パラレル同窓会: 藤子・F・不二雄[異色短編集] 4 (4) (小学館文庫 ふA 4)
- 小学館 (1995年7月15日発売)
- Amazon.co.jp ・マンガ (274ページ)
- / ISBN・EAN: 9784091920645
作品紹介・あらすじ
SF的手法を駆使して現代世相を痛烈に風刺した異色短編集!
▼第1話/値ぶみカメラ▼第2話/女には売るものがある▼第3話/同録スチール▼第4話/並平家の一日▼第5話/夢カメラ▼第6話/親子とりかえばや▼第7話/懐古の客▼第8話/パラレル同窓会▼第9話/コラージュ・カメラ▼第10話/かわい子くん▼第11話/丑の刻禍冥羅▼第12話/ある日……▼第13話/四海鏡▼第14話/鉄人をひろったよ ●登場人物/男(会社では係長の真面目人間。ひょんなことから夢カメラを手に入れる)。妻(男の妻。最近は夫婦の間は倦怠期)。OL(男の勤め先の部下。男に相談に乗ってもらっている)。(第5話)▼男(平凡な会社員。子供たちも家を出て妻と2人暮らし)。女(男の妻。わりと心配性)。鉄人(旧帝国陸軍が極秘裏に開発した巨大ロボット)。(第14話) ●あらすじ/▼目を覚ませばパッと記憶から消えてしまう、はかない夢。頭に残っているのは楽しい気分や恐怖感だけで、内容を思い出せないのがなんともくやしい!……平凡なサラリーマンの家に夜中、突然に現れたカメラのセールスマン。彼が売りにきたのは、なんと人が見ている夢を写すことができるカメラだった……(第5話)。いつの時代でも、いちばん近くにいながらもなかなか分かり合えない親と子。そんな親と子の魂が入れ替わってしまったら……相良甚六は浪人生ながらも、恋人の春子に夢中。父親はそんな息子を心配して説教するのだが、甚六は受験をあきらめて春子と同棲したいとまで言い出す……(第6話)。▼もしも、テレビのアニメで子供たちに大気の鉄人を拾ってしまったら……川べりを車で走っていた男は、道に倒れていた謎の男から発信器らしきものを託される。何気なくボタンを押してみると、轟音とともに彼方から巨大ロボットが飛んでくるではないか! 困った男は鉄人をその場に残して帰ろうとするが、なんと鉄人は男の家まで付いてきてしまう……(第14話)。
感想・レビュー・書評
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1巻よりも、ハッピーエンドが多かった気がする。セールスマンのヨドバさんが個性的な機能をもつカメラをいくつも紹介するのだけど、現代だと実際にあるものと類似していて面白い。ヨドバさんは未来に戻れるのか、、?
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昨年藤子・F・不二雄ミュージアムに行った後購入した一冊。同短編集4作目の読了。ちょろ毛のカメラセールスマンがよく出てくる。
「女のくせに」とか細かい言い回しとか、時代背景が違うことを節々で感じた。いま出版したら怒られそう。あとは、やっぱり表紙の挿絵に妙に惹かれるし、「しょぼくれー」とか「ゴーゼン!」とか効果音が面白くて、漫画としてのオリジナル感がたまらない。
個人的には「並平家の一日」「ある日」「パラレル同窓会」「かわい子くん」がSFくさくて面白かった。 -
商人シリーズ。東京ストーリーランドとかのあのパターン。この巻が1番読まない。
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どの話も面白いが怖い話も多い。
「並平家の一日」とかすごいよね。ひたすら平均的な家族というのを突き詰めていくとある種の標本となる。つまり統計学的なサンプルとしてはこの上ないという。
どれもストーリーよりむしろアイディアが秀逸。「鉄人をひろったよ」なんか見ても普通のSFであれば大活躍するであろう巨大ロボが、現実のしかも一般家庭に存在したらただただ邪魔なだけという。「ある日……」なんかもゾクッとしてしまう。
何気ない「日常」が角度をほんの少し変えて見るだけでガラリと姿を変えてしまう。それが面白くもあり怖くもある。まさに不気味で異色な短編集だった -
(2014.04.25再読)
これはやっぱり、表題作の「パラレル同窓会」が好きかなあ。
枝分かれした自分たちとの同窓会。
これはぜひやってみたい!
旦那と結婚しなかった自分・会社を辞めてない自分、もっと戻って剣道部に入らなかった自分とかも見てみたい。 -
今までの短編の中でも一番かも。最後とかほんとに全部すごかった。気持ちのいいオチが秀逸
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本書を読むきっかけはアンリアレイジの永森さんの著作だった。ドラえもん好きが高じて向が丘遊園のドラえもんミュージアムの裏手に住んでいた僕からしたら、何故今このタイミングで。と言う出会いだが、パラレルが屈折し交差する時には、きっと特別な発見があるはずで(^^)出会えて良かった。と思える本作◎次は3、2、1と遡りシリーズ制覇だわw
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ヨドバ氏…
コラージュカメラは今普通にあるもんな。 -
■異色短編集4 パラレル同窓会(全14話)
値ぶみカメラ ※ヨドバ氏
女には売るものがある
同録スチール ※ヨドバ氏
並平家の一日 ★おお超ミニではないか!
夢カメラ ※ヨドバ氏
親子とりかえばや
懐古の客 ※ヨドバ氏
パラレル同窓会
コラージュ・カメラ ※ヨドバ氏
かわい子くん
丑の刻禍冥羅 ※ヨドバ氏
ある日…… ★プツン…
四海鏡 ※ヨドバ氏
鉄人をひろったよ -
!!
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カメラ屋のシリーズが好き
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ドラえもんの作者のSFコミック。
特殊なカメラを持った商人がお試しで渡して受け取った主人公がカメラを使って不思議な事を体験する短編が描かれている。
相手の自分にとっての価値を知るカメラ編は良かった。将来稼ぐお金も分かるが、自分にとってのその人の価値が数値で出るのはなかなか面白い話である。貧乏とイケメン実業家どちらをとるかもカメラを通して面白く描かれている。
他にもいろいろなカメラの話があり、写真を撮ったら相手が傷つく話など。 -
いつだって彼の漫画は思考を刺激して興味をかきたてる。
パラレル同窓会で出会う自分は、本当に自分なのだろうか。どうして目の前にいるパラレルワールドの人間が自分とわかるのか。わかるのなら、どうして自分は「こちら側」なのか。可能性は無限に存在する。パラレル同窓会に招待されない可能性だってある。そいつは果たして自分なのだろうか…
単にそういう興味をかきたてるだけに終わらず、その可能性をひとつの夢としてうやむやにし、なおかつ、誰でもない「語り」によって説明させる。どうしても一度、漫画を描くってどういうことか、聞いてみたくなる。
とりかえばや親子もそういう点で似ている。果たして自分とはどのように規定されているのか。他者とはいったい何者なのか。入れ替わったなんてどうして気付けるのだろうか。
ある日では、「終わり」というものを考えてしまう。最後のコマはプツン…という音で締めくくられているが、これは一体なんなのだろうか。そして、これを聴いているのは誰なのだろうか。
彼の漫画はいつだって考え続ける彼の姿がみえる。おもしろい漫画を描こうとしているよりは、考え続けるのが面白くってたまらないから描いているという、思考のスケッチをみているようで、飽きずに何度も探して手に取ってしまう。 -
本価製造原価 市価 産価 自価 値踏みカメラ インプリンティング パターン認識 鉄人を拾ったよ
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タイトルと挿絵に惹かれて買い。
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やはりオチが最高。今回はカメラネタが多いけど、全然ありきたりじゃない!
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よく時代が変わったといわれるけど、日本人の悩みの種やその発芽方法は、いうほど変わっていないと思いました。
最近世の中がギスギスしてきたって? 昔からじゃないか。という声が聞こえてきそう。
安孫子先生の「笑ゥせぇるすまん」もおもしろいけど、こっちもおもしろかった。 -
未来から来たカメラ売りのヨドバ氏のいろんなカメラが面白かった。
あとは、「プツン」が妙にリアリティをもっていて恐かった。
基本的に全て傑作だった。 -
他の3冊と比べ、道具系のお話が多い。
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★SFのSはすこしFはふしぎで少し不思議な物語が僕のマンガ by藤子・F・不二雄
ご存知、ドラえもんでお馴染み藤子・F・不二雄こと藤本弘は、存命ならば79歳、富山県高岡市で1933年12月1日に生まれて16年前の1996年に62歳で逝ったマンガ家。
ご多分に漏れず私も藤子不二雄の『オバケのQ太郎』『パーマン』『キテレツ大百科』『エスパー魔美』『21エモン』などを、幼少の頃から座右のマンガとして読みアニメも熱心に見ていましたが、なかでも『ドラえもん』はあらゆるSFのテーマが盛り込まれていて、おそらくSF小説(家または界)にとっても読まれる前にちゃんと基礎知識を習得しておいてもらえるのでたいへん有難い存在であるといえるかもしれません。藤子不二雄の時もコンビを解消してからの藤子・F・不二雄になってからも、彼はそれらのよく知られた長編マンガ以外に、もっとSF・ミステリー色と諧謔色の強い短編マンガを多く書いています。
1 値ぶみカメラ
2 女には売るものがある
3 同録スチール
4 並平家の一日
5 夢カメラ
(とあるサラリーマン宅の夜中に突然カメラのセールスマンが現れる。なんと彼が売り込みにきたのは見ている夢を写すことが可能なカメラでした)
6 親子とりかえばや
7 懐古の客
8 パラレル同窓会
9 コラージュ・カメラ
10 かわい子くん
11 丑の刻禍冥羅
12 ある日…
13 四海鏡
14 鉄人をひろったよ
(川岸を車で走っていた男が、道路に倒れている見しれぬ男から発信器のようなものを渡される。ボタンを押すと爆音と一緒に空の彼方から、子供たちに大人気のテレビアニメから抜け出てきたような巨大なロボットが登場。慌てて彼はロボットを置いて帰ろうとすると、鉄人は彼の家についてきてしまった)
実際に日常茶飯事にSFが侵入して来る藤子マンガですが、かつて95年に一世を風靡した『パラサイト・イヴ』で日本ホラー小説大賞を得てデビューした現在SF作家で東北大学工学部特任教授(SF機械工学企画担当)の瀬名秀明は、幼少期にドラえもんを読んだことに多大な影響を受けたと告白していますし、残念ながら、確かに我が手塚治虫よりもメディア戦略は上手で、幼児向けの雑誌や学習雑誌をはじめ毎年アニメの新作を大々的に興行するという方法で、深く広く、おんな子供爺ちゃん婆ちゃんまで浸透するにいたり国民的娯楽マンガの地位を得ているといえます。
レビュー登録日 2009年12月01日
推敲(更新)日 2012年10月09日 -
SF+ブラックジョークのマンガ短編集。ドラえもんとかには絶対出てこないような話が、あのタッチで描かれていたのが新鮮だった。
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この白いシリーズ4作品は、藤子F先生の作品を読んだことがない人に
ぜひおすすめしたい! -
同窓会って響きはやっぱりいいな
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藤子・F・不二雄「短編集」の4作目。ヨドバ氏のカメラシリーズなど14編。ヨドバ氏が持ち込むカメラはどれも怖いな。タイトルのパラレル同窓会はさまざまなパラレルワールドにいる自分の同窓会。実際に出席できるのであれば出席してみたい。
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短編集の中のひとつ、パラレル同窓会。人生のいろんな選択ごとに未来が分かれるパラレルワールドの「自分」たちが同窓会をする話。ひとつの選択が未来を大きく変えてしまう的なテーマは私のツボだった。
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