抱擁、あるいはライスには塩を 上 (集英社文庫)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087451504

感想・レビュー・書評

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  • 百合叔母の結婚生活の章、ギュンギュンくる。子どもたちの小学校生活のくだりも。

  • なにか書きたいものや
    世の中に伝えたいことがある人は
    世界の描き方がこうも違うのかと思わされる。
    どんどん引き込まれます。
    まだほんのさわりしか読んでないけど、すごい話だと思う。
    問題提起とか、そのための世界観とか、奥深くて嫉妬する。

    ○○○○○
    物語があえて大仰に描かれているので、気づくのが遅れるが、
    具体的な西暦が設定されているので、
    卯月や陸子は私よりも少し年上なくらいの年齢だと分かると、驚きが増える。
    つまり、
    小学校に行かないなどという風変わりな習慣が、昔話ではないリアルな世界の話として描かれていることに、ハッとさせられる。
    どう考えても柳島家は、大多数から風変わりと判断されてしまうはずだけど、
    逆にその大多数は、柳島家から風変わりと捉えられている。
    やっぱりすごい話だと思う。

    ○○○○○
    ベースとなる話が進みながら
    すこし前の時代の出来事が
    一人称を入れ替えて語られて行き
    色々なことが見えてくるようになっているので、一回読むだけでは、味わいきれない出来事の深さがある。
    場面が転換するごとに、今度は誰の目線から描かれているかと、ドキドキする。


    それぞれの話が自然にそれぞれの物語としての個性ある展開を持ち、しっかりと描きこまれている。かと言えば、ここの物語の関連を説明され過ぎることもなく、それでいて過不足なく理解できる丁度良さがあり、
    登場人物だけではなく、読み手のことも尊重されているのが心地よい。
    繰り返し読んで、味わいたくなる。
    もっとこの世界に浸りこんでみたくなる。

    140308
    この、上巻ではまだ描かれてない、
    一般的には普通じゃない出来事が
    どんな風に描かれていくのか
    ものすごく楽しみ。
    卯月の誕生や、桐之輔の家出、菊乃の結婚、そして絹と竹治郎の結婚、不思議な合言葉の意味、、、
    出来事の流れだけじゃなくて、どんな風に感じて、それでもお互いを尊重しあって来れている、その愛情の在り方、
    気になることがいっぱいで、
    それが全て描かれるかは分からないけど、
    この物語のはじめの衝撃的“事件”
    小学校に行くことになったこと
    に、どんな風に行き着くのか
    ものすごく楽しみになる。

    いいことや
    わるいこと
    考え方や生き方に
    働きかけられるようで
    本当に、こんな刺激的な話はない。

    基本的には、陸子の目線から時は流れるが、
    物語の全貌が描かれて行くのが、時系列に沿ってないことがドラマチック。
    そして、
    そのことで、すべての登場人物の(一見不可解とも思われそうな人まで)人間らしさを感じさせてくれるのが、たまらなく魅力的。

  • 上下とも読了。個人的に上巻の方が好きな感じ。
    様々な人の視点から一つの風変りな家族の事が語られているので、視点事に家族への印象が変わって行きました。守られていたり縛られていたり、外の世界がおかしいような、内側の世界が歪んでいるような色々な角度から家族を見れて楽しかったです。

  • 久しぶりに読んだ江國香織の本。
    ちょっと変わった家族のそれぞれの物語が時系列をシャッフルして描かれる。中には家族以外の視点から描かれる章もあって、それがいい感じのアクセントになっている。
    江國香織らしい言葉のセンスに満ちていて、ハマっていた若い頃を思い出した……。

  • 江國さんはやっぱり、日本語の選び方にセンスがあると思う。
    独特の世界観ときれいな日本語。
    するすると頭に言葉が入ってくる。
    こんな小説がもっと読みたいと思った。

  • 下巻に記載

  • 2014/02/08
    江國香織らしい登場人物達。
    客観的に見ているようで、知らないうちに彼らの生活を肯定し始めてることに気づいたりする。

  • 最初、本屋さんで見つけた時は、見出しやポップがとても壮大な感じで、絶賛されていたので、逆に心配になりながら読み始めました。
    でも実際に読み始めたら、面白い。旧家で世間とはちょっと違う秩序で暮らしている家族。3世代に渡っての物語が時系列はめちゃくちゃの短編として、それぞれの家族の立場から描かれている。
    一つの話を読み終わると、次は誰の話なのかワクワクしてしまう自分がいました。
    久しぶりに一日で読みきりました。下巻もあるので、慌てて買ってきました。
    これから下巻読みます。わくわく。

  • 久々の江國さん作品。
    やっぱり、空気感がとても好き。
    なんでもない、身の回りのものごとを大切に描くのが、読んでいてとても心地良い。

    ストーリーは、すごく特殊な柳島家の人々を描いている。家業があって子供に公教育を受けさせないという世の中から少し隔離された環境にある一家ならではの「変わってる」感が最初は強いのだけど、読み進むうちに、そんな変わった一家でも人の思いって一緒なんだよなぁ、ってしっくり感じられたお話でした。

  • 最後まで読めなかった。
    最近スリリングな本ばかり読んでいたせいか、退屈な本だな、という印象。
    淡々と。ただただ緩やか。

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著者プロフィール

1964年、東京都生まれ。1987年「草之丞の話」で毎日新聞主催「小さな童話」大賞を受賞。2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞、2010年「真昼なのに昏い部屋」で中央公論文芸賞、2012年「犬とハモニカ」で川端康成文学賞、2015年に「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」で谷崎潤一郎賞を受賞。

「2023年 『去年の雪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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