- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101003511
感想・レビュー・書評
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人生で忘れられない恋。忘れられない人。世界で一番大切な人を失っても、世界は刻々と進んでいく。あの人の代わりはいない、けれど自分の代わりなど山ほどいる。忘れたと思ってもふとしたきっかけで、あの日押し殺した感情がいとも簡単に溢れ出す。人間は合理的でいたいと願っているが、全くもって非合理的な生き物だ。頭でわかっても心がごねる。そんな言葉にならないような非合理的な感情が、リアルに表現されていて、思わずドキッとした。
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言葉が、うまいという印象。
twitterが短い中でも、描写力を扱うからなのかとても長過ぎない言葉遣いに感じた。それだけ自分も現代人になっているのかもしれない。
解説の方も話していたけど、描写力がリアルに感じた。リアルとは、「自分もこう思う」と思っている、感じた事を、うまく書かれているような、という自分の中での認識。
すっきりともいうし、言い当てられた感ともいう感じ。
動作や、感じるものの描写がとてもリアルに感じました。
2019/12/1三軒茶屋にて
著者の講演会に行った
著者はとても明るい感じの方で、声のトーンも高い?か普通
お会いするまでは、もっと落ち着いた方かと思っていたけれど、活発な印象を受けました。
とても気さくな方。
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小説も映画も冷静になればリアリティのなさを感じる作品ばかりの中、この小説は痛いほどリアリティを感じて驚きと既視感を味わった。
こんな小説も良いなとつくづく思った。 -
昔どうしようもなく好きだった人を思い出すようなエモい話。
なんだか切なくて独特の余韻が嫌いじゃない。 -
伊藤沙莉が出ているので、映画を先に。描き切れてない感を感じたのでこちらを。
燃え殻という不思議な名前の書き手に初めて接し、世代的にはさほど遠くないので、出てくる音楽や映画は懐かしかったり。
映画では描かれなかった1999年7月に唐突に訪れた別れのわけが少し分かったことと、フェイスブックで繋がった彼女がひどいねで反応してくれたことが、原作を読んで良かったこと。
「美味しいもの、美しいもの、面白いものに出会ったとき、これを知ったら絶対喜ぶなという人が近くにいることを、ボクは幸せと呼びたい。」 -
大人になれなかった、と表現した時点で大人に踏み入れているし、みんな、なれる大人になるしかないんだよ。
生きた年代で取り巻く文化は変わるけど、「神田川」「限りなく透明に近いブルー」とか思い出したから、人生境目の感性はそこそこ似てるのかもね。 -
絶対に読み返すと思う。そのときにまたこの作品は味わい深いものになるだろうとも思う。
私の恋は現在進行形だけれど、思い出す日がきたら、この小説と共にふりかえりたい。
追記
恋愛だけでなく、大人の階段を上っていくことについても、決して楽観的ではない描かれ方だったけれど、なんだか受け入れる準備?ができたような気がする。 -
【2022年99冊目】
なんとも御しがたい小説。読んでる途中に他の方の感想を拝読したのは初めてのことでした。自分の中でこの小説とどう向き合えばいいのかがかわからなくて、結局わからないまま読み終えました。一言で言えば、すごく若い小説。ただ作者さんが私よりも年上の方だったので、適切な表現ではなさそうなんですが。
ところどころに散りばめられた表現は確かに、刺さる人には刺さるものが多いと思いました。けれど、物語全体が表現を表現たらしめるために書かれているように受け取ってしまい、うむ、ここまでつらつら書きましたが、私には合わなかったなぁというのが率直な感想です。
なんで合わないと思うんだろうなぁと考えながら読んでたのですが、感じたのは上記のようなことでした。
あと章ごとにタイトルつけるのは良いんですが章が短いのでちょっとくどいなと思ってしまいました(最初、短編集なのかと思って読んでいたくらい) -
燃え殻氏のノンフィクションだろうか?それともフィクションだろうか?世紀末感溢れる1990年代のごった煮サブカルチャーを添えて、カオスなテレビ業界で青春時代を送った主人公の恋愛物語。陳腐で安っぽくなりそうなテーマを絶妙の感性でセンチメンタルな物語に整えている。何一つ答えも結論も出さない、「そういうことだった。それでいいんだ、たぶん」的な濁ってるような澄んでいるような、でも気持ちの良い湖に浮かんでいるような不思議な感覚。読後感はなんだか淡く切なくさせられる良いストーリーであった。
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サブカルを通して恋愛を経験した方は
とてもノスタルジックな、
むず痒いような、
センチメンタルな気持ちになると思う。
燃え殻さんのストーリーは叙情的で、
ハッキリとした答えが無い感じも良き。
“サブカルをこじらせた”ような
出会いや恋愛を経験してきた私は、
このストーリーに触れて、
共感性羞恥のような、
むず痒い気持ちになった。
面白いよ。