おとぎのかけら 新釈西洋童話集

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087713701

感想・レビュー・書評

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  • おとぎのかけら
    新釈西洋童話集
    千早茜

    ✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼

    現代版グリム童話?グリム童話って空想の世界だと思ってるからか、少しくらい不快でもあまり気にならないけど、この「おとぎのかけら」は現代と言うだけでなく日本が舞台なのでより現実味があって不快が強め。なんだか主人公が知り合いの1人みたいな感じでモヤっとする。グリム童話の中の人がグリム童話を読んだら不快なのかな?
    それと童話には無い艶めかしさが全般にあるので、子供には向かない。そもそももう童話じゃなくなって本当にお伽の欠片。

    とりあえずどの辺がその童話なのかだけでも感じ取ろうと思って読んでみたけど、全然違うようでどことなく元の物語の要素もちゃんと感じられたので、童話のタイトル無くても分かるだろうなと思えるのもすごい。

    ☆迷子のきまり
    -ヘンゼルとグレーテル
    ☆鵺の森
    -みにくいアヒルの子-
    ☆カドミウム・レッド
    -白雪姫-
    ☆金の指輪
    -シンデレラ-
    ☆凍りついた眼-
    マッチ売りの少女-
    ☆白梅虫
    -ハーメルンの笛吹き男-
    ☆アマリリス
    -いばら姫-

    2022/11/12 読了 (図書館)

  • 西洋のおとぎばなしを現代に当てはめた作品。
    残酷で不穏でザワザワするのに、美しさに溢れていてやめることができなかった。

    文庫より単行本の装丁に一目惚れしていたので単行本で購入。

  • 『おとぎのかけら』 千早 茜    集英社

    「新釈西洋童話集」と副題にあるように、7つの有名な西洋童話を下敷きにした短篇集。
    勿論、物語の核となる部分やモチーフは有るのだが、時代は現代だし舞台も現代の日本である。そして一つづつの物語に「迷子のきまりーヘンゼルとグレーテル」、「カドミウム・レッドー白雪姫」、「金の指輪ーシンデレラ」の様に、どの話がどの古典童話を元にしているかが目次でわかる。そしてひとたびお伽話のかけらが作者の掌の中に握られると、開いた時には美しく、妖しく、毒々しい林檎の様に読むものの前に差し出される。一つだけ、少し気持ちが暖かくなるものがあったが、後はどれも不思議な美しさ懐かしさの中にぞっとする様な怖さを秘めていた。伝承され続けて来たわらべ歌や昔話には、世界各国共通する物があると言う。それらには、元々現実の世界の残酷さや理不尽さ、やり切れない人生を切り抜ける黒い知恵をも秘めているのだろうと思わせられる一冊だった。『本当は怖い◯◯』とか言う本よりも、エッセンスを抜き出して今風に料理されたこちらの方が何倍も怖いと思った。しみじみと美しい表紙を見ながら、またこの作家に心を持って行かれた、と嬉しい様な悔しい様な不思議な感覚が残った。

  •  初めての千早さんでした。文章にとても雰囲気がありました。
     彼女が現代風に解釈し、表現するとこうなるのですね。。。。好きな雰囲気です。
     おとぎばなしは語り継がれているだけあって、それぞれに不思議な力があります。そしてよく考えると、怖かったりグロテスクだったりしますね。

     それぞれの編が発するイメージは、おとぎばなしでのイメージそのままに、ブラックでグロテスクな世界でした。眼をそむけたくなる様な描写もありましたが、とても面白く読めました。
     最後の「アマリリス」の編は他とは印象が違ったけど、これも面白かった。

  • 結構薄暗い話が多かった。
    でもどんどん引き込まれる。
    文章巧い!
    私のお気に入りは、シンデレラの話。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「文章巧い!」
      不思議な感覚の文章書かれますよね!(この作品を読んだ訳ではなく、実は文庫化待ち)
      「魚神」が良かったので読んでみようと思って...
      「文章巧い!」
      不思議な感覚の文章書かれますよね!(この作品を読んだ訳ではなく、実は文庫化待ち)
      「魚神」が良かったので読んでみようと思っています。
      2012/10/17
  • 西洋童話を新釈するという発想が面白い。
    好きだったのは
    金の指輪(シンデレラ)
    単純にハッピーエンドが好きなだけか。
    鵺の森(みにくいあひるの子)の
    堤くんの弱さも好き。

  • 西洋の御伽噺を、現代日本にしたら?という短編集。
    不気味だったり、ほっとしたり、まさに御伽噺でした。

  • 確かにそう。
    おとぎ話、特に西洋ものはぞわぞわする…
    全ての話の後味がなんとも言えない。

  • 本当は恐ろしい童話。⁡
    ⁡⁡
    ⁡ってな事で、千早茜の『おとぎのかけら 新釈西洋童話集』⁡
    ⁡⁡
    ⁡迷子のきまり⁡
    ⁡ヘンゼルとグレーテル⁡
    ⁡⁡
    ⁡鵺の森⁡
    ⁡みにくいアヒルの子⁡
    ⁡⁡
    ⁡カドミウム・レッド⁡
    ⁡白雪姫⁡
    ⁡⁡
    ⁡金の指輪⁡
    ⁡シンデレラ⁡
    ⁡⁡
    ⁡凍りついた眼⁡
    ⁡マッチ売りの少女⁡
    ⁡⁡
    ⁡白梅虫⁡
    ⁡ハーメルンの笛吹き男⁡
    ⁡⁡
    ⁡アマリリス⁡
    ⁡いばら姫⁡
    ⁡⁡
    ⁡の短編集。⁡
    ⁡⁡
    ⁡それぞれ元ネタ童話を千早さんなりの解釈でずぶずぶな現代的童話に。⁡
    ⁡⁡
    ⁡知らん童話もあったんで、それぞれの元ネタ童話を読んで再読すると更にオモロいじゃろね
    ⁡⁡
    ⁡カドミウム・レッド、 金の指輪、白梅虫、アマリリスが良かったな
    ⁡⁡
    今まで読んだ千早さんのイメージと違って⁡、心の闇っ言うんかなゾクゾクしました
    ⁡⁡
    ⁡いや~、童話ってほんと怖いですね~
    ⁡⁡
    ⁡2022年39冊目

  • お母さんに置いていかれるのは、はじめてじゃない。

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著者プロフィール

1979年北海道生まれ。2008年『魚神』で小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。09年に同作で泉鏡花文学賞を、13年『あとかた』で島清恋愛文学賞、21年『透明な夜の香り』で渡辺淳一賞を受賞。他の著書に『からまる』『眠りの庭』『男ともだち』『クローゼット』『正しい女たち』『犬も食わない』(尾崎世界観と共著)『鳥籠の小娘』(絵・宇野亞喜良)、エッセイに『わるい食べもの』などがある。

「2021年 『ひきなみ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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