あふれた愛 (集英社文庫)

著者 : 天童荒太

• 集英社 (2005年5月20日発売)

感想・レビュー・書評

[inomatamao1203さんの感想 · 2012年11月28日]

弱い人はいる。

こんなことで傷つくの？
というような些細なことで

ちくちく痛む心が世の中にはたくさんある

そしてそんな人たちは

痛む心を持つ自分をも責めている

この小説を読んでると
そんな心も許せるような気分になってくる

天童荒田は
いつでも凄く近くまで来てくれる。

[tpochi0717さんの感想 · 2012年8月31日]

仕事関係に夫婦や親子の人間関係。

真面目で責任感が強いがあまりに、自分が一番傷つき心が疲れてしまった主人公たちの葛藤。
出会った先々で愛を知り、愛を確かめあい、愛を見つめなおす4つの短篇。

比較的すらすら読めた。
ちょっとマイナスすぎて若干読んでて疲れるけど、
頑張れ人間！って気持ちになる)^o^(

[pa-yanさんの感想 · 2012年8月16日]

最近サクッと読めるものばかり読んでたので、
久々にこんな感じの話を読みました。
直木賞を受賞している天童さん。

子供が生まれ
平和だと思っていた夫婦の崩れていく形を描いた｢とりあえず、愛｣

可愛らしい少女を手に入れたくて、
苦しむ「うつろな恋人」

懸命に生きていこうとしている二人に
突然訪れた命｢やすらぎの香り｣

バイト中に死に直面した彼を描く｢喪われゆく君に｣


短編集でしたが、
どれもこれも苦しいです。
みんな精神的に病んでいます。

壊れるとわかっていて、自ら壊してしまったり。
相手を大切に思うのに、うまくいかずに滅茶苦茶にしてしまったり。
読んでいる最中、展開が気になりますが
最後が妙にキレイになりすぎてるものもあったり。苦笑
えー、最後そーなっちゃうの、幸せなの？！って。

胸の奥から何かが出てこようとしてるのに、
吐き出せずに動けなくなってしまう。
人と接するときに考えすぎて身動きがとれなくなってしまう。
知らないうちに体から発信している黄色信号をうまく受け取れない。

そんな気持ちをキレイな文書で描いています。

「自分の人生を生きたいって･･･
　･･･自分の人生を、本当に生きたいと思って、
　もがいてるんじゃないか。
　･･････だろ？」

[よみたまぼうずさんの感想 · 2012年6月29日]

生きるって事。生かされてるって事。深い…

[refanyaさんの感想 · 2012年5月28日]

天童荒太の本は初めて。
もっと早く読めば良かった。
自分にとって非常によい「きっかけ」になる本だった。
また躓きそうな時に再読したい。

[0107springsteenさんの感想 · 2012年5月12日]

切迫感があり、そこそこ満足。
但し、心の病をベースにするのはある意味短絡的。
読者から見た簡便さを超えた面白さまでは到達していない。

[midorizさんの感想 · 2012年3月30日]

読んだのは多分高校の頃。高校の頃が遠く感じる…。
内容はおぼろげにしか覚えていない。というか今まで読んだ本古い順に忘れていってる…！とか考えるとわたしが今まで本を読んできた時間は何だったんだ。趣味の本はその時間に楽しむ為だから気にすることないさと励ますとして勉強の本の内容を忘れるのはどうなの。わたしの過ごした時間は無駄だったんだろうか。今も無駄なんだろうか。どうすれば無駄じゃなくなるのか。
記憶力がほんとに悪いので最近困ってます。

[mainitihitotuさんの感想 · 2012年3月30日]

カテゴリーがよくわからない。

ミステリーではないように思うけれど・・・・

少し、掛け違えている「愛」があふれている本だった。

天童さんの本は、少し違う愛情の現れ方が多いな・・・

読んでいると、苦しくなるような・・でも読みたくなってくる。

共感できる部分があるんだろうなぁ・・・

[tatsuyart1026さんの感想 · 2012年3月10日]

気付かずに図書館で二度も借りてしまった。

[恵賭 -keito-さんの感想 · 2011年12月27日]

幸せだと思われていた環境が、あるときから一転して辛くなる。
すべてが苦しかった生活に、いつからか一点の美しい光が差し込む。
どれもが自分次第で、幸せも不幸も気持ち次第。

失った愛、取り戻せない愛に苛まれるとしても
すべてはありふれた愛からはじまったはず。

胸が苦しくて、ページをめくる手を何度も止めてしまった。
どれほど辛くとも、痛みを分かち合うことで暖かな想いが溢れる。
乗り越えるために愛は、もっとも有効な手助けとなる。

天童荒太さんという作家は人の心を表現するのが上手だと思う。
四編の短編どれもが、人の心の躓きを、葛藤を悲しく浮き上がらせる。

天童荒太氏は初読でしたが、他の作品にも興味が沸きました。

著者プロフィール

天童 荒太（てんどう・あらた）：1960（昭和35）年、愛媛県生まれ。1986年「白の家族」で野性時代新人文学賞受賞。1996年『家族狩り』で山本周五郎賞受賞。2000年『永遠の仔』で日本推理作家協会賞受賞。2009年『悼む人』で直木賞を受賞。2013年『歓喜の仔』で毎日出版文化賞を受賞する。他に『あふれた愛』『包帯クラブ』『包帯クラブ　ルック・アット・ミー！』『静人日記』『ムーンナイト・ダイバー』『ペインレス』『巡礼の家』などがある。

「2022年 『君たちが生き延びるために』 で使われていた紹介文から引用しています。」