教室に並んだ背表紙

著者 :
  • 集英社
3.85
  • (157)
  • (184)
  • (156)
  • (32)
  • (6)
本棚登録 : 2512
感想 : 216
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087716948

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 最近お世話になっている“図書館”を舞台にした作品だったので読んでみることに。
    ミステリー要素?があると思っていなかったので、しおり先生の正体が分かったときはビックリ。ちょっと違和感あったよな~っと読み返す…
    読んでいて心が辛くなる部分も多くあったが、しおり先生の優しく寄り添いつつ、しっかり守ってあげて中学生達が前進していく様子が良かった。しおり先生のようになりたい。
    そして、やっぱり読書良いなと思える本でした。『おすすめおしえてノート』素敵だな。

  • 中学生時代の楽しかったことも、辛かったことも思い出した。それぞれの生きづらさを抱える少女たちに辛い気持ちになったりもしたけど、希望を持てる話でよかった。
    しおり先生の正体〜泣かせてくる〜( ; ; )

  • いや、間に合って良かった。
    この仕事していて、知らない所で全てが手遅れになってしまうのは本当につらい。
    だから、多少ルールを外れていようと、ここにいて何かその子の気持ちが和らぐならそれも良いと思う。
    でも、そのルール違反がまた別の誰かを傷つけちゃうのは困るのだけどね。
    「学校司書だから関係ないのです!」
    それは大きな武器。それは半分真実で半分嘘なんだけどさ。
    でも、そういう存在がいたっていいじゃん。
    そう思う。
    それを実現するには、裏で色々走り回らないといけないんだけどね。
    しかし物語好きなんだなあ。

  • 中学生の脆さを抱えながらも、それに屈せず
    前向きに生きる力にたくさんの元気をもらった!!
    そして最後に明かされるしおり先生の正体に、
    心が温かくなった!

    クラスで居心地の悪さを感じ、図書室に通うあお。そんなある日、クラスの中心人物であった三崎がなぜか図書室に来るようになる。なぜ三崎は図書室に来るようになったのか、その真意とはー(その背に指を伸ばして)。

    自分の将来に自信が持てず悩む真汐凛奈の目の前に現れたのは、図書館司書の塚本詩織先生だった。そこで身元不明の手紙を凜奈が図書館に見つけたことをきっかけに、先生は凜奈にとある賭けを持ちかける(しおりを滲ませて、めくる先)。

    読書感想文の課題が出されたものの、普段読書をしないあかねは苦境に立たされていた。そんななかクラスメイト間宮の感想文を偶然ゲットし、それをマネようとするが、本の題名が記載されておらず。そこであかねは図書室にいき、しおり先生に課題図書の相談をするとー(やさしいわたしの綴りかた)。

    二次元に恋していたはずの間宮と萌香だったが、萌香は三次元に恋人をつくり、間宮を置いていってしまう。間宮は自分が現実逃避をしているのかと苦悩するようになり、それをしおり先生に相談する。するとしおり先生は意外な言葉を間宮にかけるー(花布の咲くころ)。

    田中涙子と書いて、田中ティアラ。彼女は自分の名前が嫌いだった。そんな彼女は放課後の空き教室で手のデッサンをするのが好きで、そこに倉田がネイル液を持って登場し、そのデッサンに色を付け始める。あるとき、誤ってネイルを付けて登校したティアラは教師から怒られ、好きな漫画も取り上げられてしまう。そんなティアラを救ったのは、倉田の意外な秘密だったー(煌めきのしずくをかぶせる)。

    三崎はクラスの中心人物のはずだった。星野からいじめられている萌香を庇うまでは…。そこから三崎はいじめの標的になり、昼食をトイレや図書室で食べることを試みる。しかしそれも星野にばれて、彼女がたどり着いたのは、屋上へ続く踊り場だった。そこで昼食をとっていると、しおり先生が登場し、三崎に図書室で本を読むように勧める。そこから三崎に起きた出会いとはー(教室に並んだ背表紙)。

    全部好きな話だった!!
    中学生は1番脆くて、大変な時期だと思うが、絶対に1人ではないことを知っていてほしい。
    私もしおり先生のように、彼らを救える立場の人間でありたいと強く思った。

  • 中学校の図書室が舞台となり、その図書室と司書のしおり先生に救われた高校生のお話が6篇。
    この直前に読んでいた大崎梢「27000冊ガーデン」とごっちゃになりそうだけど、あちらは謎を解く話でしたが、こちらは、中学生の悩みが、主テーマな感じでした。
    本に関わる小説ってやっぱり好きだなと思いました。

  • ほんの少しのひび割れが、大きな崩壊へとつながっていく。しかしそこにあるのは悪意ではなく、自分を守ろうと必死に生きる、一人ひとりの息づかいだった。中学生だった自分に、語ってあげたい物語。

  • 今、悩んでいる中学生がいたら是非お薦めしたい本。本好きの心をくすぐる、そうそうそれなんだよねな話。
    星野さんのような人はどこにでも潜んでいるし、そういう個性だから仕方ない。それに迎合しない集団であることが求められるけど、サイコパス的魅力持つ人の場合どうしようもないだろうしな、などとどうでもいいことで思考したり。
    ちゃんと最後は叙述トリック付きというおまけ付き。

  • 女子学生の気持ちの深さを表したさくひ

  • 学生生活を迷いや不安を抱えながら送っている人に読んでほしい一冊。
    読書が苦手な方でも読みやすいと思う。

    本書はとある中学校の図書室を舞台の中心とした短編集となっている。
    それぞれの話に別々の主人公が存在するが、
    いずれも同じ中学校に通う女子生徒という共通点があり、図書室や本をテーマとして話が展開する。

    主人公それぞれが学校生活における人間関係に苦しんでおり、彼女達の心の葛藤が繊細に描かれている。

    大人からすれば「些細な出来事」であっても、
    思春期の学生からすればその「些細な出来事」に対応する方法や心得もなく、また「学校は絶対的なもの」であるため苦しくても逃れることはできないという強い思いがある。
    そのため、彼女達はその狭い世界の中で逃げずに戦い続けることを強いられて心を削られて行くが、唯一の「拠り所」との出会いにより少しずつ変化していく。

    本書は、本書の主人公と同年代の人に特に読んでもらいたいが、日々をモヤモヤしながら過ごしている大人にも良い一冊だと思う。

全216件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

1983年埼玉県生まれ。2009年『午前零時のサンドリヨン』で第19回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。繊細な筆致で、登場人物たちの心情を描き、ミステリ、青春小説、ライトノベルなど、ジャンルをまたいだ活躍を見せている。『小説の神様』(講談社タイガ)は、読書家たちの心を震わせる青春小説として絶大な支持を受け、実写映画化された。本作で第20回本格ミステリ大賞受賞、「このミステリーがすごい!」2020年版国内編第1位、「本格ミステリ・ベスト10」2020年版国内ランキング第1位、「2019年ベストブック」(Apple Books)2019ベストミステリー、2019年「SRの会ミステリーベスト10」第1位、の5冠を獲得。さらに2020年本屋大賞ノミネート、第41回吉川英治文学新人賞候補となった。本作の続編となる『invert 城塚翡翠倒叙集』(講談社)も発売中。

「2022年 『medium 霊媒探偵城塚翡翠(1)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

相沢沙呼の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×