右岸 上 (集英社文庫)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (456ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087467932

感想・レビュー・書評

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  • 辻仁成の作品、らしいといえばらしい作品。
    「愛」っていろいろあるんだな、と思い知る。
    そして、親についての思うこと、幸せは長続きしないこと、
    でも人は死ぬまで、幸せを感じることができること。
    いろいろ、考えた。「左岸」も読みたくなる。

  • 左岸(上)からこちらに。
    ファンタジーとしか感じられない内容。
    なんだかイメージしてたのと違う。
    だけど、九がなんだか母性本能をくすぐる感じで、左岸よりはするすると読めた。

  • 江国香織との共作で、ある男性の半生を書いた小説。

    左岸ではあまり共感できなかったが、右岸は男性視点だからか前半は面白かった。少年時代の心の葛藤がうまく描けている。

    一方、上巻の後半の青年時代はまったく共感ができず、行き当たりばったりな人生は、左岸と同じく反発を覚えてしまった。
    しかしこちらは続きが気になってしまう。下巻に期待したい

  • 江國香織との共作。
    右岸と左岸。

    私はとりあえず、
    右岸を購入。

    幼馴染の九と茉莉。
    こちらは九の幼少期から青年、結婚あたりまで。

    ひとつになれない、
    交わることのできない茉莉への
    強い焦燥や恋焦がれている気持ちが
    もーぉ!となります。苦笑

    でも気づいたら、心は茉莉を求めていて
    それが全く空振りで手に入らないし
    自分の運命に絡めとられていく九は読んでいて
    苦しくなる。

    少年時代、
    憧れの惣一郎の死、
    ヤクザだった父親の死、
    母親であり女である七、
    気づいたら身につけていた不思議な力。

    超能力がどんどん登場するので、
    非現実が現実に割り込んでくるのが
    嫌いだと読み進める手が鈍るかもしれません。

    超能力研究うんぬんとか出て来た時、
    さすがに…となりました。苦笑

    だけど、
    茉莉への恋情が形を変え、
    ひとりの女性と向き合って愛そうとする九は
    少し泣けました。

    ここまでするのーってコトがどんどん出てきます。
    運命がボコボコにします。

    個人的に好きなのは、
    祖父の勘六と祖母の三。
    特に
    勘六は素敵です。

    九は
    過酷な現実を
    受け入れ寛容する気持ちと
    不安とあきらめと絶望を味わっていきます。
    途中に差し込まれる自叙伝は
    もう達観していて
    九はいったいどこにいるんだろうと思わせてくれます。

    交尾は自然なこと。
    哲学への挑戦。
    遊びは命をかけること。
    苦しむことが人生。
    旅は続くから。

    はやく下巻読もうっ。

    個人的には、内野安打な一冊。

  • 【右岸と左岸まとめた雑感】

    なんかもうやっと読み終わったっていう感じがする。

    「左岸」をやるせないというか、救いようのない話(とっても江國さんぽいけど)だと思ってたから、読み始めは「え、こんな突飛な話なの?」っていう内容なんだけど、途中から、むしろ右岸のほうが重ーくて深ーくて暗ーい話だった。断然「左岸」より読むのにパワーがいった。

    もしかしたら私は「右岸」のほうが面白かったと思ってるのかも。
    確かにそんなに性描写はいるのか?って思ったけど。

    読み通すなら「左岸」からのほうが入りやすい。
    でも、話を分かりやすくしたいなら「右岸」から。
    たぶんもう一回「左岸」を読み直すと思う。

    とりあえず、お酒を美味しく飲んでみたい衝動と、博多弁が丸移りする。

  • こんなにも切ない人生って。そして、なんて哲学的なんだろう。日常といっても私のそれとは大きくかけ離れた彼の日常の中で、彼が抱えるさまざまなことを、淡々とかつドラマチックに描いているところは非常に面白い。盛り上がったところで下巻に突入です。

  • 2019年に読んだシリーズ。4冊も続いてたから登場人物への感情移入がものすごかった記憶。

  • 祖父江九の人生?半生を物語る大作です。
    特別な能力に目覚めてしまった九…初恋の幼馴染、寺内茉莉の影を追い続ける情けなくも男らしくもあるこの青年の人生は波瀾万丈。凄く面白いです✨ 下巻に続きます。

  • 星4に近い3

  • 1960年、福岡。九はやくざ者の父とその愛人の子として生まれる。祖父母に預けられた彼は、隣に引っ越してきた同い年の茉莉とその兄、惣一郎と共に育つ。奔放で天真爛漫な茉莉に想いを寄せ、聡明で男気のある惣一郎を実の兄のように慕う九。しかし、突如会得した不思議な力と、惣一郎の死が運命を大きく変えてゆく。生涯にわたる愛をテーマに、江國香織との共作に挑んだ一大長編。

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著者プロフィール

東京生まれ。1989年「ピアニシモ」で第13回すばる文学賞を受賞。以後、作家、ミュージシャン、映画監督など幅広いジャンルで活躍している。97年「海峡の光」で第116回芥川賞、99年『白仏』の仏語版「Le Bouddha blanc」でフランスの代表的な文学賞であるフェミナ賞の外国小説賞を日本人として初めて受賞。『十年後の恋』『真夜中の子供』『なぜ、生きているのかと考えてみるのが今かもしれない』『父 Mon Pere』他、著書多数。近刊に『父ちゃんの料理教室』『ちょっと方向を変えてみる 七転び八起きのぼくから154のエール』『パリの"食べる"スープ 一皿で幸せになれる!』がある。パリ在住。


「2022年 『パリの空の下で、息子とぼくの3000日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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