奇跡の人 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.18
  • (54)
  • (175)
  • (520)
  • (77)
  • (25)
本棚登録 : 1906
感想 : 196
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (574ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101270227

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 真保さんの作品は初めて読むはずなのになぜか既視感があり、いつの作品なのか確認したら1997年。
    かつて、山崎まさよし主演でドラマ化していたものだとわかり、繋がった。

    多くの方が感想に書いている通り、物語後半の展開が残念だった。記憶を辿りたい孤独な主人公の想いに共感していたはずが、だんだんと「おいおい」という感情に変わっていってしまった。
    結末もイマイチで、読後感も良くない。

    ただし、20年越しに聴いてみたドラマ『奇跡の人』の主題歌『僕はここにいる』はやけに響いた。
    この作品のためにつくられた曲だったのかな。歌詞が沁みる。

  • 初読

    お風呂の中で1章ずつ読んでたのだけど、
    続きが気になるので一気に読む事に。

    読み終わって
    「なんじゃこりゃぁーー」(下町ロケットの阿部寛の声で)

    いやぁ、お風呂の中で読んでたノート3くらいまでは面白かったんだよねぇw
    レビュー読んだら似たような方が多くて笑った。

    主人公への共感は必須ではないしクズでもいい、
    人間の負の部分は変わらないのか、忘れてしまったら罪は消えるのか、
    そのテーマは興味深いし読んでみたいと思う。

    けどその辺の葛藤も特になくいきなり火に飛び込んで子供を助けるか否かとかw
    若い時の元カレが出てきて母のようにどうたらとか
    何故そうなったw
    打ち切りエンドの様な展開に呆気に取られる秋の夜。

  • あまりすっきりした読後感ではないな。途中から間延びしてしまった感じ。もう一歩。

  • 180704*読了
    うーん。わたしはあまり好きになれない作品。
    真保裕一さんなら、デパートへ行こうやアマルフィの方が好きです。

    事故で意識不明の重体から奇跡的に助かって、普通に生活できるまでになった奇跡の人。でも、過去の記憶がない。
    自分がそうだとしても絶対に過去のことは気になるだろう。
    そして、東京に行き、真実を知る…。
    事故以前の彼は驚く程に暴力的で感情的。それがどんどん現れてきてしまって、やっぱり自分は生まれ変わっていない、以前の自分が心にいると気づく。
    彼の元カノはたとえ罪の意識があるとはいえ、今は家庭もあるんだし、もともと暴力的な人だったんだからこんな風に、彼を愛せるの?と疑問に思いました。母のように愛すって…。
    自分には無理!!

  • 前半は面白いのですけどね。後半は。。。
    どうも、この手の人物像は嫌いでして、一寸というか相当ペースダウンしてしまいました。ただし、これはあくまで個人的に好き嫌いの問題ですので、他の人がどう感じるかは別です。
    素直に感想を書くとネタバレになってしまうので書きにくいのですが、もう少し救いのあるエンディングにならなかったものかと思います。そういう終わり方も出来ると思うのですが。。。

  • 真保裕一さんを好きになったきっかけの一冊。
    記憶を失くした青年は「今」だけを生きていた。
    しかし、記憶を失った背景には驚くべき真実が隠されていた!
    入院中に友人がお見舞いに持ってきてくれた本の中に本作がありました。
    読み出したら止まらなくて。一気に読んでしまいました。
    隣のベッドのおばちゃんにも貸してあげたけど、同じように「一気に読んでしまった!」と興奮気味に語っていました。
    徹夜覚悟で是非読んでみてください!

  • 中間は止まらなくてどんどん読んだ。「アルジャーノンに花束を」的な回復劇には爽快感を覚えた。
    しかし、途中から雲行きが怪しくなり、結末では「もうやめて!」と思いながら読んでいた。はたからみたら、なぜ?とか、こんな簡単なことなのに、そんな馬鹿なことして、などと思う。でもそれが人間というもので、わたしたちは第三者からみたらどうでも良いことに気を揉んだり、くよくよしているものだ。主人公の人生は、わたしの人生とちっとも変わらないのかもしれない。
    複雑で単純な人間模様を書いた小説。

  • 事故による大怪我から奇跡的に回復したが、記憶を失った主人公が、事故の原因や過去探しに行く話。
    今の人格も、過去の人格も思い込みが激しい。

  • 傷の再生のためにはかさぶたを剥がすべきなのか、放置するべきなのか?たとえ剥がしたところで現れる古い皮膚は克己にとっては他人のものだ。自分がどんな人間で、どんな風に生きてきたか、すべての記憶を失っているのだから。
    でもかさぶたを剥がしたくなるのも人情で、剥がしたあとで傷口の醜さにおののくこともあるだろう。克己の自分探しはまさにそれ。結末が切ない。

  • 真実がどこにあるのか気になって一気読みでした。そういう意味では面白かったんだけど。。。
    主人公には同情の余地はあるにしても共感できないし、読み進めるうちに、その自己中心な性格にだんだんと嫌悪感さえ覚えるようになり。読後はもやもやとした感じです。
    ということで評価に困る作品でした。

全196件中 21 - 30件を表示

著者プロフィール

真保裕一(しんぽ・ゆういち)
1961年東京都生まれ。91年に『連鎖』で江戸川乱歩賞を受賞。96年に『ホワイトアウト』で吉川英治文学新人賞、97年に『奪取』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞長編部門、2006年『灰色の北壁』で新田次郎賞を受賞。他の書著に『アマルフィ』『天使の報酬』『アンダルシア』の「外交官シリーズ」や『デパートへ行こう!』『ローカル線で行こう!』『遊園地に行こう!』『オリンピックへ行こう!』の「行こう!シリーズ」、『ダーク・ブルー』『シークレット・エクスプレス』『真・慶安太平記』などがある。


「2022年 『暗闇のアリア』 で使われていた紹介文から引用しています。」

真保裕一の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×