インターセックス

著者 :
  • 集英社
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感想 : 120
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  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087753868

感想・レビュー・書評

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  • すごい本。

    インターセックス=半陰陽という特徴を持った人たち。
    この本を読んで初めて知りました。

    年間600人弱の子が、日本で生まれている。
    その記述を読んだ時、決して少なくはないと思った。

    今後、自分がそういう人と相対する機会があるかどうかはわからないけれど、
    もしあった時、何も知らないで相対するのと、少しでも知っていて相対するのとでは、まったく違うだろうと思う。
    そういう意味で、読めてよかった本だと思います。

  • 両性具有、半陰陽をテーマで扱っている内容です。

    現在は、その子が 何もわからないような小さいうちに
    両親がどちらかの性別にするか決め、
    それに合わせて手術していくという方法がほとんどですが
    この中では、その子が自分で決められる年齢になってから
    本人に決めさせるべき、と書かれていますね。
    ドキュメントではなく、小説として話は進みますが
    改めて そういう人達の苦しみや辛さを思い知らされました。
    小さいうちに性別を決めて手術するため、
    成長する度に繰り返さなければならない手術。
    そのため、身体は手術痕だらけ。
    そして、研究対象として見られ観察され、恥ずかしい思いをしなければならない。
    想像するしかないですが 本当に耐えられない事でしょう。
    世界には 成人になっても そのままでいる人も多くなっているとか。
    本の中では、そういう人達が集まって
    『男性でも女性でもない性』を提唱していこうとします。


    このテーマを通して、いろんな事を考えさせられました。
    興味がある人にはオススメです。

  • インターセックス
    半陰陽

    身体的にも
    心と脳も
    男と女の間

    どちらかに決めるのではなく
    受け入れて
    存在を認め
    支持し
    援助する
    インターセックスの
    医療に身を投じる
    泌尿婦人科の医師 秋野祥子

    医療の
    理想か現実
    成功か失敗
    完璧を求め
    地位と理想を貫くためにおこる
    成功の裏の数々の真実
    世界に誇る
    大病院 サンビーチ病院
    院長 岸川

    ふたりの医師を中心に
    医療、病院、医師、そして
    インターセックスが
    センシティブに描かれる
    医療サスペンス

    *********************
    自分はそれに無関係だから、
    偏見も持たないし、
    干渉もしないという人間が
    必ず出現する。
    しかし、この無関係だと
    切り捨てる態度こそが、
    すでに偏見である。

    自分は関係ない、と思うのは、
    無知と等価であり、恥である。
    大切なのは、理解。
    理解すれば、
    無関心はとてつもない恥になり
    ついには罪になるから。
    *********************
    印象に残った言葉

  • 『男でも女でもない両性を持った人』それがインターセックス。
    ブロ友のちえちゃんの本棚で見かけて、図書館で借りて読みました。
    私も同じような自助グループに行っているので、病気を持つ人同士の分かち合いがどれだけ大切なものか、すごくよくわかった。
    ちょっとサスペンス的な要素も入れながら、とても面白かった。

  • 失敗した…「エンブリオ」の続編扱いなのね…

    まあいいや。気を取り直して。

    読み物としては非常に面白かった。でもミステリとして★三つアタリが妥当かと。っていうか「エンブリオ」読んだあとならまた違った印象なのかなー。あー、失敗…。

    タイトルに関わる内容部分は凄く丁寧に書き込まれてて、作者渾身の作!って感じがする。けど、ミステリの部分とはあんまり関係ないよね。

    しかしまあ、こういう医療系は、手術の描写とかがうまいと貧血起こしそうになるんですよね。これもちょっとダメだった。しかも自分が子ども産んじゃった後だしな。産む前なら大丈夫だったかも。

  • ミステリーと思って読んでなくて、ただ半陰陽ということをテーマに読んでたから結構引き込まれて読んでたんだけど(これだけのページ数を一気に読めたもの)、そっか、これはミステリーなのですか。あんまりミステリーとかサスペンスとか、そんなこと気にもしてなかったな。

  • 発売日に購入して読みました。珍しく図書館ではない。
    前半3割くらい読み進んだところで「アレ?」と思いネット検索。どうやら同作者の「エンブリオ」という作品の続編らしい。なのでコレ一冊だけ読んでも意味不明。基本は殺人事件を追うミステリという形になっていて、それを主軸に医療関係の事柄を絡めて話が進むっぽい作り。「エンブリオ」で不妊・胎児・新生児医療、「インターセックス」では性分化疾患について。前作から出ているヤリ手産婦人科医岸川卓也がアレやコレや…という感じ。殺人事件の方は「エンブリオ」で事件発生、「インターセックス」が解決編。

    正直、「エンブリオ」「インターセックス」共に、ミステリ小説というエンタメにせず、現代の医療情報を紹介するノンフィクション知識系新書でやって欲しかった。フィクションの部分が邪魔と感じてしまう。まず主人公:岸川がキモい。ものすごく丁寧に洋服の描写があって、そして「すごくオシャレ」って設定なんだけど、どう好意的に想像しても超絶ダサい。にっかつロマンポルノみたいな古臭~い設定の、男にとって都合の良すぎる簡単にヤらせてくれるお色気オンナ出し過ぎ。
    あまり資料のない「性分化疾患」についての医療情報・知識を読むにはいい読み物。ミステリ小説、エンタメ、フィクションとしては……ごにょごにょ。加齢臭キツくて感情移入できない。

  • 正しくは医学の本ではありません。長編小説です。
    でも、正直衝撃的な内容でした。


    『インターセックス』という言葉を見たのが、今回初めてでした。

    そういう世界が実在するだろうというのは、頭では理解していましたが、そこに存在する苦悩などについては考えたこともなかったです。

    真実がどうなのかは計り知れないところがありますが、そういうことを考えなければいけないというスタート地点に立たせてもらえたという意味では、すばらしい本だと思っています。

    性同一性障害との違いなど、正しく理解していない点も多かったのが良く分かりました。
    日本人は特にこういったことに対して隠蔽する気質があるので、今まで身近に感じなかったのかも知れません。(海外だと、例えばゲイやレズなどは相当オープンに言える風土がでてきてますので)

    記載された統計値から見ると、知っている人の中には大なり小なりインターセックスに関与せざるを得ない人がいるということになります。

    同和問題もそうですが、無知であることが罪かもしれませんので。


    お勧めする1冊です。

  • もともと興味があった分野だったこともあり、とても興味深く読めました。謎解きものとしては物足りなかったけど、半陰陽について医師ならではの詳しい解説があり、すごく分かりやすかったです。
    半陰陽の方に対する社会理念はもちろんですが、狭い地域で匿名の同じ精子提供者の子供が何十人も生まれるって…読了後もいろいろ考えさせられました。

  • これは大ヒット!もともと興味のあるテーマだし、面白かった!ラストはただただ圧巻。

    小説の展開としては納得いかないとこもあったけど、読めて良かった。

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著者プロフィール

1947年、福岡県小郡市生まれ。東京大学文学部仏文科卒業後、TBSに勤務。退職後、九州大学医学部に学び、精神科医に。’93年に『三たびの海峡』(新潮社)で第14回吉川英治文学新人賞、’95年『閉鎖病棟』(新潮社)で第8回山本周五郎賞、’97年『逃亡』(新潮社)で第10回柴田錬三郎賞、’10年『水神』(新潮社)で第29回新田次郎文学賞、’11年『ソルハ』(あかね書房)で第60回小学館児童出版文化賞、12年『蠅の帝国』『蛍の航跡』(ともに新潮社)で第1回日本医療小説大賞、13年『日御子』(講談社)で第2回歴史時代作家クラブ賞作品賞、2018年『守教』(新潮社)で第52回吉川英治文学賞および第24回中山義秀文学賞を受賞。近著に『天に星 地に花』(集英社)、『悲素』(新潮社)、『受難』(KADOKAWA)など。

「2020年 『襲来 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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