが可能になる。彼らを決して参加者にしてはいけないのだ。また彼らはまったくそのことに気づかない。なによりすごいのが、これが自由の下で行われているということだ。財界という金も知識も労力もある相手ではこれができてしまうから恐ろしい。

    そうした組織的宣伝に対する抵抗策として平和運動などが行われ、それは権力に懐疑を持ち、確実に見極める能力を獲得してきたという啓発された証だと筆者は述べている。

    言論の統制もなく、情報も開示された時代であるにもかかわらずこうした情報の偏りが起こってしまう現実を訴えているチョムスキーさんはかっこいいです。彼は、どんなに批判されようが、脅迫状の一通を受け取ろうが気にならない、そんなものは現在抑圧されている国に比べればまったく比較にならないと言っています。自分の本が出版禁止になろうがそんな些細な抑圧では言論統制されてるとは言えないと。これくらいの覚悟がないと一国(しかもアメリカ!)の批判はしちゃいけないのかもしれませんね。

    しかし、そんな彼の意見を東大出身のマイミクゆうくんが「ただの趣味だ」と一括し、ボコボコにしていたのがとても笑えましたw一度生で対面させてみたいです。

    「とまどえる群れ」まっしぐらの僕に喝を入れてくれる本でした。「メディア・コントロール」は思った以上にサクッと読めましたが、二個目の「火星から来たジャーナリスト」は背景知識もないせいかいまいちつかめなかったです。またいつか読みなおしてみよう!
    TVばっか見てる人!一度読んでみるといいかもしれません。

  • 他の国のほうが規制されてるから何だっつーことです。アメリカにおけるメディアの歴史が垣間見られたことに★3

  • 言語学者であり活動家のノーム・チョムスキーの本。今の民主主義は、メディアにコントロールされているという観察。

  • マサチューセッツ工科大学教授であるノーム・チョムスキーが、事実をもとに現代社会を理解する方法を明快に論じた本です。アメリカには言語統制がないという事実に驚かされたと同時に、国の支配層とメディアによる巧妙な手法で、民主主義がコントロールされていることを否応なしに認識させられました。メディアによって得た情報を鵜呑みにするのではなく、真実の調査・分析を、私たち一般人が積極的に行うことの重要性を再認識しました。

  • 孤高の反戦家チョムスキー独特の言い回しに魅了される。その高い理想は他を寄せ付けないほど強烈な印象を与える。

  • 難しかったー。
    知らないことが多すぎるー。
    もう1回歴史を学びなおしたくなった!

    うん、でもとりあえず
    火星人の所は本当に客観的な視点からの話なんだよね。
    いつ間にか情報は刷り込まれてて、
    それが当たり前だと思ってた自分が怖くなった。

    いろんな立場からの視点を見せてもらった気がする。
    皮肉的だけど政府の立場からものを言ってるところは、
    メディアを志すものとして読んでて段々切なくなった。
    こうやって使われていくのかって。

    市民は忙しい。
    けど、もう少し現状を鵜呑みにしないで
    当たり前を当たり前と思わない考えを持って欲しいと、
    考えることを実践して欲しいと思いました。

全108件中 71 - 80件を表示

著者プロフィール

ノーム・チョムスキー(著) 1928年生。言語学者、批評家、活動家。アリゾナ大学言語学栄誉教授。『統辞構造論』(1957年)において言語学に「チョムスキー革命」をもたらし、その後も生成文法研究の発展を牽引し続けた。エドワード・ハーマンとの共著『マニュファクチャリング・コンセント』(1988年)では自由民主主義社会における思想統制のメカニズムを分析した。またベトナム反戦運動では中心的な役割を担い、それ以降も各地の独立メディアと協力して様々な草の根運動に協力し続けてきた。主に自国アメリカの国内外での強権主義に対して、アナーキズム思想と大量の歴史的資料に基づいて重厚な批判を展開している。存命中の学者としては世界で最も多く引用されている。ウェブサイト:https://chomsky.info/

「2021年 『気候危機とグローバル・グリーンニューディール』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ノーム・チョムスキーの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×