空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む

著者 :
  • 集英社
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感想 : 138
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087814705

感想・レビュー・書評

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  • つい数年前にこんな厳しい冒険を1人で行った人がいたなんて…!命知らずって思うけどその意志の強さがすごい。無事に帰って来れてほんと良かった。途中に掲載してる渓谷や山、洞窟の写真が素敵でした。

  • 複数のノンフィクション賞を受賞するのも当然と感じる濃さ、上手さ。作者の若さと情熱に引きずられるように本の世界にのめり込んでしまう。

  • 自分は何のために生きているのか?
    いい人生とは何か?
    私はツアンポー峡谷に分け入り、辺境の地を旅する疑似体験を通して、生きることの全人類的な意味を模索するきっかけを得た。決して大袈裟ではなく、それほどまでに強い衝撃を受けた読書体験だった。

    ── 論理をつきつめれば、命の危険があるからこそ冒険には意味があるし、すべてをむき出しにしたら、冒険には危険との対峙という要素しか残らないだろう。冒険家は成功がなかば約束されたような行為には食指を動かされない。不確定要素の強い舞台を自ら選び、そこに飛び込み、その最終的な責任を受け入れ、その代償は命を持って償わなければならばいことに納得しているが、それをやりきれないことだとは考えない。(本文中より)

  • 小川洋子さんのFM番組で取り上げられていて、面白そうなので手に取ってみた。思えば10代から20代にかけて、本多勝一さんの極限の民族三部作をはじめに未知の世界への冒険譚を読んでいたが、ここしばらくはご無沙汰。
    チベット・ツアンポー峡谷にまつわる冒険の歴史と、息もつかせぬ、息苦しくもある著者の冒険の軌跡がみごとに描かれている。
    本書を読みながらGoogleEarthで場所を確認したが、山深く恐ろしさが際立つ場所だった。
    あらためて著者の強靭な精神と肉体に感嘆しつつ、ほんの少しだけ冒険のお伴をしたような気分を味わうことができた。

  • ☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB04244904

  • 衛星写真でどこでも確認できる時代に、つい何年か前まで、こんなまだよくわからない地域があったということに驚く。人を阻む地形という自然の凄さ、スケールと、政治的に微妙な立場で立ち入れなかったということが、こんな冒険を残してくれていたんだろう。ワクワクしながら読みました。

  • 評価の高い本ではあるのですが、私には合わなかったように思います。最後まで読めませんでした。残念です。

  • ビーパルに著者が出ていてメモしてたところで、リーダーズストアに出てきたので読んでみた。フィクションのふわふわ感がムズムスしてたところで、圧倒的なリアル感(体験してないのであくまで「感」)にひきこまれた。冒険をする理由というか理屈を織り混ぜながら、旅程を突き出してくる感じ。もちろんここまではやれないが、何かにかけてみるという気持ちが気持ち良い。

  • 毎日毎日、会社に通うだけの自分だけど、本を読むときぐらいは冒険家になってみたい時もある。この本は文章的に優れているとか、面白いといったわけではないのだが、自分は一気に引き込まれてしまった。まだ、地球の地図上に誰も訪れたことがない空白の地域があった頃のお話。

  • 1220
    丹下さんおすすめの本。
    リスクがあるからこそ、冒険という行為の中には、生きている意味を感じさせてくれる瞬間が存在している。冒険は生きることの意味をささやきかける。だがささやくだけだ。答えまではおしえてくれない。

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著者プロフィール

角幡唯介(かくはた・ゆうすけ)
 1976(昭和51)年北海道生まれ。早稲田大学卒業。同大探検部OB。新聞記者を経て探検家・作家に。
 チベット奥地にあるツアンポー峡谷を探検した記録『空白の五マイル』で開高健ノンフィクション賞、大宅壮一ノンフィクション賞などを受賞。その後、北極で全滅した英国フランクリン探検隊の足跡を追った『アグルーカの行方』や、行方不明になった沖縄のマグロ漁船を追った『漂流』など、自身の冒険旅行と取材調査を融合した作品を発表する。2018年には、太陽が昇らない北極の極夜を探検した『極夜行』でYahoo!ニュース | 本屋大賞 ノンフィクション本大賞、大佛次郎賞を受賞し話題となった。翌年、『極夜行』の準備活動をつづった『極夜行前』を刊行。2019年1月からグリーンランド最北の村シオラパルクで犬橇を開始し、毎年二カ月近くの長期旅行を継続している。

「2021年 『狩りの思考法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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