- Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
- / ISBN・EAN: 9784091793546
作品紹介・あらすじ
珠玉の短編で綴る少年青年漫画の歴史!
選者にいしかわじゅん、江口寿史、呉智英、中野晴行、村上知彦、山上たつひこ(五十音順)の6氏を迎え、日本の少年青年漫画を彩った幾多の短編の中より選び抜いたアンソロジーを編年体でお送りします。第5巻は花の80年代よりセレクト。高野文子 、弘兼憲史、浦沢直樹、高橋留美子などの知る人ぞ知る短編を収録!
【編集担当からのおすすめ情報】
いしかわじゅん、江口寿史、呉智英、中野晴行、村上知彦、山上たつひこが選んだ珠玉のアンソロジー。一筋縄ではいかない選者達がこれでもかと選んだ短編達。他ではなかなか見られない少年青年漫画の多様性をお楽しみください。
感想・レビュー・書評
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この巻に収められているのは、帯によると
「ビッグコミックスピリッツ」や「ヤングマガジン」が創刊された1980年から、「スーパーマリオブラザーズ」のヒットによりファミコンが定着した1985年までのものだそうだ。
日本のなかで大衆の娯楽として漫画がしっかりと位置を占めた頃の作品で、その以後に生まれた私にとっても馴染みのある雰囲気を感じた。
特に好きだった作品は以下。
「文久二年の爆裂弾」湊谷夢吉
幕末の政治闘争をする若者たちを描くが、下敷きは学生運動かもしれない。人の機微が繊細に描かれていてとても好きだった。
「夜行」泉昌之
泉昌之は、泉晴紀と久住昌之の漫画家コンビで、久住が原作、泉が作画を担当だったそうだ。久住はこの後孤独のグルメ(1994〜)を描くことになるけれど、夜行の時点でそのテーマ雰囲気ともに持っていたのだ。駅弁を選んで買って食べたら、思ったほど美味しくなくてガッカリだった、といえば早いが、ここまで面白く読ませるのは文芸の技だ。
「山本さんのおじいさんの場合」ひさうちみちお
なんとも切ない話。カレルチャペックのロボットを思い出した。ロボットの感情はどこまで育つのか考えてしまう。未だに古びないテーマだ。
「亀男」花輪和一
主人公は、平安時代の豪族の総領ながらとても臆病で亀を溺愛する「倅」。戦から逃げ帰り、父親から咎められるも、亀になりたいと一心に願い、栗の木の甲羅をつくり、亀のように過ごす。最終的に本物のカメラさながらになるが人を襲うようになり父親に殺される。奇怪さがすごい。最後の倅の表情が最高すぎる。
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湊谷夢吉「文久二年の爆裂弾」高野文子「あぜみちロードにセクシーねえちゃん」泉昌行「夜行」ひさうちみちお「山本さんのおじいさんの場合」引兼憲史「わたしの赤ちゃん」杉浦日向子「吉良供養」花輪和一「亀男」高橋留美子「炎ストリッパー」浦沢直樹「さよならMr.バニー」いしかわじゅん「杏子の白い胸」関川夏央/谷口ジロー「北のサムライ」いがらしみきお「電器屋さんがアンテナを立てに来た日」。
ほとんど既読。杉浦日向子「吉良供養」と浦沢直樹「さよならMr.バニー」が面白かった。