- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087495362
感想・レビュー・書評
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開いた瞬間読みにくいなと感じた。
意図的に らしい。
不思議な感じ。
「優しくって少しばか」以外は不気味。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
原田宗典最初期に発表された、短篇6本の作品集。
表題作は、どうしようもなくだらしのない男と、とてつもなく身勝手な女の、あるほんのひとときの物語。舞台は、女の住むマンションの一室。そろって熱を出し寝込んでいる二人の会話…というよりも、男の心の中のひとりごとに、時々彼女のセリフが挿入される、という形で展開するストーリー。
気の強そうな彼女に、始終のまれっぱなしのように見える男が、妙なところで意地をはったりして、二人の関係はぎしぎしときしみ音を響かせて、かなりスリリングな状況にはいっていくけれど…
タイトルにある‘優しくって少しばか’な存在が、そんな二人にも日だまりの時間をもたらす。ラストのぬくい幸せ感が心地よくて、時々ふと浸りたくなる。
その他は、かなりゾゾーッとさせられる男と女のお話の連発。ドロリと湿り気たっぷりな雰囲気もあれば、研ぎ澄まされた剃刀でスパッとやられるスタイリッシュなものもあり、多彩な原田宗典ワールドが楽しめる1冊。しかし、かなり異色。好き嫌いがはっきり分かれそう。 -
短編集だが、表題作にでてくる「優しくってすこしばかなパン屋」のくだりを読むと、ダニエル・キイスの「アルジャーノンに花束を」を思い出す。
何ということのないカップルの、グダグダした時間が、ふんわりと温かくて心地よい。とてもかわいらしいお話です。
表題作以外はあまり覚えてない…。 -
男と女の短編集。
会話や行動がとても生々しくて
頭の中に映像として出てきそうなのだ。
人間の
特に女の狂気は恐ろしい! -
6つの短編集。
どれもこれも、やりとりや心情の描写がとってもリアル。
読んでいて苦しくなるくらい。
だけど、不気味さもただよう。
結局のところ、標題作に出てくる二人の関係がいいんだろうな。(この話は主人公が第一人称なので、すべての細かい心情まで書かれている!すごい!つかれるけど、濃い!) -
小説ではじめて「心底」恐怖を感じた
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題名に惹かれて購入。
なんだろう、会話や描写がとても生々しい。それがとても不気味で怖い。
全体的に恐怖が見え隠れする作品集だった。
そんな中、表題の「優しくって少しばか」は、雰囲気が好き。
句読点のない語り、独特の改行。
小説というより、詩集みたいだ。
最初は慣れないけど、読み進めるうちに、独特のテンポに引き込まれていきます。 -
/?day=20090601
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原田宗典さんはエッセイが面白いけど、小説は不気味というかちょっと怖いところがある。だけどそれが良くて、日常の裏にあるみんなが持ってる暗い部分が面白いのかもしれないと思う。無理に深くしようとしてない、自然な進み方がすき。恋愛の話だけど、奥が深くて、難しい。私はこのひとの本がすきなひとを好きになりたい。好きな人に読んでほしい本。
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原田宗典の小説。
エッセイと小説のギャップに惚れ込みます。
ほのぼの、まるで自分の日常のようなストーリーと、ちょっと斬新な文体が魅力的な一冊。