機巧のイヴ (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
4.04
  • (56)
  • (71)
  • (33)
  • (7)
  • (1)
本棚登録 : 623
感想 : 67
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101207919

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • つねに脳内に檀蜜がちらついていた

  • 時代物×SFが新感覚で面白かった。話の終わり方はあともう少しなんとかならなかったのかなぁ…と思ってしまった。

  • 連作短編集。ところどころ、あっという捻りが加えられていて、楽しめた。続編もあるらしく、また読みたい。
    江戸時代の日本に似た架空の場所を舞台に、機巧人形の伊武(イヴ)を中心とした話が語られる。人形とはいっても、知らない人にはそうとわからない完全なオーパーツの機巧人形。そのからくりを、限られた人とはいえ江戸時代の人が、説明書なしに修理できるほど理解できるというのは、お約束。

  • 文庫化。
    普段、時代小説は殆ど読まないのだが、本書は面白かった。作中に漂う色気のようなものが好きだ。続編もあるらしいので楽しみ。

  • 想像の100倍面白かった。もっと早く読んでおけば。 

  • 2018/01/16読了

  • オートマタといえば、からくりサーカス。そんなイメージで読み進めました。

    誰が機械で誰が人形か。そこの線引きは果たして。
    伊武に似た人が何人も出てくるからややこしい。役職も立場も様々でこれまたややこしい。面白いけどイマイチ入り込めず。

  • スピンオフをアンソロジーで読んで、面白かったので本編を購入。奥深い、味わい深い面白さ。
    生身の人間と変わらない外見や動きを備えた機械人形が存在するようなSF性と、武士や忍びが活躍する江戸風の舞台。歯車やバネがみっしり詰まっているのに、関取に想いを寄せたり願掛けをする人形。由来も仕組みも説明のつかない、この時代の中で浮いた存在である伊武に、久蔵も甚内も惹かれているが、伊武自身が何か行動して物語が動くわけではない、というところも良かった。信じたり欺いたり、助けたり殺したり・・・動いてかき回すのは人間だ。だから行動に破綻や不可解さはなく、時代小説のように読んでいける。SFに寄りすぎていないバランスが好みだった。

    「どうやってその証を見せる」
    「あるからこそ、今、それを失うのだ」
    機械人形に心は宿るのか、という命題も組み込まれている。
    「人の体をどんなに細かく腑分けしても、機巧と同様、その人の心を現すものや感情や記憶を思い起こさせるものなど、一切出てこないのだ。――振る舞いの中に命がある」

    それと装画がカッコよくて忘れられないインパクト。くじらの模様の帯を持つ"太夫"。

  • 機巧人形と人…
    江戸時代の日本に似た世界が舞台でしたが、将来来るかもしれないアンドロイドと共存する世界…の、先駆けのようなものを感じました。

    人の魂は何処に宿るのか?
    アンドロイドに魂は宿るのか?
    人と何が違うのか?
    考えさせられました(哲学的な意味で)。

    と、さらにですが、物語としても凄く面白いです。続編にも期待できます。

  • 時代小説は読まないけどSFは好き。まんま解説にあるパターンの読者です。江戸のような時代背景、幕府と朝廷のような関係。そこに機巧、イヴ、神代の神器。登場人物もさることながら、「どこまでこの先読んで行動してるんだ⁈」と突っ込みたくなるくらいな駆け引きも魅力的。イヴが一途に想っている長須鯨の腰掛け、その後天徳さんは復活するのかな?続編、必ず読みます!表紙も美しいですね。

全67件中 51 - 60件を表示

著者プロフィール

1971年東京生まれ。小説家・劇作家。2010年『完全なる首長竜の日』(宝島社)で第9回「このミステリーがすごい!大賞」を、『忍び外伝』(朝日新聞出版)で第2回朝日時代小説大賞を受賞しデビュー。2013年『忍び秘伝』(文庫化タイトル『塞ノ巫女』)で第15回大藪春彦賞候補。近年は作品の英訳版が発売され、中国のSF雑誌にも掲載されるなど、海外での評価も高い。『機巧のイヴ』シリーズ(新潮社)、『見返り検校』(新潮社)、『僕たちのアラル』(KADOKAWA)、『ツキノネ』(祥伝社)、『ねなしぐさ 平賀源内の殺人』(宝島社)など、著書多数。

「2020年 『ドライドックNo.8 乾船渠八號』 で使われていた紹介文から引用しています。」

乾緑郎の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×