夏休み (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087467086

感想・レビュー・書評

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  • 僕と彼女と、彼と、彼女の物語。

    なんか表紙とイメージが違う。表紙だったら高校生カップルの話だろうかと思うけど、実際は登場人物たちは結婚した大人である。それから、大事な登場人物として、出番は少ないけれど、ママがいる。表紙で選んだ人は、裏切られた感じがするかもしれない。

    ユキの友人の舞子さんの結婚相手吉田くん。僕と吉田くんの絶妙な距離感がこの小説のポイント。お互いのパートナーを介して出会った相手との友情。友だちの友だち、とは違うのだろうか。意外と仲良くなれるものかもしれない、と考えてみる。本当は何の利害も生まれない、うっすらとした関係にしかならないだろう。町で会ったら会釈はする、くらいの。

    でも、僕と吉田くんは、女子たちのために、密約を結び、旅をすることになる。二人は「友人」のようになるけれど、彼らはユキと舞子さんの友人関係があっての「友人」だと思う。そういう関係は、すごく人と人のつながりの脆さと尊さを感じる。中村航の作品は、まだそんなに数を読んでいないけれど、そういうつながりの適度な温度を描いているものが多いイメージだ。熱すぎず、冷たすぎず、ちょうどよく温かくて、ちょうどよく冷たい。

  • まったく旬でないタイトルの本をセレクト。冬です。
    内容は、仲良し夫婦の家出、離婚騒動(笑)
    私の好きな中村航キャラが全面に出ていてよかった。へんなこだわりとか、言い回しとか。
    ゲームの勝敗で離婚決めるって、真剣に言っちゃうとこすごいよね。吉田くんと守くんの密約があったから、負けたときヒヤッとした。まさかのダブル!?って。
    夫婦であってもね、いきなり家出はいかんな。物事はどう転ぶかわからんな。と思いました。

  • 乱闘ゲームがやりたくなります。でもきっと才能なしって吉田君に言われちゃうタイプです。吉田くんが家出したりみんなで家出したり、離婚するかをかけてゲームで勝負したり、本人たちは真剣なのでしょうが、とても楽しそうに見えました。人生を満喫しているような。私も毎日真剣に生きていこうと思わせてくれるそんなお話でした。

  • 吉田くんと僕の距離の縮まってくところがよかった!温泉でテンション上がるところ。普段はなんかおとなしいのに、だんだん心開いて仲良くなれるのってほっこりする。

  • 読んでてわくわくしてしまうそんな物語。
    硬い感じはなくすんなりと物語に溶け込める。砕けた感じでまるでこちらが一緒に二人の後を追っているような、そんな感覚にすら陥る。

    なんとも愉快で爽快な四人の旅路。それぞれのこだわり
    思わず大切なあの人と出かけたくなった。

  • 良いラスト。夏休み。タイトルに再度納得。でも特に心には残らなかった。

  • ライトな幸せ物語だが、女性二人の
    悪ふざけに吉田君が涙するところはなんだか腹が立った。主人公は雰囲気を楽めているからか寛大だが、約束を二度も破られてたらい回しされたら普通なら怒るわな。
    ジャケットの詐欺っぷりにも腹が立ったかも。
    今からお読みになる方も寛大な気持ちでどうぞ。
    日常の所作やの描写とかいい感じだし、そんなには悪くないです。

  • なんとも不思議な友情とか夫婦、家族の話。
    何気ない日常の癒やしや緊張など、うまく描かれている。幸せ感が漂っている。

  • 表紙のイメージと本の内容違いすぎ!そしてユキの人生の勝負の仕方に全く同感できない。テレビゲームで人生決めるってあり得ないし、人の感情なんてそんなもので割り切れるものじゃないだろう。私には全く共感できない話でした。

  • 言葉の使い方、選び方が秀逸。

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著者プロフィール

建築家。博士(建築学)。株式会社MOSAIC DESIGN代表。
1978年東京都生まれ。2002年日本大学理工学部建築学科(高宮眞介研究室)卒業、2005年早稲田大学大学院修士課程(古谷誠章研究室)修了。2008年同大学博士後期課程単位取得退学、助手・嘱託研究員を経て、2010年〜16年東京大学大学院隈研吾研究室助教。2011年東南アジアのストリートの屋台に関する研究で博士(建築学)取得。同年建築設計事務所MOSAIC DESIGN設立。明治大学I-AUD、早稲田大学、日本大学などで非常勤講師を務める。店舗・住宅・ホテル・商業施設・マーケットなど、屋台からアーバンデザインまで、何か楽しいことやりましょう!をキーワードに大小さまざまなプロジェクトに取り組んでいる。

「2023年 『POP URBANISM』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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