優しくって少しばか (集英社文庫)

著者 : 原田宗典

• 集英社 (1990年1月19日発売)

感想・レビュー・書評

[タカムラさんの感想 · 2006年6月11日]

何だか怖い話です。
何が怖いって、文章が怖いです。
どういう怖さかと言うと、体温や体臭や生々しい色が見えてしまうという怖さ。
この方の書く、恋愛小説はとにかく生臭い気がする…。そして女性が怖い。どの女性も、匂いもすれば色もある。ただ、その色や匂いは、決して美しいものではない。

綺麗で切ない掌編も書くのに、こんなに生っぽい男女も書くのだなぁ。
私は、前者の文の方が断然好きなのですが、後者の話も書けてこそ、綺麗な話が活かされるのかもしれないと思いました。
そのギャップがものすごい。

要するに、この『優しくって少し ばか』には、そういう生っぽい男女の恋愛がたくさん書かれています。
愛憎や狂気が根底に隠れた、静かな恋愛。

私は、どういう内容であれ、“血”が想起させられるものは苦手です。
しかし、どうもこの短篇集の中には、それを思い起こされる話が混じっている。それが、怖くて怖くて…。
あ、でも、ラストに収録されている『テーブルの上の過去』はそういう生の匂いはしなかったな…。安心して読めたもんな。

とにもかくにも、色々と衝撃的な恋愛が多かった。
愛と憎悪と狂気と死が近くに見えるような。
すごいです。

[モクさんの感想 · 2006年6月11日]

表題作が涙が出ちゃうほど好き。
いとおしい。とか言っちゃうよ。

[snatchさんの感想 · 2006年6月3日]

とにかく表題作が秀逸。コピーライター出身らしく、句読点を極度に省いたゆるやかな文章でほっこりとした気持ちにさせてくれます！

[ちぃさんの感想 · 2006年5月15日]

すごく大好きな短編集。友達にも薦めまくりです。原田さんはエッセイもとても楽しいですが、私はこっちのほうが好き。プチホラー？なのかなぁ。

[swbさんの感想 · 2006年5月5日]

短編がうまい彼。
その中でもこの一冊は、ほんわかするラブストーリーの百貨店や〜(笑)
ふふふ、ってなんかとても優しくなれる本。

[ハルキさんの感想 · 2006年4月8日]

「西洋風林檎ワイン煮」が好き。

[みーこさんの感想 · 2006年2月27日]

全体のトーンは軽いんだけど、案外普遍的なことが描かれていたりして。

[asaさんの感想 · 2006年2月3日]

みんなばかだと思う。私も

[yocchiさんの感想 · 2006年2月2日]

非常に読みやすい不思議世界。

[団長さんの感想 · 2005年12月27日]

甘酸っぱい青春小説を読みたい方に、オススメ！　

著者プロフィール

作家

「2022年 『ベスト・エッセイ2022』 で使われていた紹介文から引用しています。」