- Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101204963
感想・レビュー・書評
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ウクライナとロシアの戦争、また、娘が中学受験のため歴史の勉強をしている最中、息子の塾のオススメ図書だったので図書館で借りて読んだ。
なかなか時間もかかるし読み応えのある本。
さまざまな国の思惑、政治家の本音、時代の流れ、誰も止められなかった戦争の悲劇。世界の国々と共存することはいつの時代も一番大切なテーマで、どんな時もそれを支えて均衡を保っている人たちの努力の上に平和がありつつも、とても不安定なものなのかなと。 -
読めるって人と読めない人に分かれると思います.高校が日本史だったので、あーなんか聞いたことあるわーって感じで読めました。
歴史研究会の高校生との集中講義を元に作られた本で、その講義を受けた生徒は2021年暮れ現在30歳。彼らはどんな自分史を歩んでいるのかなぁ!
あの戦争の裏側を外交の面から学ぶことができて面白かった。 -
友人の勧めで借りて読んだ。
序章の「歴史の見方」、4章「満州事変・日中戦争」、5章「太平洋戦争」がとてもおもしろかった。
特に、今まで正確な資料としては知らなかった、当時の一般人の戦争に対する感覚、敵国、特に中国側の考えが興味深かった。
中国の胡適、王兆銘の言葉には唸り、陸軍の暴走に溜息し、水野廣徳の言葉に少し安堵した。
歴史に想いを馳せた後、これからの日本はどういう国になっていくのか、なってほしいのかを考えた。 -
近代日本はなぜ戦争を選んできたのか、教科書だけでは到底理解し得ないその背景を、まるで当時にいるかのように、登場人物の心境に立って解説してくれる。(日清〜太平洋戦争まで)
冒頭の「国民の正当な要求を実現しうるシステムが機能不全に陥ると、国民に、本来見てはならない夢を疑似的に見せることで国民の支持を獲得しようとする政治勢力が現れないとも限らない」でグイッと引き込まれてしまった。歴史好きなら読み止まらないこと間違いなし。それにしてもこんな面白い講義を、生で聴けた生徒たちは羨ましいな。 -
中高生に向けた講義ということで、日清戦争から太平洋戦争まで優しい内容で幅広く概要が知れるのかと思っていたら、超進学校の賢い中高生たちで自分より遥かにレベルが上だった。概要はもちろん詳細まで頭に入っている前提で、その時々の首相や陸海軍部の人間、市井の人々まで戦争についてどのように感じていたか、などが紹介されている。
歴史に学んで二度と同じ過ちを繰り返さないように、とはよく言われるが、真剣に考え抜いても引用する歴史を間違え、失敗してしまった施政者もいたらしい。
もう一度勉強し直して再読すれば面白みも増しそう。 -
歴史年表として平面的に理解していたそれぞれの事件が、連続的かつ立体的に見えてきます。
太平洋戦争に至るタイミングでの各国の軍事力評価とその後の展開には、ちょっと気が遠くなるような感覚を覚えました。
物事を一つの視点・タイミングのみで評価する危うさには敏感でありたいものです。 -
ルソーの述べた真理にこういうのがある。
戦争は国家と国家の関係において、主権や社会契約に対する攻撃、つまり、敵対する国家の憲法に対する攻撃という形をとる。
戦争というのは、ある国の常備兵が三割ぐらい殺傷された時点で都合良く終わってくれるものでもない。また、相手国の王様が降参したからおわるものではない。戦争の最終的な目的というのは、相手国の土地を奪ったり、相手国の兵隊を自らの軍隊に編入したりする次元のものではない。相手国が最も大切だと思っている社会の基本秩序、これに変容を迫るものこそが戦争だ、といっている。相手国の社会の基本を成り立たせる秩序=憲法にまで手を突っ込んでそれを書き換えるのが戦争だと。第二次世界大戦の終結にあたっては、敗北したドイツや日本などの憲法に英米流の議会民主主義の方向に書き換えられることになった。日本国憲法は別にアメリカが、理想主義に燃えていたから作ったのではない。結局、どの国が勝利者としてやってきても、勝利した国が、敗れた国の憲法を書き換えるという事態が起こったはずなのだ。
私たちにはいつも全ての情報が与えられているわけではない。けれども、与えられた情報のなかで必死に過去の事例を広い範囲で思い出して最も適切な事例を探し出し、歴史を選択して用いることができるようにしたい。歴史を学ぶこと、考えてゆくことは、私たちがこれからどのように生きて、何を選択してゆくのか、その最も大きな力となるのではないか。
はじめはわかりやすかったが、段々と大学の教授って感じの講義になってしまったのが残念。序章から、日清日露までがいい。あとは、退屈だった。 -
高校生(優秀すぎて驚く)との対話で書かれており、問題点を一つ一つ掘り下げていく形式なのでとても読みやすい。何故そのような判断に至ったのか、ゆっくり考えることが出来る。とてもよい現代史の教科書と言える。
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すごく考えさせられた。戦争はよくないものというだけではなく、様々な状況により生じている結果なのだということ。