- Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101181530
感想・レビュー・書評
-
今後どのようにローマが大国に立ち向かっていくのか楽しみなところです。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この巻では。イタリア半島を統一してからポエニ戦争前半まで書かれています。
-
10年ぶりに再続
-
1
-
[評価]
★★★★☆ 星4つ
[感想]
ピュロスとの戦いに勝利し、イタリア半島の支配者となったローマと北アフリカ沿岸、および地中海の島々を支配し、地中海交易を活発に行なっていたカルタゴが初めて衝突した時代の物語となる。
きっかけはシチリア島のメッシーナが同島のシラクサから攻撃を受け、ローマに救援を求めてきたことだ。初の海外遠征はメッシーナが半島から極めて近く、海戦等が発生しなかったためにシラクサにはあっさりと勝利し、シラクサと手を結び救援に来ていたカルタゴも撃破した。
結果的に言えば、この戦いが第一次ポエニ戦争のきっかけとなり、ローマは不慣れな海戦で繰り返し敗戦にあいながらも、粘り強く戦い続け、カルタゴから地中海の支配権を奪うことに成功し、覇権国家としての第一歩を歩み始めたということになるのだろう。
一方、ローマに敗北したカルタゴではハンニバルの父、ハシュドゥルバルがイベリア半島を支配し、着実に勢力を拡大していたのであった。 -
ローマ建国時の王政から共和制の300年間を経て国力を充実させたローマが、地中海の覇者であったカルタゴとの全面戦争を戦ったポエニ戦役の、前半部分を扱った巻。
海洋国家ではなく、強力な重装歩兵団を擁してはいたものの基本的には農業国家であったローマが、地中海のほぼ全域の制海権を持っていたカルタゴに対して勝利を収めた経緯は、非常に興味深かった。
カルタゴにしか配備されていなかった五段層軍船による海軍にいち早くキャッチアップしたり、海戦を陸戦と同等にしてしまう「カラス」といった機器の発明など、ローマの技術力・工業力の高さは印象的だ。
一方、シチリア島の諸都市との巧みな同盟により、常にシチリア島に拠点を確保し続けた外交力や、毎年執政官が変わる中でも統一された指揮や作戦遂行能力を維持できたローマ軍やローマ社会のシステムとしての完成度の高さも、大きな要因だったのであろう。 -
ローマ人の物語 (3) ― ハンニバル戦記(上) (新潮文庫)
-
内容 :
紀元前三世紀後半、イタリア半島を統一したローマは、周辺諸国にとって無視できない存在になっていた。
そのローマに、紛争絶えないシチリアの小国が救援を依頼。
ローマは建国以来初めて、海を渡っての兵の派遣を決める。
しかしそれは、北アフリカの大国カルタゴとの対決も意味していた―
地中海の覇権を巡って争われ、戦争史上に残る大戦「ポエニ戦役」、その前半戦を描く。
著者 : 塩野 七生
1937年東京生まれ。学習院大学文学部哲学科卒業後、イタリアに遊学。
68年に執筆活動を開始し、「ルネサンスの女たち」を「中央公論」誌に発表。
初めての書下ろし長編『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』により1970年度毎日出版文化賞を受賞。
70年以降イタリア在住。
82年、『海の都の物語』によりサントリー学芸賞。83年、菊池寛賞。
92年より、ローマ帝国興亡の一千年を描く「ローマ人の物語」にとりくむ。
93年、『ローマ人の物語1』により新潮学芸賞。 99年、司馬遼太郎賞。
2002年、イタリア政府より国家功労賞を授与される
(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
著書に「海の都の物語」「わが友マキアヴェッリ」など。 -
「ローマ人の面白いところは、何でも自分たちでやろうとしなかったところであり、どの分野でも自分たちがナンバー・ワンでなければならないとは考えないところであった。」という文章が印象に残った。これは現代の人材の配置においても当てはまるのではないだろうか。他人(他国の人々)に任せるのは自分で全てをこなすよりも効率はよくなる。勇気がいるだろうが、そのことに2000年以上前から気づき、実践していたローマはすごい!