あふれた愛 (集英社文庫)

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  • 集英社
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感想 : 131
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087478174

感想・レビュー・書評

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  • 天童荒太 先生の著作だから読んだ本。「うつろな恋人」と「やすらぎの香り」が面白かった。実写化しても面白くなりそうな小説だと思った。

  • 初めて天童荒太を読んだ。

    けっこう好みじゃない。
    描こうとしているものには
    理解や共感できるところもあるけど、
    文や雰囲気はあまり好きになれない。

    根源的な部分での嫌なリアリティがすごい。
    ものすごく自己中心的なことを
    真剣に考えて生きていたり、
    それが人間なんだと突きつけてくる感じ。

    4篇の中では
    とりあえず、愛 とやすらぎの香り が好きだった。

  • 世の中色んな人がいて、色んな生活や人生があって、どの話も特別ではない気がする。この4編を通じて、人間的な哲学のようなものを感じた。

  • 天童さんの作品は、永遠の仔しか読んだことがなく、これが2作目。
    心の傷に寄り添う愛があふれる4作品でした。

    人は皆、大なり小なり心の傷を抱えていて、
    救いを他者に求めているけれど
    求める人ばかりでは救われることがなく

    天童さんが心の闇にどこまでも寄り添う物語を書くことは
    愛があふれているなと思いました。

    寄り添うことがうまく出来ずに、悲しい結果になっても
    その悲しさに寄り添ってくれる天童さんがいて
    次に進める希望が芽生え、気持ちがあたたかくなる作品でした。

  • オススメ短編集の中にあったので。
    どれも重いのですが、特に二つ目の架空の恋人がいると思い込んでいる女の子の話が結末が気になり仕方なかった。
    人って、難しい。

  • 心が痛い。
    愛には、「人を救う愛」と「人を傷つける愛」が存在する。
    そのいずれもがこの作品の中にはでてきて、読者の心をかき乱す。
    読むのに体力がいる作品だ。

  • 重厚な短編集。
    ・とりあえず、愛
    子育てで疲れている妻に、同じく疲れてて寄り添えない夫。
    バックに生育歴を書くのは作者がこの辺に詳しいからだろうか。
    傷つけ合いながらも相手とあたたかく向き合っていけたらいいな。

    ・うつろな恋人
    過重労働でメンタル不調に陥ったバツイチ元リーマンが
    同じく社会復帰中の若い女性にはまり込んで…。
    仕事と女性への追い込み癖がリアル。許せん。

    ・やすらぎの香り
    お互いメンタル不調で社会復帰途中のカップルの、
    ハリネズミのジレンマというか心の清らかさが故の剥きだしの痛みというか。
    子どもの問題は現実に戻されて悩んでしまった。
    このようなカップルから生まれてくる子どもも安心して生きて行ける社会。作者に問われた気がする。

    ・喪われゆく君に
    チャラいコンビニバイト君、仕事中にお客さんが突然倒れて亡くなってしまい、その奥さんとの心細やかなやり取りや自分の彼女との不器用なあれこれ。
    後半は涙ぐみながら読みつつ「助かってくれよ」でもうダメ。
    そして実家でいろいろあるぽい彼女に「話、聞くよ」浩之ーーー!!!
    浩之の世界が深く豊かになっていくのを一緒に味わった気分。ありがとう。

  • 精神的に弱くなってしまった人たちを描く短編集。
    大事な家族や恋人を知らないうちに傷付け、逆に傷つけられていたりする。
    そんなことにふと気が付いて、自分の居場所を再確認する。
    誰にでもきっと有り得る日々。
    とても心に響いてくる何かがある。

    2015.11.15

  • 病気の事や、色々な感情など、自分と重なるところが多々あり、身につまされた。

  • 続けて恋愛小説を読む。天童荒太は短編集といえどもずっしりと重く、哀しさに満ちている。重苦しくさえある。何故こんなにもつらい状況を設定しうるのか、不思議に思う。だが、だからこそ恋愛の可憐さが光を放つのだ。人間の、ちいさなせつない想いさが、いかに強靱なのかを教えてくれる。くやしいがやはり涙腺がゆるむ。

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著者プロフィール

天童 荒太(てんどう・あらた):1960(昭和35)年、愛媛県生まれ。1986年「白の家族」で野性時代新人文学賞受賞。1996年『家族狩り』で山本周五郎賞受賞。2000年『永遠の仔』で日本推理作家協会賞受賞。2009年『悼む人』で直木賞を受賞。2013年『歓喜の仔』で毎日出版文化賞を受賞する。他に『あふれた愛』『包帯クラブ』『包帯クラブ ルック・アット・ミー!』『静人日記』『ムーンナイト・ダイバー』『ペインレス』『巡礼の家』などがある。

「2022年 『君たちが生き延びるために』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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