抱擁、あるいはライスには塩を 上 (集英社文庫)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087451504

感想・レビュー・書評

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  • 2015.6.20

  • 描写が細かくて、適確で、1980年代にお金持ちの子の家を訪ねた時のことを思い出せるほどだった。
    かわいそうなニジンスキー、ライスには塩を。
    ある哲学のもとで、普通とは、全く外れて育てられた子供たち。価値観の異なる家に嫁いで苦しんだ百合の辛さが切なかった。手紙まで開封されて、言葉を失うほどのショック状態を、婚家に対する抵抗だと思われてしまう。虐待をされている時ほど、自分が悪いと思ってしまうもの。

  • 読了。レビューは最終巻で。

  • 印象的なのは、(お肉などの)動物の温かな生命を、きちんとお腹に入れないと、人は心に力がつかない。精神的生命力とでもいうべきものが薄くなり、人生を愉しもうとする欲望や、血の気や活気も薄くなる。
    少しでも良いから食べることを心掛けたほうが良い。

  • 社会から弾かれるというのは、つまりこんな世界で生きることなのだろう。学校に馴染めず孤立する子どもたち。嫁ぎ先で自分を押し殺し続け、声を失った叔母。家出少女だった母。居場所と自由があり家族に守られているというのは、幸せだが実に怖いことだと思った。

  • みじめなニジンスキー
    かわいそうなアレクセイエフ

  • 「テラスごしに見る海も空も空気も、きょうもまた息がとまりそうに、白くあかるい。」
    現実の風景が想像されるようでいて、それでも物語の幻想的な雰囲気を伝えてくる、みずみずしい文章。

  • ひと家族の歴史小説。あるときは私として、あるときは家族の一員として語られる。場面転換が早いのもあって、ジェットコースターに乗ったような浮遊感。

  • 二回目を読み終えたところ。
    初回の記憶が、完全では無くなっていても、登場人物それぞれの個性は覚えている。
    そのくらい、皆すてきなキャラクター。

    時代や、場面や、語り主が章ごとに変わってゆく。様々な目線から、あるひとつの家族の物語を伺うストーリー。

    ちょっと変わった家族なので最初は違和感があるのだけど、次第にこの家族が好きになって、自分も一員のような気になってくるので不思議。

    二回目の今は、タイトルの意味を考えながらじっくりとひとつひとつのシーンを読んでいる。

  • 小学校に行かない一族って、冒頭からなんか掴まれて一気に読んだ。
    登場人物が皆魅力的。
    筆談の跡を見つけたシーン、ゾッとしたな。
    しばらく読んでなかった江國香織作品をこれを機に沢山読み返した。

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著者プロフィール

1964年、東京都生まれ。1987年「草之丞の話」で毎日新聞主催「小さな童話」大賞を受賞。2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞、2010年「真昼なのに昏い部屋」で中央公論文芸賞、2012年「犬とハモニカ」で川端康成文学賞、2015年に「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」で谷崎潤一郎賞を受賞。

「2023年 『去年の雪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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