その扉をたたく音

著者 :
  • 集英社
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感想 : 478
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087717419

感想・レビュー・書評

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  • 瀬尾まいこさんの小説は、楽しく読めて心温まるのですが、
    個人的に共感することがあまりなく

    そんなことあるのかなあと

    『そして、バトンは渡された』のときと
    同じような感想です。

  • 定職にもつかず、親の仕送りで呑気に過ごしている29歳独身男(宮路)が介護職員(渡部)のサックスに惚れ込み、老人ホームで演奏するという物語。
    宮路のことを最初はどーしよーもない奴だな〜と思ったが、
    老人との関わりが上手かったり、人前で演奏することが好きだったり。。。
    老人ホームに在所する、水木のばあさんに出会い、別れ、短い間だったが、水木のばあさんが宮路を変えたようなそんな気がした。
    宮路は意外と介護職員向きじゃないか!?と思った笑笑

  • 自立しそびれたまま30歳近くになった主人公が、無遠慮なばあちゃんや一生懸命ウクレレを習うおじいちゃんと関係を築いていく。
    ほのぼのしているだけではなく、老いていくことの現実も描かれて切なく暖かい。「目覚めて動き出す時が来たんだよ」と教えてくれるおばあちゃんに感涙。
    読み終えて、昔部活で吹いていたクラリネットに久々に息を吹き込んでみました。「いつかまた」ではなく「今やろう」と誘われた気がする。 
    中学時代の渡辺くんが登場する駅伝のお話も今!読みたいな。

  • この本好きでした!

    瀬尾さんの本は、主人公の心情にスッと入っていけて、読みやすいなあといつも思うのですが、今回もさらっと読んでいたら…後半から泣かされてしまいました。

    29歳になってもなんの目標があるわけでもなく実家の援助でぼんやり生きてる主人公。
    誰もがしっかり生きる目標を持って、自分の思う日々の生活が送れるわけじゃないけど、それでも人の価値なんてそんなとこにはないよねと。老人ホームで知り合ったじーさん、ばーさんに接する主人公を見てそんな風に感じました。

    人って成長するし変わるし。
    そして誰だって最期は来るわけだし。

    水木のぼんくら息子、良い仕事したと思うし、これからの彼の生き方も興味あるな…

    他の方のレビュー読んで、渡部くんのストーリーも読んでみたくなりました。

  • ミュージシャンを目指すニートの宮地くんが主人公。

    でも、一番印象に残ったのは、おばあちゃんの手紙。
    人が老いることも死ぬことも当たり前のことで、認知症だと自分で気づくことも辛いし、昨日まで仲良く話していた人から暴言を吐かれて傷つくこともある。

    宮地くんに発破をかけながら、憎まれ口を叩くおばあちゃんはカッコよかった。

  • 高校の読書感想文の課題図書
    主人公が29歳なのに驚いた。
    “モラトリアム”、青少年の期間なのだなあ。

    認めてほしい音楽と、聴いてほしい人の顔を思い浮かべての音楽。

    ホームの本庄さんは身近な人のことと重なって、
    身につまされた。

    水木のおばあさんのようにかくしゃくと、でも少し意地をはって生きてみたい。

    甘えたの宮路くんが、年下の渡部くんに励まされとる光景がよいなと思った。

    『あと少し、もう少し』を再読しなくては…

  • 寄せ集めのメンバーで駅伝?顧問は素人の美術の先生?奇跡を起こして県大会?
    やっと途中で、「あと少しもう少し」の渡部くんだと気がついた。
    宮路くんは、そんな渡部くんのサックスの音に扉をたたかれ、老人ホームの本庄さんや水木さんとの交流を通して、自立していく。
    「たぶん、どんな状況の中にいても、明日やその先にすてきなことが待ってることをぼくたちは知っているからですよ」

    水木さんとの別れに宮路くんが衝撃を受けすぎっていう気がしないでもなかったけど。

  • あっという間に読み終えた。
    一言で言うなら、優しく背中を押してくれる物語でした。
    主人公が老人ホームで出会った人達と交流を通じて変わって行く話。そっけない言葉を投げかける背景にある思いや優しさを感じた、素敵な本でした。

  • ぼんくらとばあさんの関係が本当に好き。
    最後の手紙のところ、本当に泣きそうになった。

    私も最初はぼんくらに期待していなかったが、読み進めていくうちに「ああ、なんかいいな」と思った。

    お父さんの「やっとか」ってところが意外だと思った。ぼんくらの良さはこの家庭でこそ育ったんだなって思った。

    読み終わった後になんとも言えない気持ちになって、しばらく浸っていた。

    ウクレレ教えてるところ好き。

  • 涙不可避でした。
    まだ自分にも感受性らしきものが残っていたのか・・と気づかされ、とても嬉しい気持ちになりました。素晴らしい小説。
    人生の終わりかけ、施設に入ってもロクなことがないと印象だけで思ってますが、確かにロクでもないこともあるけど、いいこともあるよってことを教えてもらえました。
    年を重ねるごとに、ああボケたくないなあなんて後ろ向きなことばっかり考えてますが、考え方を前向きにしていかないとな!と少し元気をもらえました。

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著者プロフィール

1974年大阪府生まれ。大谷女子大学文学部国文学科卒業。2001年『卵の緒』で「坊っちゃん文学賞大賞」を受賞。翌年、単行本『卵の緒』で作家デビューする。05年『幸福な食卓』で「吉川英治文学新人賞」、08年『戸村飯店 青春100連発』で「坪田譲治文学賞」、19年『そして、バトンは渡された』で「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『あと少し、もう少し』『春、戻る』『傑作はまだ』『夜明けのすべて』『その扉をたたく音』『夏の体温』等がある。

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